「おもちゃのカメラ」のデコレーションを楽しみましょう
前回、「おもちゃのカメラ」の基本のつくり方をお伝えしました。
せっかく基礎の形がつくれるようになったのですから、今回は、自分らしい自分だけのカメラをつくりたいと思います。
去年、手紙社さんのイベントの『もみじ市』で「おもちゃのカメラ」のワークショップをしました。こちらは、子どものためのワークショップでしたが、大人の方も参加してくれて、大人気でした。
「おもちゃカメラ」は本当に人気がありますね。カメラのフォルムやレンズを覗くワクワク感。大人心も掴んでしまう魅力があります。端材をつかって簡単につくれるのも、喜ばれている理由のようです。
デコレーションの材料
私の場合は、常日頃から、海外旅行で買ってきた紙や、アンティークの切手、キラキラのシールやスパンコール、スクラップブッキングの紙など、あれこれと紙コレクションをしています。見ているだけでも楽しい紙ですが、これを使って カメラをデコレーションしたいと思います。
今回はまた、「プリズムスコープ」という おもちゃのレンズを入れてみました。
駄菓子屋に売っているようなおもちゃのレンズです。光や風景を見ると、万華鏡のようにキラキラ見えるというレンズなのですけれど、それをつけてみようと思いました。
レンズが真ん中に入るサイズの木のリングをホームセンターに探しに行きました。ホームセンターには、色々なサイズのリングがあったので、レンズを当てながらちょうどいいサイズを見つけました。こういう作業も楽しいものです。
自分の持っている、あれこれのコレクションを「おもちゃのカメラ」につけていくと、自分好みのデザインになって楽しめます。「どれを貼ろうかな?」とか「どこに貼ろうかな?」とか、置いてみては考えるのは、とても楽しい作業です。
つくり方
1 木材をのこぎりでカットします。ノコギリは、初心者こそ刃の大きなものがお奨め。刃の揺れがないように、腕をしっかり固定して引けば力を使わずにきれいに切れます。今回は、カメラのファインダー部と、シャッターボタンをイメージしてカットしました。
2 カメラ本体に模様をつけるためにマスキングテープを張って塗装します。塗料は、万が一、子供たちが口に入れても危険ではない、水性の天然塗料「バターミルクペイント」がお薦めです。発色にこだわるなら、アクリル絵の具やペンキなど、色落ちしない塗料をつかうのもいいでしょう。
3 木のリングやカットした木材に水性ステインを塗っていきます。ステインは、木の風合いそのままに、色がつけられるのでお薦めです。
4 塗料がしっかり乾いたら、マスキングテープを剥がします。
5 塗装が終わったら、好きな場所に、パーツを貼り付けデコレートしていきます。いったんパーツを置いてみて、位置が決まったらボンドで貼り付けるのがコツです。
6 最後にプリズムスコープを前から挿し込んで完成です。レンズをしっかりと垂直に押し込むと、接着しなくてもきちっとはまり落ちません。
デコレーションは自由に楽しみましょう
木と紙は相性がよいですし、木工用ボンドなどで簡単につくので作業も簡単。感性に任せて、楽しくデコるのがいいと思います。布やビーズ、シールなど自由に貼ってください。スタンプや刻印、焼き印などをするのも楽しそう。
絵の具などでカラフルに色をつけるのもいいですね。お子さんに絵を描いてもらっても素敵だろうな……。考えているだけで、どんどんとアイデアが浮かぶますね。
木は、本当に加工がしやすいですしいろいろな素材との相性がいいです。しかも、年月が経つほどに味が出てくるのも魅力ですね。
私も、考えているだけで楽しくなってきました。
皆さんも 是非、自分らしくデコレーションをして世界でひとつだけの、お気にいりのおもちゃのカメラをつくってみてください。私は、プリズムスコープをどうしても取り付けたいと思い、ネットで必死に探しました。ですから、このおもちゃのカメラは大のお気に入りです。
こうした、思いを形する楽しみが工作のおもしろいところです。
<写真・文/まるばやしさわこ>
丸林佐和子
造形作家。こどもちゃれんじ『ぽけっと』造形あそび監修、NHK教育テレビ『キミなら何つくる?』の造形スタッフなどで幅広く活躍中。
雑誌やテレビに多く出演するほか、『はじめてのこうさく』(ポプラ社)、『へんしん工作』(WAVE出版)、『さわこちゃんと10人のおひめさま』(アリス館)、『さわこちゃんと10のぼうけん』(アリス館)、『リトルスペース』(パルコ)、『どんどん!どんぐり工作』(汐文社)など著書も多数。
石川聡(丸林 聡)
アートディレクター/イラストレーター/デザイナー/家や家具の製作。共著に、『丸林さんちの手づくり家具帖』『丸林さんちの手づくり家具帖2 カフェスタイルな、お部屋改装術』『丸林さんちの机の上の小さな家具帖』(以上、メディアファクトリー)、『丸林さんちのはじめての家具づくりレシピ』(パイインターナショナル)、『丸林さんちのヴィンテージスタイルな家具と庭づくり』(エクスナレッジ)がある。