お風呂はスッキリ空間がベスト!
一般的な田の字型マンションのわが家、お風呂には窓がありません。
換気扇をほぼ回しっぱなしにしていても、ちょっと気を抜くとカビが発生 してしまいます。
特に梅雨どきや夏場は要注意。なので、とにかくカビにくさ、掃除のしやすさを第一に考えています。
昔は石けん一個で髪も身体も……と試みたこともありましたが、使いにくいと夫に不評。
子どもが成長すると、自分の好みのシャンプーや洗顔料を使いたがったり、だんだん浴室にものが増えてきました。
いまでは、家族の誰にも文句の出ない製品に統一して、ボトル類を増やさない ようにしています。
ディスペンサーはあえて2本ずつ
シャンプー類は必ず詰め替え用を買い、それぞれディスペンサーに移し替えて使っています。
ディスペンサーは各種2本ずつ 用意してあります。
昔は、1本あればいいと思っていました。
しかし、1本きりだと、中身をカラにして洗って乾かして中身を補充するまで、空白の一日が生じてしまい、それがストレスでした。
雑菌の増殖が心配なので、継ぎ足して使いたくはないし、やはり2本必要 です。
いまでは、1本目が残り少なくなったら、あらかじめ中身を入れておいた2本目を出してきて、1本目の残りは私が薄めて使い切っています。
ディスペンサーの色は、お風呂用の椅子や洗面器と同じ白か、透明と決めています。
製品ボトルと違って色やデザインがないため、複数置いても空間がスッキリ します。
数枚あるボディタオルも寒色系と決めています。あまりいろいろな色を増やしたくないのです。
床を拭いて出るだけで、カビ知らず
窓のない浴室なので、カビを生やさないために毎日実践していることがあります。それは、
「お風呂上りに、洗い場の床を拭いて出る」
最初は、壁も拭いていたんですが、面倒くさくて定着せず、結局拭くのは床だけになってしまいました。
洗面器やお風呂用の椅子を浴槽のふたの上に上げてしまい、身体を拭いたバスタオルを床にポイ、足を使って水けをとったら、四隅をグルっと拭いて洗濯機へ。翌日、ほかのものと一緒に洗ってしまいます。
これだけでも、十分カビよけの効果があるんですよ! 夏は、拭いた後にアルコールをスプレーしておくと万全です。
ぬめりやカビは “水” が大好き。夜のうちに床を拭いてしまうことで、日中の浴室はカラリと乾いて、翌日の掃除もしやすいんです。
家族にやらせるコツ
しまい湯が私と決まっていた間はこれでうまくいっていましたが、やがて、お風呂に入る順番が、最後が私ではなく夫や息子に変わってきました。
(このふたりがやるかな……)
と不安はありましたが、やらせなければ永遠にやりません。
なので、彼らがお風呂に入る前、言うようにしました。
「お風呂出るとき床拭いてくれると助かるんだ~」
「わかった」
と浴室に向かうはいいけど、出る頃にはすっかり忘れて、翌日の浴室はびしょびしょ……ということが、最初の頃は続きました。
でも、だんだん定着するようになったんですよ。
コツは、床が拭いていなかった朝は、
「床拭くの忘れた?」
と(怒らずに)確認し、
拭いてあった朝は、
「ワッ、拭いてある!! これ助かるんだわ~~ ありがとう!!」
と、少々大袈裟に感謝すること。
家事は家族全員が負担すべきことで、主婦が感謝しなければならない道理はないといえばないのですが、そこはやらせた者勝ち。
私が嬉しそうに喜ぶ姿を見せると、次も拭いてある確率がグッと上がるのですから、
「ありがとう」
の力は偉大です。
今年で築18年ですが、お蔭でわが家の浴室は本当にカビにくくなりました。
排水口のフタは撤去
もう一つ、浴室掃除をラクにするために実践していることは、
「排水口のフタを撤去したこと」
です。
排水口のフタは樹脂製で、荷重に耐えるため、裏面に格子状のリブが立ててあるのですが、これが実に掃除しにくい。
あっという間にせっけんカスがこびりつき、四六時中古歯ブラシで洗ってやらないと、ぬめりと臭いがひどいことになります。
このフタを洗って排水口を洗って、ずっとかがんだ姿勢がつらい。
なので、もういっそこのふたはないものとして、排水口には髪の毛がうまくたまる形の網状のカバーをはめ込み、開けっ放しにしてしまいました。
すると、面倒だったフタ裏の掃除はなくなるし、集まった髪の毛はすぐに捨てられるし、排水口がいつも見えるから、汚れがたまらないうちにブラシを突っ込んで洗えるし、浴室掃除のイヤな部分が全部なくなりました。
あのフタ、なんでついてたんだろう。
一応、捨てずにとってありますが、もう要らないかな……。
子どもが小さい頃は、必死でお風呂に入れていて、自分を洗うのなんて二の次だった昔を思えば、お風呂掃除やカビ予防は夫と息子任せ、一人でゆったりお風呂に入れるいまは、極楽極楽、です。
〈撮影/山田耕司〉
金子 由紀子(かねこ ゆきこ)
1965年生まれ。出版社での書籍編集者を経てフリーランスに。1973年、第一次石油ショックで大人たちの買いだめにショックを受ける。自らの出産・育児経験から「現実的なシンプルライフ」の構築の傍ら、All About「シンプルライフ」初代ガイドを務める。近著に『クローゼットの引き算』(河出書房新社)amazonで見る 、『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)amazonで見る 、『ためない習慣』(青春文庫)amazonで見る ほか20冊以上。