雨の多いこの頃ですね。梅雨らしい、を通り越して、多すぎるほど、振りすぎるほどの雨。みなさまお住いの地域はご無事でしょうか。
仕事柄、全国の畑や田んぼをめぐり、生産者さんにお話を聞くことが多いので、どこで起きる天災も、まず地図を見て「あの方の住まいは、農地はどうだろう」とお顔が浮かび、気がかりになります。被災されたみなさまに、お見舞い申し上げるとともに、最小限の被害にとどまることを、今は心よりお祈りします。
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すぎてしまえば小さなことが原因なのですが、先日、子育てのイライラが爆発してしまった夜がありました。
いつもは親子並んで、川の字どころか一本の丸太みたいにくっついて眠っている私たち。けれどその日ばかりは「今日は二人で寝なさい」と言い渡し、私は一人、別室へ。
彼らがしょんぼりと寝静まってもなんだか、私はもやもやして眠れそうにありません。
さあ、どうしよう。考えて、小さなキャンドルを手に、お風呂に入ることにしました。
これがとてもよかった。キャンドルの灯りだけですごすと、湯船に垂らしたバスオイルの香りも、より一層匂い立つようです。
目から入る情報が少ないからでしょうか、しぜんと意識は自分の内へと向いていき、「イライラを爆発させる前に、私にはこんな声かけもできたかな」と早速、反省も。
心の波立ちがゆっくりとやわらいでいき、短いながらも静かで豊かな時間をすごすことができました。
明るくもない、真っ暗闇でもない。小さな光が運んできてくれた、たくさんのメッセージ。
ただでさえ「非常事態」が心の中で常態化してしまい、ストレスを抱えやすい今。こんなひとときを大切にしたいなと感じた、(反省含みの)できごとです。
次の日の朝は、子どもたちの好物のクレープを焼きました。
玉木美企子(たまき・みきこ)
農、食、暮らし、子どもを主なテーマに活動するフリーライター。現在の暮らしの拠点である南信州で、日本ミツバチの養蜂を行う「養蜂女子部」の一面も
<撮影/佐々木健太(プロフィール写真)>