• 「おまもり」の語源は“見守る”だそうです。私が私らしく、居心地よく生きるための「おまもり」を分けていただきに、大段まちこ(フォトグラファー)&井尾淳子(フリー編集者)の二人が、心とからだを整える魔法使いのような人々を訪ねます。東京・表参道にある「源保堂鍼灸院(げんぽうどうしんきゅういん)」の瀬戸郁保(いくやす)院長先生に、美肌や疲労の回復に役立つ、腎のチカラを引き出すツボのお話を伺いました。
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    おまもりルームより
    ふっくらとした愛を込めて。
    画像: おまもりルーム | 心とからだを整える。
第三回 美肌はお灸でつくられる
「源保堂鍼灸院」(東京・表参道)
大段まちこ×井尾淳子

    お灸の効果はエステ要らず!?

    源保堂鍼灸院は、私たちの駆け込み寺のような存在。心とからだのおまもりになる「お灸」について、院長の瀬戸先生にあれこれとお話を伺っています。

    井尾:「実は私、以前からひそかに注目していたんですけど……。先生の奥様の佳子先生、お肌つやつやじゃないですか?」

    大段:「ですよねぇ。本当に」

    画像: 源保堂鍼灸院の「薬膳部」を担当する瀬戸佳子先生。国際中医薬膳師の資格をお持ちで、からだの状態や季節に応じた食材のアドバイスをされています。

    源保堂鍼灸院の「薬膳部」を担当する瀬戸佳子先生。国際中医薬膳師の資格をお持ちで、からだの状態や季節に応じた食材のアドバイスをされています。

    大段:「やっぱり、日々食生活に気をつけていらっしゃるから?」

    井尾:「プラス、お若いから? プラス、特別なスキンケアグッズを使っておられる?(前のめり)」

    瀬戸先生:「(笑)」

    佳子先生:「ありがとうございます(笑)。食事は気をつけている自覚はありますが、スキンケアは必要最低限で、しかもお値打ち価格のブランドのものしか使っていないんですよ」

    瀬戸先生:「妻の場合は、お灸の効果も大きいと思いますよ。じつは鍼灸の効果として、患者さんから“肌のトーンが明るくなった”とか、“高いエステに行く必要がなくなった”とか、”施術のあとはほうれい線が薄くなる”などの言葉をいただくことがよくあるんです」

    二人:「えー! なんと!」

    画像: セルフお灸は毎日やってもいいそう。「お灸をすることによって、ツボを通してエネルギーのもとにスイッチが入ります。ツボは体のパワースポットですから、そこにスイッチを入れるお灸は、まさに“からだのおまもり”になります」(瀬戸先生)。写真のお灸は、源保堂鍼灸院で購入できるお灸(200個入り1500円、トライアル50個入500円/ともに税別)。熱くなりすぎないので、井尾も愛用しています。

    セルフお灸は毎日やってもいいそう。「お灸をすることによって、ツボを通してエネルギーのもとにスイッチが入ります。ツボは体のパワースポットですから、そこにスイッチを入れるお灸は、まさに“からだのおまもり”になります」(瀬戸先生)。写真のお灸は、源保堂鍼灸院で購入できるお灸(200個入り1500円、トライアル50個入500円/ともに税別)。熱くなりすぎないので、井尾も愛用しています。

    美肌のモトは腎のチカラ

    井尾:「ということは……。セルフのお灸でも美肌効果は得られる、ということですか?」

    瀬戸先生:「はい、もちろん。東洋医学では、お肌の潤いのモトを“腎脂(じんし)”と呼んでいます」

    大段:「脂ですか?」

    瀬戸先生:「はい。でも脂性といったオイリーなイメージではなくて、しっとりとした保湿程度のもの。健康な人はこの腎脂が十分に出ています。そうするとお肌のコンディションもよく、皮膚のアンチエイジングにもなるんですよ」

    二人:「ほほぉ……」

    大段:「漢方でいうところの“腎”は、=腎臓のことでしょうか」

    瀬戸先生:「現代医学の解剖学でいう内臓にあたる腎臓も含めて、もう少し広くとらえて“エネルギーを作るユニット”というような考え方ですね。そして腎脂は、腎が出すエネルギーがしっかり働いているかどうかの証拠になります」

