“体にやさしい”を追求するドイツパン
ドイツの実力店で修業した店主、清水信孝さんが焼き上げる、本場そのもののドイツパンに出合える「ショーマッカー」。修業先の製法をしっかり踏襲しつつも、違うのは、日本人のライフスタイルに合うようにパンのサイズを一回り小さくしているところと、もうひとつ、卵・牛乳・砂糖を使わないところです。
「そんなことができるのも、もともとドイツパンが卵や牛乳などを多く必要としない、これぞ食事パンという材料でできているからこそ。お客さんの健康を考えて僕がそうしたいというのと、食物アレルギーを持つ方が多く、そういう方でも食べられるものをと思ったから」
ドイツパンの大きな特徴は、原料にライ麦を使うこと。ライ麦は栄養価が高く、ぜひ積極的に食べてほしい食材なのだとか。
「ライ麦は小麦に比べて、ビタミンやカリウム、カルシウム、マンガンなどさまざまな栄養素が豊富なんですね。また、ライ麦パンづくりに欠かせないサワー種(ライ麦由来の天然酵母)には、乳酸菌や酢酸菌、酵母などが含まれ、体にいいとされているんです」
また、ぜひ手に取ってほしいのが、日本ではあまり知られていない古代穀物「スペルト小麦」でつくられたパン。小麦の原種である「スペルト小麦」は、ライ麦と同様に栄養価がとても高いのだとか。早速いただいてみると、野性味にあふれた味わいで、小麦の旨味がぎゅぎゅっと詰まっています。
「それと、材料はできるだけオーガニックのものを使うようにしていますね。足りない材料は本店から送ってもらえるので。たとえば副材料の種がそうで、日本だとオーガニックのものはなかなかないのですが、ドイツのビオのものが送ってもらえる。値段は高いですけどね(笑)」
ドイツパンをもっとおいしく食べよう
「ライ麦のパンは薄くスライスしてバターを塗り、その上にジャムや蜂蜜を塗ったり、チーズや野菜、ピクルスをのせると、おいしく食べられます。肉料理と相性がいいので、レバーパテや厚くカットしたハムも合いますよ。あとは季節野菜のグリルやオイル煮をのせてもいいですね。パンはライ麦比率が高いほど、薄くスライス(7~8mmほど)するのがおすすめです」
ライ麦パンでも、普通の小麦のバゲットでよくやるように、オリーブオイルに岩塩をパラパラしたものをつけて食べてもおいしいのだそう。
ひまわりの種や押し麦などがトッピングされている、花の形をした「パーティークランツ」は、ひとつずつちぎって、上下半分にカットし、中にチーズ、生ハム、厚めにスライスした無塩バターをはさんでサンドウィッチにするとおいしいと、教えてくれました。
「ブロート」はドイツ語でパンの意味で、「ブロートヒェン」は小型のパンのこと。また、ドイツパンはライ麦と小麦の比率によって呼び名が異なり、「ロゲンブロート」の「ロゲン」はライ麦のことでライ麦比率の高いパン、「ヴァイツェンブロート」の「ヴァイツェン」は小麦のことで小麦比率の高いパン、「ミッシュブロート」の「ミッシュ」は“混ぜた”の意味で、ライ麦と小麦を同量の割合でつくったパンのことなのだとか。
言葉がわかると、ドイツパンにさらに愛着がわいてきますよね。栄養豊富で体にやさしいドイツパン、普段の食卓でもっと楽しんでみてはいかがでしょうか。
<撮影/山川修一 取材・文/諸根文奈>
Schomaker(ショーマッカー)
03-3727-5201
9:00~18:00
月休み
東京都大田区北千束1-59-10
最寄り駅:東急目黒線・大井町線「大岡山駅」
http://www.schomaker.jp/index.html
(通販あり)