• シンプルライフを提案する、金子由紀子さんの暮らしのアイデアを紹介します。心と体に負担をかけず、ほどほどに力を抜きながら家仕事を快適にまわす知恵と工夫を、日々の暮らしにお役立てください。今回は、コロナ禍の金子家を癒した「ベランダ」の居心地を改善する工夫 を紹介します。

    狭いわが家の平凡なベランダ

    いつも過ごしている居心地のよいリビング。

    でも、そこにずっといなくてはならない、そこから出られないとなると、だんだん息苦しくなってくるもの。

    ステイホームが続いたこの春が、まさにそうではありませんでしたか?

    そんなとき、心を解放してくれる「第二のリビング」が欲しくなります。

    わが家では、それが「ベランダ」でした

    画像: 狭いわが家の平凡なベランダ

    わが家はごく普通のマンション、庭がありません。

    本当は野菜づくりがしたい私、子どもたちが小さい頃は少し離れた場所に畑を借りたりもしていましたが、忙しくなってからはベランダでプランター園芸で我慢していました。

    それでも、ちまちまとハーブや野菜を育て、それなりに満足していました。

    ベランダ園芸と洗濯物干しの場所、あとは一脚だけ置いた椅子で私がくつろぐのがせいぜいでした。

    リビングが会社に、学校に!?

    ところが、今年初めからのコロナ禍。

    夫は会社のパソコンを持ちかえったなりずっとテレワーク。新社会人となった娘は在宅研修、大学に入学した息子は入学式もなく授業はずっとオンライン。

    もとから在宅ワーカーの私を含め、一家4人が朝から晩まで家にいる 事態となってしまいました。

    これ、何の会社よ!?

    回線が不安定なため、全員がモデムやルータのあるリビングに陣取り、ときどきケーブルをいじっています。

    それぞれ視線が違う方向になるように座っているのですが、長時間同じ空間にいると、次第に皆の気分が煮詰まってくるのがわかります。

    私はリビングから逃げ出し、3畳の台所に折りたたみ椅子とテーブルを持ち込み、リビングとの間のカウンターに突っ張り棒でカーテンを引く始末。

    娘も息子も、子どもの頃から自分の部屋では寝るだけ、私にも自分の部屋はないため、まさにリビングが全世界です。

    ベランダがカフェに、レストランに

    出かけるところもなく籠りきりのこんな生活が続くと、狭いながらも ベランダがあってよかった! と痛感するようになりました。

    折しも、屋外は少しずつ温かくなりはじめていました。小鳥の鳴き声も春の声になり、ベランダの鉢植えも日に日に緑の葉を茂らせ、花を咲かせて目を楽しませてくれます。

    ときどきベランダに出てコーヒーを飲むだけでも、ずいぶん気分が解放されたものです。

    この頃、コロナの被害が著しく、完全なロックダウン(都市封鎖)を強いられたイタリア・ミラノで「部屋にベランダがあるかないかで、生活の質がまったく違ってしまう」という報道を観ました。

    外食もできませんから、三度の食事はことに重要です。

    時間もあることですし、いつになく凝ったメニューに挑戦してもみましたが、いかんせん食べる環境が変わらない。

    思いついて、ベランダに椅子とテーブルを持ち出し、キャンプ用のランタンを灯してベランダディナー を試みました。

    あまりにも変化のない生活のなかで、これは新鮮でした。

    この時、夫が心底嬉しそうに「こういうのやりたかったんだ~! ありがとう!」と言ってくれました。

    はかどらないテレワーク、スムーズにいかない職場とのやりとりに疲れ果てていたようです。

    わが家のベランダ向上計画

    こうしてわが家のステイホームの助けになってくれたベランダですが、そこで過ごす時間が長くなると、もう少し居心地よくしたくなってきました。

    手始めに、毛足の長い人工芝を敷き、裸足で出られるように したら、これが家族に好評!

