• 「おまもり」の語源は“見守る”だそうです。私が私らしく、居心地よく生きるための「おまもり」を分けていただきに、大段まちこ(フォトグラファー)&井尾淳子(フリー編集者)の二人が、心とからだを整える魔法使いのような人々を訪ねます。今回は、東京・表参道にある「源保堂鍼灸院(げんぽうどうしんきゅういん)」の瀬戸郁保(いくやす)院長先生に「つやを取り戻すお灸」のお話を伺いました。
    おまもりルームより
    ふっくらとした愛を込めて。

    画像: おまもりルーム | 心とからだを整える。
第二回 「つやと眉間」の意外な関係
「源保堂鍼灸院」(東京・表参道)
大段まちこ×井尾淳子

    鍼をすると眉間が光る!?

    美しさのモトとなる“つや”を求めて、表参道にある「源保堂鍼灸院」を訪ねた私たち。院長の瀬戸先生いわく、「鍼灸には、からだにつやが出たかどうかわかるポイントがある」とのこと! そのポイントとは? 一体!? 

    瀬戸先生:「よく、顔色がいいね、とか言うじゃないですか。それは生命力が出ている証拠なんです。つまり、それが“つや”のモトとなります」

    大段:「生命力…」

    井尾:「取り戻したい…。できれば手っ取り早く!」

    瀬戸先生:「ですよねぇ(笑)。修行時代、お師匠さんからよく言われたことがあるんです。それは、“鍼灸を行う時は自分の手元ばかり見ないで、つねに患者さんの眉間から目を離さないように”ということ」

    井尾:「眉間?」

    大段:「どうしてですか?」

    瀬戸先生:「じつは、つやの変化が眉間に現れるからです。鍼をしていると、だんだん眉間が明るく、光るようになってくるんですよ」

    二人:「えーっ! すごい!」

    画像: 施術中、先生が見ているのはここ! 眉間です!(ちなみにモデルは先生の奥様の瀬戸佳子さん。源保堂鍼灸院では国際中医薬膳師として、「薬膳相談」を担当されています)

    施術中、先生が見ているのはここ! 眉間です!(ちなみにモデルは先生の奥様の瀬戸佳子さん。源保堂鍼灸院では国際中医薬膳師として、「薬膳相談」を担当されています)

    鍼灸の効果は個人差も

    大段:「まさに第三の目ですね。先生は施術中にその変化がわかるのですよね?」

    瀬戸先生:「もちろん。眉間の明るさが鍼療効果のひとつの指標となります。でも弱っている方は、その変化がなかなか起きないので時間がかかるといいますか…」

    二人:「え!(ドキッ)」

    大段:「私はどうだったのでしょう。ちょっとでもつやが出たこと、ありました? 本当のことをおっしゃってください~(真剣)」

    瀬戸先生:「正直なところ、大段さんは最初のうちは、カサカサしていて眉間の光が弱かったんです。だから変わるまで続けていただけるといいなと…じつは思っていたんです。でも最近は血液も増えて、変化が出つつありますよ!」

    井尾:「すごい! 大段さん」

    大段:「通ってよかったです~(ほっ)」

    画像: 施術の際、患者さんの顔色や肌の状態もしっかりチェックされている瀬戸先生(写真)。「井尾さんは今日は唇が少し乾燥気味ですね。唇は胃腸の状態を表します。胃腸が弱っているとエネルギー不足になってしまいますよ」(瀬戸先生)きゃー!

    施術の際、患者さんの顔色や肌の状態もしっかりチェックされている瀬戸先生(写真)。「井尾さんは今日は唇が少し乾燥気味ですね。唇は胃腸の状態を表します。胃腸が弱っているとエネルギー不足になってしまいますよ」(瀬戸先生)きゃー!

    つやを取り戻すと、第六感も冴える!

