• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしを作る。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、大好きな犬たちのチカラになりたいと、幼い情熱をたぎらせた 少女時代のお話です。

    犬のチカラになりたい

    今回は思い出話を1つ失礼します。

    私は無類の犬好きでした。今も犬は大好きなんですが、小学1年生のあの時期は、異常でした。犬好きが過ぎて周りに迷惑をかけるほどの問題児だったのです。

    画像1: 犬のチカラになりたい

    両親が共働きだったこともあって、私は学校が終わると、イトウのおばちゃんの家で預かってもらっていました。おやつを食べると私はすぐに外に出かけます。目的は遊びではありません。おばちゃん家の周りで飼われている犬を眺めにいくのです。

    最初こそ吠えてきた犬も、慣れてくるとシッポを振ってくれるようになったりして嬉しくなりました。そして思うのです。私、この犬たちのチカラになりたい

    画像2: 犬のチカラになりたい

    当時「銀牙 ~流れ星・銀~」という犬のアニメが流行っていて、私も夢中になってそれを観ていました。

    犬同士が仲間になって、巨大な敵に立ち向かう話なのですが、小学1年生の私はそれに感化されてしまい外飼いの犬を見て、「こんなところに繋がれていては仲間ができない。犬は犬同士で仲間を作って山へ駆けて行きたいはずだ。」という考えに至ります。

    そして私は、おばちゃん家の周りで飼われていた犬たちを鎖から解き放つのです。

    幼さゆえと、どうぞお許し下さい。しっかり、こっぴどく怒られました。

    幸いなことに犬はみんな家に帰りました。本当に良かったです。でも、私なりに犬を想っての行動だったということは全く理解されませんでした。

    画像3: 犬のチカラになりたい

    その後も懲りずに犬のチカラになりたい私は、ある日、床屋さんの前の木につながれて、ご主人の散髪が終わるのを待っていた犬を「捨てられていたから、私が飼う。」と言って連れて帰ってきてしまいます。

    イトウのおばちゃんが、どれだけ「捨てられているんじゃなくて、待ってたんだよ。」と説明しても私は聞き入れませんでした。「犬を一匹であんな木に縛り付けておくなんて、かわいそうだ。そんなことする人は捨てたに違いない。」と信じて疑わなかったのです。

    あまりの頑固さに手を焼いたおばちゃんは、仕事場の母に電話をして助けを求めます。駆けつけた母に「犬飼ってあげるから、この犬はあきらめて。」と説得されて、ようやくその犬は飼い主に戻されたました。

    いい時代でした。周りの大人たちは笑って許してくれたのですから。(親とおばちゃんを除いてですが。)

    あの日のような情熱で、何かを愛しく思い、勝手な使命感にかられることがこれから先あるのかな。なんて思います。

    いつか山に住んで、大好きな犬たちと一緒に、あのアニメの如く群れをなして駆け回れる日々を夢みています。



    画像4: 犬のチカラになりたい

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。




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