(『花生師 岡本典子の花仕事』より)
春の花合わせの喜び
やわらかな茎の春の花を、私はいつも「マヨネーズが似合いそうな質感」と例えています。ブーケを束ねるときに、その茎のみずみずしさを手の平のなかで感じられること、春の花合わせの喜びです。
これは春に限りませんが、花を選ぶときには、生命力があるかどうかを感じ取ります。それは等級でははかれないもので、スーパーで野菜を選ぶときの感覚に似ているかもしれません。
白いブーケはきっちり作るとウエディングブーケのようになるから、アリウムの茎のくねりを生かして上に飛び出させたりしながら、動きをつけてカジュアルに。すべての花が思い思いの方を向いて、春の風に揺れているようなイメージ。
花材:アリウム/クリスマスローズ(ヘレボルス・フェチダス)/フランネルフラワー/ヤグルマギク(セントーレア)/アキレア/ビバーナム・スノーボール/バラッセラファン/リューココリーネ
ブルーを引き立てるような紫や、青み、赤みを交せて
やわらかな茎の春の花を、私はいつも「マヨネーズ が似合いそうな質感」と例えています。ブーケを束ねるときに、その茎のみずみずしさを手の平のなかで感じられること、春の花合わせの喜びです。
これは春に限りませんが、花を選ぶときには、生命力があるかどうかを感じ取ります。それは等級でははかれないもので、スーパーで野菜を選ぶときの感覚に似ているかもしれません。
白いブーケはきっちり作るとウエディングブーケのようになるから、アリウムの茎のくねりを生かして上に飛び出させたりしながら、動きをつけてカジュアルに。すべての花が思い思いの方を向いて、春の風に揺れているようなイメージ。
花材:ラケナリア/ギリア“トリコロール”/フリチラリア“メレアグリス”/アゲラタム“ベルベットラベンダー”/ミント
<写真/砺波周平>
本記事は『花生師 岡本典子の花仕事』(誠文堂新光社)からの抜粋です
ただ美しいだけでなく、独特のニュアンスや世界観のあるフラワーデザインでイベントやメディア、店舗ディスプレイなどでもで大人気のTiny N・岡本典子さん。
初となる作例集として、アレンジやブーケ、リース、スワッグなど約90作品の美しい写真とともに、そのデザインの着想について解説。花業界を目指す人をはじめ、フラワー教室に通っているような、花をもっと知りたい人に向けたヒントになる内容です。
まず大事なのは、花選び。市場での花との向かい方や、そしてそれらをどう組み合わせるか。一つひとつに込められたデザインの意図について、丁寧に解説するとともに花を仕事にするための心構えや、作風の確立についても伝えています。
約90作品もの美しいビジュアルは、写真集として眺めるだけでも心を豊かにしてくれます。プロ志望の方だけでなく、植物を愛する人が広く楽しめる一冊です。