    井尾:「眉間といえば、インドの女性は眉間にビンディーをつけてますね」

    大段:「世界の文化はつながっているということですね。そう考えると面白いです」

    瀬戸先生:「第三の目(=サード・アイ)とは、直感。つまり“五感第六感”ですよね。目・口・舌・耳・鼻で感じるのはまだ“五感”でその域には達していません。は、これは漢方でいう“五行”(肝臓・心臓・腎臓・脾臓・肺臓)に分けられています」

    二人:「ふむふむ」

    瀬戸先生:「からだがいきいきして、五感と五行がトータルで元気であれば、それぞれが調和するので、五感の次にある“第六感”が生じると言われています」

    二人:「なるほど!!」

    瀬戸先生:「すべての五臓がしっかり整っていないと、直感は降りてこないんです。眉間(=第三の目)は、第六感が開いた時の目とも言えます」

    大段:「わかります~。体調が落ちると、アイデアが降りてくるのに時間がかかるんですよね」

    井尾:「思考が鈍っていると思った時は、臓器のおつかれ具合を疑った方がいいんですね!」

    画像: 眉間が輝くのは、五臓が調和され、エネルギーが巡っているという「調和の証」。写真は、約400年前に書かれた中医学の名著『黄帝内経(こうていだいけい)』。「古代の知識が今も当てはまるということは、社会は進化しても、人間のからだは大きくは変化していない、ということですよね」(瀬戸先生)

    眉間が輝くのは、五臓が調和され、エネルギーが巡っているという「調和の証」。写真は、約400年前に書かれた中医学の名著『黄帝内経(こうていだいけい)』。「古代の知識が今も当てはまるということは、社会は進化しても、人間のからだは大きくは変化していない、ということですよね」(瀬戸先生)

    「一日一お灸」で免疫を高めよう

    井尾:「世の中は新型コロナウィルスの影響で大変になっていますよね…。外出を控えたい今、セルフ(自宅)で、鍼灸のパワーをおまもりにする方法はありますか?」

    大段:「セルフというと、やはりお灸でしょうか」

    瀬戸先生:「そのとおりです! 一日一箇所でもいいので、セルフお灸はぜひ行っていただきたいです」

    二人:「一日一お灸!」

    画像: セルフでお灸を行う際は、正確なポイントにこだわりすぎなくてもいいそう。「ツボのまわりを触り、“ここが痛気持ちいいな”など、自分でピンとくる場所で大丈夫」(瀬戸先生)正確な場所よりも、毎日続けることが大事!

    セルフでお灸を行う際は、正確なポイントにこだわりすぎなくてもいいそう。「ツボのまわりを触り、“ここが痛気持ちいいな”など、自分でピンとくる場所で大丈夫」(瀬戸先生)正確な場所よりも、毎日続けることが大事!

    瀬戸先生:「このご時世なので、免疫力アップに効果のあるツボをご紹介しますね」

    二人:「それはぜひ! お願いします!」

    瀬戸先生:「曲池(きょくち)というツボになります(上の写真参照)。部位は、肘(ひじ)を曲げた時にできる、横じわの延長上にあります。胃腸や肌の調子を整える効果がありますよ。胃腸が弱っている井尾さんは、ぜひここにお灸を」

    井尾:「今日からお灸をします!」

    画像: もうひとつのおすすめは、「尺沢(しゃくたく)」。曲池よりも内側に入ったところにあるツボ。(外側が曲池、内側が尺沢)

    もうひとつのおすすめは、「尺沢(しゃくたく)」。曲池よりも内側に入ったところにあるツボ。(外側が曲池、内側が尺沢)

    大段:「尺沢のツボは、どういう効果があるのですか?」

    瀬戸先生:「まさに今大切な、肺や呼吸器系の免疫を高めるツボです。2つとも場所が近いので、合わせてぜひ行ってください」

    二人:「はい!」

    つやを出すには、まず内蔵を整えることが大切なんですね。

    次回はいよいよ、つやの証「美肌」をつくるツボをご紹介します。

    ※ ※ ※

    源保堂鍼灸院
    東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
    Tel&Fax 03-3401-8125
    開院時間・曜日・料金(自由診療)↓
    https://genpoudou.com


    大段まちこ(おおだん・まちこ)
    フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
    http://odanmachiko.com/
    井尾淳子(いお・じゅんこ)
    フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。


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