• 「一尾のまま鍋に入る大きさの魚が手に入ったときは、形そのままで調理するのがらく」と、料理研究家・枝元なほみさん。お薦めしてくれた料理は、うろこと内臓を取ってそのまま蒸し煮にする「アクアパッツァ」。魚の旨みをまるごと引き出し、閉じ込める料理です。

    あじ、いわしくらいなら、どうにかさばけるけれど、初めての魚、大きな魚となると……。そう身構える方たちに、枝元なほみさんからの今回の提案は、一尾のまま鍋に入る魚を「形そのまま」で蒸し煮にするアクアパッツァ。

    三枚におろすなどの手間をかけずに、旨みをまるごと堪能でき、食卓の華やぐ一品です。

    一尾丸ごとアクアパッツァのつくり方

    ※ここでは、産地直送オンラインショップ「ポケットマルシェ」で購入した未利用魚セットに入っていた、「カナガシラ」を使っています。

    材料

    ● 魚(手持ちの鍋に入る大きさのもの)
    ● にんにく(みじん切り)
    ● たまねぎ(みじん切り)
    ● きのこ類(ここではマッシュルームを使用。食べやすい大きさに切る)
    ● ミディトマト
    ● あればタイム、ローズマリー、ローリエなどのハーブ類
    ● 塩
    ● こしょう
    ● オリーブ油
    ● 白ワイン(または水)
    ● パセリ(みじん切り)
    ※分量は魚のサイズによって変わります。「つくり方」を参考にしてください

    魚の下準備

     魚を洗う。ぬめりがあるときは塩をまぶすようにしてから、流水ですすぐとよい。

     うろこ取りか包丁の背でこそげるようにして、うろこを取る。

     腹に切り目を入れ(キッチンバサミを使うとらく)、内臓を引き出す。

     腹の中を水ですすいでちあいなどを取り、ペーパータオルで押さえて水けを取る

    つくり方

     魚の両面に浅く十字に切り目を入れ、塩・こしょうをふる(魚100gあたり塩小さじ1/4が目安)。ハーブ類を腹に詰める。

    画像1: つくり方

     鍋に多めのオリーブ油を熱してにんにく、たまねぎ、きのこを炒める。香りがたってしんなりしたら、魚を並べ入れ、半分に切ったミディトマトを加える。

    画像2: つくり方

     白ワインまたは水を注ぎ(直径22cmの鍋、魚に対して1カップ目安)、煮立ったらふたをして10〜15分蒸し煮にする。食べるときにパセリを散らす。

    画像3: つくり方

    <撮影/山川修一 取材・文/保田さえ子>

    画像4: つくり方

    枝元なほみ(えだもと・なほみ)
    料理研究家。食の生産現場に深い関心を持つ。近著に『枝元なほみの 今夜はおでん』(技術評論社)など。三重県尾鷲市の漁業集落を訪ねた際に出合った未利用魚、ギラのおいしさが忘れられない。


    ※『天然生活』2020年7月号には、水産学者・勝川俊雄先生と枝元なほみさんが、日本の海産物の問題を考えた「食卓から考える海と魚の話」の記事を掲載しています。ぜひご一読ください。

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