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おまもりルームより
ふっくらとした愛を込めて。
「薬膳おやつの会」とは?
源保堂鍼灸院の院長・瀬戸郁保(いくやす)先生に、美肌&つやを引き出すセルフお灸についてお話を伺った私たち。
今回は、天然生活2020年7月号でも、「梅雨から夏の養生法」をお伺いしている、妻の瀬戸佳子先生に、春から初夏にかけておすすめの「薬膳おやつ」のつくり方を教わりました。
井尾:「大段さんは、佳子先生の食事相談を受けて、食生活が大きく変わったんですよね」
大段:「そうなんです~。冷たいものを飲まなくなったり、肉類などのタンパク質をなるべく摂るようにしたり。おかげさまで、以前よりも食生活を意識するようになりました」
佳子先生:「素晴らしいです。鍼灸治療に加えて、日常の食生活を整える。この両輪で、自己治癒力はさらに発揮されるようになりますからね」
二人:「ふむふむ(ナットク!)
初夏の薬膳ポイント(1)暑さを取り除く
佳子先生:「では早速、ひと品目を。まずは“甘酒豆乳いちごプリン”です」
二人:「美味しそう~!!」
井尾:「からだにいいポイントは何でしょう?」
佳子先生:「まず、いまの時期は、東洋医学の暦では、初夏に該当します。いちごのように、夏は赤い食べ物を摂ると体調が整いやすいんですよ」
大段:「いちごは、そうなんですか? わたし、食べ物の中ではいちごが一番好きなんです~」
佳子先生:「はい。解暑(げしょ)作用と言って初夏の暑さを取り除くなど、赤い食べ物には夏の体を助けるものが多いんです。大段さんはたしか、肝が弱い体質でしたよね。いちごには、春で疲れた肝臓を補う働きもあるので、この時期はおすすめですよ」
大段:「そうなんですね。好物でよかったです~」
井尾:「夏は赤い食べ物なんですね〜」
佳子先生:「赤いものには、利尿作用や疲労回復作用など、夏の体を過ごしやすくしてくれるものが多いんですよ」
二人:「知らなかった!」
甘酒豆乳いちごプリンのつくり方
<材料・150ml容器3個分>
● 甘酒 | 120ml |
● 豆乳 | 120ml |
● いちご | 40g |
● 粉ゼラチン | 5g |
● 水 | 大さじ1 |
<つくり方>
1 粉ゼラチンを水でふやかしておく。
2 いちごはへたを取って、3粒は飾り用に縦半分に切り、残りはボウルに入れる。甘酒を加えてハンドブレンダーで(なければフォークの背を押しつけるようにして)いちごをつぶす。
3 小鍋に豆乳を入れて温め(目安は40~50℃。マグカップに入れて電子レンジで温めてもOK)、1を加えて、混ぜながら完全に溶かす。
4 3に2を入れ、容器に流し入れる。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて1~2時間冷やし固める。
5 4が固まったら、飾り用のいちごをトッピングする。
※ ※ ※
井尾:「牛乳は使わず、豆乳なんですね」
佳子先生:「そうなんです。豆乳でつくることでさらに、肝臓の働きを助ける効果がアップします。肝臓の栄養は、タンパク質なんですよ」
大段:「たしかに、豆乳の原料は大豆だから、タンパク質ですね」
佳子先生:「はい。タンパク質が豊富なので、いちごと同様に、春に疲れた肝臓を補う作用があります。しかも豆乳は、体が潤う作用と体の熱を冷ます作用の両方があるんです」
井尾:「豆乳、優秀!」
佳子先生:「暑さに慣れていない今の時期は、ぜひ豆乳を活用しましょう」
豆乳バナナプリンのつくり方
<材料・150ml容器3個分>
● 豆乳 | 150ml |
● バナナ | 2本 |
● きな粉 | 適量 |
● 白味噌 | 小さじ1 |
● 白すりごま | 小さじ1 |
● アーモンドスライス | 適量 |
<つくり方>
1 バナナの皮をむいて筋をとり、厚さ3mmほどの輪切りにする。トッピング用に1/2本分残し、残りを耐熱容器に入れてふんわりとラップをし、電子レンジ(500W)で様子を見ながら2分ほど加熱する。
2 1を取り出し、熱いうちにフォークやマッシャーなどで潰す(ラップをあけるとき、蒸気でやけどをしないように注意)。
3 2に豆乳、きな粉、白味噌、すりごまを入れて混ぜ、容器に入れる。冷蔵庫に入れて1~2時間冷やし固める。
4 3が固まったら、トッピング用のバナナと アーモンドスライスをのせる
※ ※ ※
春~初夏の薬膳ポイント(2)甘いものはなるべく控える
佳子先生:「次は、同じく豆乳のプリンです。こちらはバナナを使ったもの」
井尾:「豆乳プリンって、カンタンなんですね~。これならつくれそう」
佳子先生:「こちらのプリンは、豆乳とバナナを混ぜると自然と固まるので、ゼラチンも使っていないんですよ。カンタンにつくりたい人にはおすすめです」
大段:「そして、いちごのもバナナのも、お砂糖を使っていない?」
佳子先生:「はい。この時期のポイントとしては、甘いものはとくに控えてほしいんです。甘いものを摂ると胃腸が弱くなって、免疫力が下がります。すると風邪をひきやすくなるし、梅雨時期のむくみや食欲不振につながりやすいんです」
井尾:「ついつい、冷たくて甘いものでリラックスタイムしがちですが……。それ、ダメなやつなんですね!」
大段:「食べている気がします……」
佳子先生:「なるべく控えるよう、お願いします(笑)。なので薬膳おやつでは、素材の甘みを生かすようにしているんですよ。バナナプリンの方には、コクを出すために白味噌も入れましたが、面倒な人はなしでもOKです」
なんちゃって豆花のつくり方
<材料・つくりやすい分量>
● 絹ごし豆腐 | 1/2~1丁 |
● 甘酒 | 適量 |
[トッピング] | |
● 茹で小豆(加糖)・いちご・バナナ・きな粉 ・黒すりごま・クコの実 | 各適量 |
<つくり方>
1 いちごはへたを取り、5㎜程度のさいの目切りに、バナナは皮をむいて薄くスライスする。
2 豆腐を器に入れ、湯煎または電子レンジで軽く温める。
3 2に好みのトッピングをのせ、甘酒をかけていただく。
※ ※ ※
おやつも工夫次第で栄養に
佳子先生:「この“なんちゃって豆花”は、さらにカンタンです。いちごやバナナが余ったら、つくってみてください」
井尾:「タンパク質は豆腐で摂れるし、お砂糖不要でつくれるし、めちゃいいですね!」
大段:「本当にカンタン。甘いものが食べたくなったら、つくってみます」
佳子先生:「おやつも食材の選び方次第で、ちゃんと栄養になりますから。我慢するのではなく、工夫をしましょう。“何もつくりたくない……”くらい疲れていたら、プレーンヨーグルトにクコの実やレーズン、黒ごまやきな粉、甘酒などをトッピングするだけでも違いますよ」
二人:「常備しておきます!!」
※ ※ ※
源保堂鍼灸院
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大段まちこ(おおだん・まちこ)
フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。共著に『花と料理』(リトル・モア)などがある。
http://odanmachiko.com/
井尾淳子(いお・じゅんこ)
フリーライター&編集。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。