    画像: 「東洋医学では、“腎”のなかに、生命の源である元気が入っていると考えられています」(瀬戸先生)

    「東洋医学では、“腎”のなかに、生命の源である元気が入っていると考えられています」(瀬戸先生)

    まずは「おへその下の弾力」をチェック

    大段:「腎にたっぷりエネルギーがあれば、腎脂も出るのですね」

    井尾:「スキンケアに頼る前に、腎のチカラを出さないと」

    瀬戸先生:「そのとおり! まず腎にチカラがあるかどうか、判断する場所があるんですよ。それは丹田(たんでん)と呼ばれる、おへその下のゾーン。寝た状態で触ってみてください。つきたてのお餅のような、温かい柔らかさがあるかどうか。そこが大事ですよ」

    井尾:「それって…。ゼイ肉の柔らかさとは違いますよね?」

    瀬戸先生:「ちょっと違いますね(笑)。肌を押した時に、戻ってくる弾力のあるなし、です」

    大段:「わかります。私、からだが冷えているなと感じる時におなかを触ると、なんとなく“ぺこぺこ”している…」

    井尾:「ぺこぺこ?」

    大段:「ええと、跳ね返ってくる弾力がないというか。固いところは固いんですけど……」

    瀬戸先生:「ツボの周囲が少し凹んでいる感じですよね。大段さんは、弾力も弱い方ではあるかも……」

    大段:「きゃ~。どうしたらいいんでしょう?」

    画像: 「お肌の健康には、下腹部がとても重要になります」(瀬戸先生)

    「お肌の健康には、下腹部がとても重要になります」(瀬戸先生)

    腎のチカラを引き出すツボは?

    瀬戸先生:「ではそろそろ、腎のチカラを出すツボをご紹介しましょう」

    二人:「ぜひ~」

    瀬戸先生:「おへその下に、上から順に、“気海(きかい)”“石門(せきもん)”“関元(かんげん)”と、3つのツボがタテに並んでいます。いちばん上の気海は、読んで字のごとく“気の海”で、この気こそが腎のチカラなんです」

    大段:「なるほど。この3つのツボに、セルフお灸をすればいいですか?」

    画像: セルフでお灸を行う時は、上の写真のように、「気海」「石門」「関元」のあたりに台座灸を行います。「気海はおへそから、親指の幅一つ半として計ってください」(瀬戸先生)

    セルフでお灸を行う時は、上の写真のように、「気海」「石門」「関元」のあたりに台座灸を行います。「気海はおへそから、親指の幅一つ半として計ってください」(瀬戸先生)

    井尾:「関元のツボには、私もセルフお灸をしたことがあります」

    大段:「お腹が温かくなって、気持ちいいですよね」

    瀬戸先生:「この3つのツボを温めると、腎のチカラをキープすることが出来て、腎脂となる原料の腎気・精気も蓄えることができます。手元にお灸がないときは、ペットボトルに温かいお湯を入れて、底の部分で温めるのでもいいですよ」

    井尾:「それは簡単でいいかも」

    画像: 腎のチカラを増すツボをもう一つ。「“太谿(たいけい)”といって、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります(位置は写真参照)」

    腎のチカラを増すツボをもう一つ。「“太谿(たいけい)”といって、内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあります(位置は写真参照)」

    瀬戸先生:「“太谿(たいけい)”も、腎のチカラの基本となる大事なツボです。こちらは、疲れが溜まっている時におすすめです」

    大段:「そのツボも大事ですね」

    井尾:「日々疲れているから、やらないと!」

    瀬戸先生:「腎は疲労とも関係するところです。なので、お二人ともセルフお灸をぜひ! ストレスが溜まっている方は、腎が弱っていることがほとんどですからね」

    腎が弱るとお肌も荒れる。そのことがよくわかりました!

    次回はいよいよ、薬膳アドバイザーの佳子先生がご登場。
    美味しくてカンタンで、からだにもいい薬膳スィーツのレシピをご紹介します。

    ※ ※ ※

    源保堂鍼灸院
    東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101
    Tel&Fax 03-3401-8125
    開院時間・曜日・料金(自由診療)↓
    https://genpoudou.com


    大段まちこ(おおだん・まちこ)
    フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
    http://odanmachiko.com/
    井尾淳子(いお・じゅんこ)
    フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。


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