• 衣服の補強や保温のために重ねた布を刺し縫いしたのが始まりといわれる、日本の伝統手芸“刺し子”。昨今、おうち時間の楽しみとして、針と糸と布だけでできる手軽さで人気を集めています。そこで、いまの暮らしになじむようアレンジした、かわいくて華やかな刺し子を、刺し子作家の安蒜綾子さんに提案してもらいます。今回は、山茶花(さざんか)のふきんを。
    (『天然生活』2021年2月号掲載)

    刺し子でつくる、山茶花のふきん

    全方向からの縫い目を刺し重ねてでき上がる模様です。

    刺しごたえがあり、完成したときの特別感や達成感はひとしお。段染め糸を使うと飽きずに刺せるうえ、多少縫い目が曲がっても目立ちにくくなります。

    ポイントは糸をしっかりしごくこと。単色でもかわいい。

    画像: 刺し子でつくる、山茶花のふきん

    ふきんのつくり方

    ふきんの材料(1枚分)

    ● さらし…34cm幅 70cm

    ● 刺し子糸(染織アトリエKazu・濃いピンク~緑系)

    つくり方

     さらしを中表に折り、イラストのように上端を縫う。

    画像1: つくり方

     表に返して形を整え、周囲に1.5cmの余白をとり、アイロンや水で消えるペンで1cm角の方眼線を書く。布2枚を重ねたまま、下の「外枠の刺し方」を参考に、図案の外枠を一周刺す。

    画像2: つくり方

    山茶花の刺し方

    下準備

    外枠を刺す。

    外枠の刺し方

    下のイラスト①の☆の3目手前から刺し始める。2枚のさらしがずれないように合わせて、外枠を0.5cmの針目で刺し進める。ぐるりと一周したら、同じ穴に糸を割らないように3目刺し重ねる。

    画像: 刺し子でつくる山茶花(さざんか)のふきん/安蒜綾子さん

    図案の刺し方(山茶花の刺し方)

    〈表〉

    画像1: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

    〈裏〉

    画像2: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

    ※図案は5×5だが、規則性は変わらないので、サイズが変わっても同様に刺す。

    画像3: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

     〈横方向を刺す〉

    ☆から★の1目手前まで図案に沿って刺し進める。

    画像4: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

     〈縦方向を刺す〉

    糸は切らずに①の★から布の間に糸を通して☆の表側に出す。図案に沿って★の1目手前まで刺し進める。

    画像5: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

     〈斜め(左上)方向を刺す〉

    糸は切らずに②の★から布の間に糸を通して☆の裏側に出す。図案に沿って★まで刺し進める。

    画像6: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

     上図を参考に、③の★から外枠に3目重ねてとめ、糸を切る。⑤の☆の3目手前から外枠に刺し重ね、⑤の☆で表側に糸を出す。

    画像7: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)

     〈斜め(右上)方向を刺す〉

    ☆から★まで図案に沿って刺し進める。刺し終わりは、図案のように外枠に3目重ねてとめる。

    画像8: 図案の刺し方(山茶花の刺し方)


    〈作品デザイン・制作/安蒜綾子 撮影/中垣美沙(完成イメージ)、林 紘輝(刺し方) スタイリング/竹内万貴 イラスト/たまスタヂオ〉

    安蒜綾子(あんびる・あやこ)
    刺し子作家。北海道生まれ。一目刺しの技法を駆使し、現代の暮らしまわりのものやことをモチーフにした図案と、暮らしに華を添えてくれるカラフルな作品が話題に。これまでに650枚以上の刺し子ふきんを制作した経験をもとに、ていねいに解説してくれるワークショップが人気。著書は『一目刺しの刺し子のふきん』『続・一目刺しの刺し子のふきん』(ともに、主婦と生活社)。
    https://ayakonosashiko.wixsite.com/home/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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