• 地元にお住いの方に、おすすめのお店を紹介していただく企画「私の町の自慢のお店」。
    今回は、北鎌倉にできた、イタリア・トリエステの本格家庭料理が楽しめるお店を紹介します。北鎌倉在住の料理家・藤田みどりさんが訪ねました。

    作家・須賀敦子の作品に『トリエステの坂道』というエッセイがあります。

    亡き夫が「いつかきみをつれていく」と約束しながら、果たせなかった思い出の地、夫の故郷・トリエステ。敬愛する詩人、ウンバルト・サバの故郷でもあるこの地を、夫の没後20年を経て、一人で訪ねる旅行記です。

    このエッセイを読み、長年トリエステの地に憧れていたという、北鎌倉在住の料理家・藤田みどりさん。北鎌倉にトリエステの本格的な料理が楽しめるお店ができたと聞き、さっそく訪ねました。

    画像: アドリア海を望む港町・トリエステは、東ヨーロッパへの入り口でもあり、歴史的、地理的にさまざまな国の影響を受けた食文化が特徴。ペスカトーレなど魚介を中心とした料理も多い。

    アドリア海を望む港町・トリエステは、東ヨーロッパへの入り口でもあり、歴史的、地理的にさまざまな国の影響を受けた食文化が特徴。ペスカトーレなど魚介を中心とした料理も多い。

    シェフ、マッシミリアーノさんはトリエステ出身。2002年の来日後は、都内の有名ホテルの星付きホテルで総料理長を務めた経験も。鎌倉の地に魅せられて居を移し、お店をオープン。「鎌倉の海が近く、自然豊かな環境が、港町でもある故郷に通じるものがある」と話します。

    画像1: 私の街の自慢のお店|北鎌倉「トラットリア・システィアナ」/藤田みどりさん(料理家)

    お店では主に、地元・鎌倉の魚と野菜を使用。ハーブは自家農園のものを。地の食材を使った料理は素朴で力強く、本格的な味わいです。

    画像2: 私の街の自慢のお店|北鎌倉「トラットリア・システィアナ」/藤田みどりさん(料理家)

    北鎌倉に北イタリア・トリエステの本格家庭料理が楽しめるお店がオープン

    画像: 北鎌倉にイタリアの北部の港町・トリエステの家庭料理を提供する「トラットリア・システィアナ」がオープン。

    北鎌倉にイタリアの北部の港町・トリエステの家庭料理を提供する「トラットリア・システィアナ」がオープン。

    アドリア海を望む街・トリエステは東ヨーロッパへの入り口で、歴史的、地理的にさまざまな国の影響を受けた食文化が特徴で、ペスカトーレなど魚介を中心とした料理も多い。北イタリアを中心としたワインの品揃えも充実。

    トラットリア・システィアナ
    住所神奈川県鎌倉市山之内489-4
    11:00~
    TEL.080-2116-8804
    https://www.sistiana.jp/

    画像: 魚介をたっぷり使ったペスカトーレ。自家製酵母を使った手づくりパンを添えて

    魚介をたっぷり使ったペスカトーレ。自家製酵母を使った手づくりパンを添えて

    画像: 広い手打ち麺と豚肉の煮込みがよく合うグーラッシュ。

    広い手打ち麺と豚肉の煮込みがよく合うグーラッシュ。

    画像: 北イタリアの貴重なワインが揃っている。

    北イタリアの貴重なワインが揃っている。

    画像: アルプス山脈のふもとにあるトリエステは、北風(ポーラ)が吹く場所。ヨタスープはトリエステの名物で、ザワークラウト、じゃがいも、豆、豚肉を煮込んだ、体が温まるスープ。

    アルプス山脈のふもとにあるトリエステは、北風(ポーラ)が吹く場所。ヨタスープはトリエステの名物で、ザワークラウト、じゃがいも、豆、豚肉を煮込んだ、体が温まるスープ。

    トリエステは第一次世界大戦までは、長らくオーストリア・ハンガリー帝国(ハプスブルク帝国)の統治下にあり、重要港湾都市として繁栄しました。

    その影響は料理にも垣間見えます。新鮮な魚介による地中海料理だけはなく、豪快な肉料理やザワークラウト、ハム、ソーセージなど、オーストリアを中心とする、中央ヨーロッパの影響も大きく受けています。

    画像: ポルツィーナ(2400円)は、肉料理の盛り合わせとザワークラウト、パンニョッキのセット。

    ポルツィーナ(2400円)は、肉料理の盛り合わせとザワークラウト、パンニョッキのセット。

    トリエステは「カフェの街」とも呼ばれ、150年以上もの間、多くの文化人たちに愛されてきた老舗カフェが街中にあります。イタリアの代表的なコーヒーメーカー「illy」もあります。

    画像: サクサクとしてクリーミーな「セミフレッド ティラミス」と、「イリー」エスプレッソで食後も楽しめる。トリエステはイタリアでありながら、ハプスブルク家の支配下にあったこともあり、ウイーンのようなカフェ文化が根付いている。

    サクサクとしてクリーミーな「セミフレッド ティラミス」と、「イリー」エスプレッソで食後も楽しめる。トリエステはイタリアでありながら、ハプスブルク家の支配下にあったこともあり、ウイーンのようなカフェ文化が根付いている。

    画像: 北鎌倉に北イタリア・トリエステの本格家庭料理が楽しめるお店がオープン

    「イタリアは大好きな国」という、料理家の藤田みどりさん。「北イタリアには何度か旅行で訪れましたが、トリエステにはまだ行ったことがありません。須賀敦子の世界で憧れてきたトリエステの本格的な料理が、北鎌倉で、気楽に楽しめるのは、うれしいですね」と笑顔で話します。

    明るくて気さくなオーナーシェフ・マックスさんに会いに、ぜひ足をのばしてみてください。


    藤田みどり(ふじた・みどり)
    料理家、画家。多摩美術大学絵画科卒業。日本ペンクラブ会員、北鎌倉湧水ネットワーク幹事、日本美術家連盟会員。北鎌倉の豊かな自然とひと続きの「台所」から生まれるおいしいレシピが人気。著書に『北鎌倉のお庭の台所』(主婦の友社)がある。


    This article is a sponsored article by
    ''.