    それまでは、一足しかないビーチサンダルを履いて、私が洗濯物を干すだけでしたから、家族はベランダに出づらかったのです。

    画像: 昔のものと違い、現代の人工芝はとても精巧。足ざわりもよい。

    昔のものと違い、現代の人工芝はとても精巧。足ざわりもよい。

    毎年ゴーヤを育ててきましたが、今年はお休み。

    べランダの手すりなどを利用して布を張り、人工芝の上に影をつくると、太陽が照りつけても過ごしやすくなります(もっとも、この夏は暑すぎて太刀打ちできませんでした)。

    ここまでが、リビングから見えるベランダ。

    一方、リビングから見えない洗濯物干し場となっていたエリアは、市販の味気ない物干し台と物干し竿、エアコンの室外機が二台も鎮座して、殺風景そのものです。

    ことに、寒々しい白いプラスチックの面積が多いことに気づきました。

    そこで、プラスチックの部分を、なるべく木で覆い、少しでも温かみのある空間にする ことにしました。

    物干し台のベースや室外機の寸法を計り、ホームセンターで板を切ってもらって簡単に組み立て、プラスチック部分を隠したのです。

    エアコンの全面は、すのこ状に仕上げると手間がかかるので、鶏小屋に使うような金属のネット(亀甲金網というらしい)を簡単にはりました。

    材料さえ切ってしまえば、半日もあれば完成です。物干し台のプラスチック部分には、麻紐を巻き付けて無味乾燥さを中和しました。

    完璧とはいえませんが、これで冷たい印象がだいぶ改善されたと思います。

    画像: 自作のカバー。上にものを乗せないので、ガッチリつくらなくても大丈夫。

    自作のカバー。上にものを乗せないので、ガッチリつくらなくても大丈夫。

    画像: 色を塗れないプラスチック部分に麻紐を巻き付けた。

    色を塗れないプラスチック部分に麻紐を巻き付けた。

    冬も楽しもう! ベランダキャンプ

    もともと、花の咲く植物よりは、ハーブのような香りのよい(そして食べられる)植物を育ててきたベランダです。

    花は美しいのですが、絶え間なく落ちる花びらは掃除がタイヘンなのです。

    夏の間活躍してくれた青紫蘇とバジルが枯れ、先日、耐寒性のあるタイムやローズマリーに植え替えました。

    ベランダの冬支度です。

    実をつけたレモンももう、室内に避難させました。

    画像: 夏は青紫蘇やバジル、冬は寒さに強い植物に植え替え。

    夏は青紫蘇やバジル、冬は寒さに強い植物に植え替え。

    画像: タイ料理が好きなので、コブミカンやガパオの葉などのタイハーブも。

    タイ料理が好きなので、コブミカンやガパオの葉などのタイハーブも。

    画像: プランターの古土はためておき、実家の山林の腐葉土と交換する。

    プランターの古土はためておき、実家の山林の腐葉土と交換する。

    先日は、いただきもののホットカーペットを人工芝に敷いて座ってみたら、気温は低くてもぬくぬく心地よく過ごせました。

    風のない日は、冬の間もキャンプ気分でベランダライフを楽しむつもり。お子さんのいるお宅なら、サンシェードを張っても楽しいでしょうね。

    狭いわが家ですが、ベランダのお蔭で、楽しみが増えました。

    これからも、ベランダで楽しめることに挑戦していくつもりです。

    画像1: 冬も楽しもう! ベランダキャンプ


    画像2: 冬も楽しもう! ベランダキャンプ

    金子 由紀子(かねこ ゆきこ)

    1965年生まれ。出版社での書籍編集者を経てフリーランスに。1973年、第一次石油ショックで大人たちの買いだめにショックを受ける。自らの出産・育児経験から「現実的なシンプルライフ」の構築の傍ら、All About「シンプルライフ」初代ガイドを務める。近著に『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)、ほか著書20冊以上。



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