• シンプルライフを提案する、金子由紀子さんの暮らしのアイデアを紹介します。心と体に負担をかけず、ほどほどに力を抜きながら家仕事を快適にまわす知恵と工夫を、日々の暮らしにお役立てください。今回は、増え続ける本をすっきり見せる方法を紹介します。

    心地よい暮らしって何でしょう?

    心地よさってたぶん、「自分にぴったり」ということ。それがたとえ、ちょっぴり古ぼけて、ちょっぴりダサくても、自分にぴったりであれば、気にならない、むしろ愛しい。

    ところが、自分にぴったりの暮らしって、どこにも売っていません。だから自分でつくらなきゃならない。

    この世で一番の贅沢って、「おあつらえ、オーダーメイド」だと思うんです。だって、自分のためだけにつくられたものなんですから。でも、自分でやれば、お金はかかりません。

    自分の暮らしを自分であつらえる楽しみ、始めませんか?

    増え続ける本をどうするか

    やっぱり紙の本が好き!

    化粧品はポーチに入るだけ、服は四季を通じて半間足らずのクローゼットにおさまるだけに抑えている私ですが、本に関してはなかなか制限することができません。

    なるべくモノは持たない方がいい……そう思ってきた私ですが、何でも捨ててガラガラの部屋に住むミニマリストを目指したことはありません。

    どちらかというと、紙の本を置く空間を確保するために、服や雑貨を減らしてきました。

    本だけはたくさんあるけど、ほかのものはあまりない――そんな空間が理想なんです。

    この10年、急速に電子化が進み、スマホやタブレットで読むことのできる本は増えました。

    紙の本はかさばるし重く、収納スペースの確保や持ち運びがタイヘン。

    わかってはいるのですが、古い人間なので、本も雑誌もやっぱり紙が好き。

    家が狭いので、なるべく処分するようにはしていても、好きな本、資料として必要な本はどうしても残ってしまいます。

    おいそれと捨てられなくなってしまった

    以前は、

    「今はweb上の古本市場でまた簡単に手に入るから」

    と安心して手放していたのですが、最近はそうも言っていられなくなりました。

    ・新刊の時期が短くなり、ボヤボヤしていると すぐに市場から消えてしまう

    ・書籍の初版部数が減って、新刊の時点で点数が少ない

    ・本によっては古書市場に出回る点数も少なく、価格が高騰する傾向にある

    ・必要な本すべてが 電子化されているとは限らない

    こうなると、やっぱり手元に置いておかなければならない本が増えていく……。

    かくてわが家の本棚はいつもギッシリです。

    画像: 出版社に在庫がなく、再版されるかどうかわからない本は、おいそれと捨てられません。

    出版社に在庫がなく、再版されるかどうかわからない本は、おいそれと捨てられません。

    本だらけの空間をスッキリ見せるコツ

    本の多い空間は、どうしても視覚的にゴチャゴチャしがちです。

    特に、コミックやビジネス書、児童書などは、派手な色彩や主張の激しいデザインのものが多く、たくさん集まると、きちんと並べていてもにぎやかな雰囲気になってしまいます。

    そこで、わが家では、そういう本にはカバーをかけて背にマジックで書名を書き込んでいます。

    きれいな包装紙などをカバーにしてもいいのですが、たいていは紙が分厚く、本が開きにくくなってしまいます。

    やはり、書籍用につくられた、薄手なのに丈夫な 書皮(しょひ)がベストです。

    書店がサービスで掛けてくれるこの書皮は、プレーンで地味なデザインのものが多く、いろいろな書店の書皮が並んでもケンカをしません。

    しかし、書皮を掛けてくれる書店ばかりではありませんし、通販サイトで買う本に書皮はついてきません。

    5冊、10冊と買うときは、背後に行列のいるレジで書皮を掛けてもらうのもはばかられます。

    だからといって、滅多に市販されているものでもありません。

    そこで私は、この通販サイト「bookgoods」https://bookgoods.jp/)で手に入れています。

    文庫~A5まで各種サイズが揃い、少量(30枚程度)から売ってくれるし、価格も安価。デザインが統一できるので、本棚がスッキリするところが気に入っています。

    わが家では主にコミックスに掛けています。

    画像: 「bookgoods.jp」で購入している書皮。薄くて掛けやすいです。

    「bookgoods.jp」で購入している書皮。薄くて掛けやすいです。

    読まないけど捨てたくない本は「圏外」に

    書棚に入りきらなくなった本は、段ボールに詰めてベッド下送りとなり、

    「あの本が必要!」

    という時までそこで待機となります。

    大事な本であっても、普段は読み返さないなら、本棚に並べておく必要はありません。

    しかし、手放してしまえば二度と手に入らないものを、軽々しく捨てるのは危険でもあります。

    倉庫のないマンション住まいなので、ベッド下が倉庫代わり。ここを、私は「圏外」と呼んでいます。

    毎日開けたり覗いたりしないデッドスペースなので、生活していて邪魔になることはありません。

    しかし、何でもかんでも「圏外」に押し込んでいたら大変なことになってしまいます。

    ここに置くのはあくまでも本だけ! そして、圏外送りとなった本を入れた箱には中身のタイトルを書き、リストはPCに保管しておきます。

    画像: ベッド下の高さに合わせた段ボール箱。時々、本棚からここに移動させます。

    ベッド下の高さに合わせた段ボール箱。時々、本棚からここに移動させます。

    大切な本は最後まで責任を持ちたい

    とはいえ、いつかはこれらも不要になる時が来るでしょう。

    その時、自分に処分する体力があるとは限りません。家族に処分を託すのも気の毒です。

    同時に、紙の本が軽んじられるようになった今、もしかしたらこれらの本は、将来とても貴重なものになるかもしれない……とも感じています。

    資料的価値があると判断したものについては、どこかの時点で古書市場に流すか、どうにかして電子化しておきたいと思っています。

    本に限りませんが、何でもかんでもとっておけばいいとも、何でもかんでも捨ててしまえばいいとも思っていません。

    先日、読みたかった本をネット上の古書市場で見つけました。

    届いた本はとても古びていて、蔵書印が押されていました。

    持ち主のお名前を検索してみたら、数年前亡くなった著名な国文学者で、しかも大学の大先輩に当たる方でした。

    あちこちに残る書き込みや傍線に、研究者の静かな情熱を感じながら、この本も、何らかの形で後世に残すことができればと思っています。

    画像: 左がコミックス、右が単行本等の棚。段ボールで見出しをつくり、前後2列に本が入れてあります。1セット複数巻にわたるコミックスにはカバーをかけ、表紙側と背表紙側にタイトルを書いてあります。単行本は探しやすいようにそのまま。

    左がコミックス、右が単行本等の棚。段ボールで見出しをつくり、前後2列に本が入れてあります。1セット複数巻にわたるコミックスにはカバーをかけ、表紙側と背表紙側にタイトルを書いてあります。単行本は探しやすいようにそのまま。



    画像: 大切な本は最後まで責任を持ちたい

    金子 由紀子(かねこ ゆきこ)

    1965年生まれ。出版社での書籍編集者を経てフリーランスに。1973年、第一次石油ショックで大人たちの買いだめにショックを受ける。自らの出産・育児経験から「現実的なシンプルライフ」の構築の傍ら、All About「シンプルライフ」初代ガイドを務める。近著に『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)、ほか著書20冊以上。



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