「ずっと一緒にスケートとやってきたからこそ、信じてきたからこそ、スケートも自分を裏切らなかったんだって感じました」
(2014年2月20日 ソチでのインタビュー)
2度目の大舞台、ソチ五輪を終えた真央に、ジュニア時代から取材をしてきたフジテレビ・渡部学ディレクターがインタビューした。
ー今、幸せですか?
「はい」
ーどれくらい?
「うーん、どれくらい!? すごく、はい。終わってみたときにすごくやり切ったって思いましたし、4年間のすべてをプログラムに出すことができた!って思えた演技だったので、とても満足しています。
オリンピックってすごい特別だなって思うんですけど、バンクーバーのときはショートを完璧に滑れてフリーは悔いが残る演技をしてしまって、でも日本にメダルという形で持って帰れたことはすごく嬉しかったですね。
今回はまた別で、ショートで自分が悔いの残る演技をしてしまって、フリーでは自分の最高の、満足のいく演技ができて。メダルは結果として日本に持って帰ることはできなかったんですけど、自分の気持ちとしては、本当にやりきったという気持ちと、すべてを出し尽くしたっていう気持ちがあります。
2回のオリンピックを経験して、2つ合わせてようやく最高のオリンピックになったんじゃないかなっていう気持ちになっています」
そう話すと、心からの笑顔を見せてくれた。
ー今、「スケート」とは、と言われたら、なんて答えますか?
「えっ、難しいなあ……スケートとは……約20年間の自分、かな? ジャンプも、プログラムも、今までの過程もすべて含めて、自分はスケートとともに5歳からずっとやってきました。今回も、『もうスケートできない』って思ったり、『嫌だ』って思ったんですけれども、結局は20年やっているので、切っても切れない仲なんだなって思いました。
ずっと一緒にスケートとやってきたからこそ、信じてきたからこそ、スケートも自分を裏切らなかったんだって感じました」
<写真/2014年2月21日 ソチオリンピック(JMPA/代表撮影)>
『浅田真央100の言葉』(フジテレビ スポーツ局・編/扶桑社・刊)
浅田真央さんの生誕30年を記念して、2003年から密着取材してきたフジテレビの膨大なアーカイブから、100の言葉を厳選。 幼少時から現在までの写真とともに、波乱万丈の人生とスケートへの想いを彼女自身の「言葉」と歴代ディレクターの回想から詳細に振り返ります。 父と姉から初めて明かされる家族のあたたかなエピソードも。