• 忙しい朝時間は、料理のプロであっても、そうそう手間はかけられないこともあります。そんな「リアル朝ごはん」を告白した、料理研究家・枝元なほみさんのすっぴんごはん「梅しらすごはん」「野菜と辛味噌」をご紹介。「食べて、つないで、生きる」毎日の朝ごはんの力強い魅力をお楽しみください。

    私の「リアルな朝ごはん」

    時間に追われて出かけなくちゃならない朝。パックに詰めた冷凍ごはんをレンジでチンして容器のまんま、上にちょろりとつくりおきの香味醤油をかけてワシワシと食べて出かけまして。

    そうか、と、気が付きました。

    自分の「リアル朝ごはん」に、後頭部をガツンと打たれたのでした。

    「梅しらすごはん」 梅干しの種が捨てられなくて……

    画像: 「梅しらすごはん」 梅干しの種が捨てられなくて……

    梅干しを料理に使って、まだ少し果肉のついた種が残るともったいなくて、気が気じゃない。

    1個2個ならなめちゃうけれど、たくさん使ったときは、貯めておいて、こんぶと酒と一緒に、昔の煎り酒風に煮立てて、さらに醤油や鰹節も足してからこして、

    「梅醤油」というものをつくっています。

    だし味も聞いた梅風味の醤油。

    煮切った酒が半分ほど入るので、しょっぱくなりすぎずに、使い回しも利きます。

    で、これが、しらすとすごく相性よし。

    しらすがある朝は、梅醤油にさらに梅干しも足して、大葉があればさらに、でかした!

    梅を崩しながら、ワシワシと混ぜながらいただきます。

    お揚げとネギの味噌汁に2粒残ったミニトマトも入れたら、小さな赤丸の朝ごはんになりました。

    画像: ここでは大量につくっていますけど、普段は、梅干しの種8~10個とだし昆布7cm角を酒1カップで弱火で煮出してから、醤油1カップと削りかつおひとつかみを入れて、少し煮て漉します

    ここでは大量につくっていますけど、普段は、梅干しの種8~10個とだし昆布7cm角を酒1カップで弱火で煮出してから、醤油1カップと削りかつおひとつかみを入れて、少し煮て漉します

    「野菜と辛味噌」 ぽりぽりと野菜をかじる朝

    画像: 「野菜と辛味噌」 ぽりぽりと野菜をかじる朝

    ときおり、のびやかな姿のかわいらしい野菜が知り合いの農家から届く。注文したお米のおまけだったり、イベントに使う注文野菜の中にいたり。

    野菜につけるディップさえつくりおきすれば、来客時にも役立つけれど、そもそもミニ野菜のおいしさってのがあるのだ。

    すこし余裕のある朝に、ぽりぽりと野菜をかじりながらお茶を沸かしたり、ごはんの用意をしたりする。

    歯ブラシをくわえて新聞をとったり猫にごはんをあげたりして、そのあと、同じように野菜を手にもってキッチンをうろうろするわけで、行儀がいいとはいえないけれど、朝の野菜が体を目覚めさせる。

    野菜につけるのは、塩とオイルのときもあれば、そのときどきのディップになるものを添えることも。

    辛味噌

    ・味噌大さじ2
    ・すりごま大さじ2
    ・醤油大さじ1
    ・砂糖大さじ1
    ・米酢大さじ1
    ・コチュジャン大さじ1
    ・ごま油大さじ1
    ・にんにくのすりおろし少々

    以上をただ混ぜたもの。大根を薄切りにしたり棒状に切ったりしてつけるのも大好き。

    軽く水切りした豆腐をざっくり和えて、レタスなどの野菜と食べるのもおいしいです。

    酢味噌

    ・味噌大さじ4
    ・米酢大さじ4
    ・砂糖大さじ3~4
    ・卵黄1個分

    味噌、酢、砂糖を耐熱容器に入れて、レンジで2分加熱したら、すぐに卵黄を入れてよく混ぜる。

    酢味噌が好きな友人の影響で用意しておくことが多くなりました。

    <写真・文/枝元なほみ>


    枝元なほみ(えだもと・なほみ)
    料理研究家。食の生産現場に深い関心を持つ。近著に『枝元なほみの 今夜はおでん』(技術評論社)、『枝元なほみのリアル朝ごはん』(海竜社)など。


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