ボトル持参でプラスチックを減らす
コッツウォルズでは、街や森の木々がいっせいにピンクや白に染まり始めて、フィールドにもひつじの赤ちゃんがお目見えしました。
今回は、この小さな街のエコな活動をご紹介したいと思います。環境問題が世界中で問題となっているいま、私も微力ながらできる範囲で地球に貢献したいと考えています。
この街で出会ったクリスティーヌさんは、地球にやさしい成分の洗剤などを販売していて、空になったボトルを持っていけば、洗剤を入れて販売してくれます。そうすることで、プラスチックのゴミを減らすことができます。洗剤の成分も環境に問題ないので、海にも優しく、キンとした化学成分の匂いもなく安心です。
以前、家族旅行で訪れたスリランカでは、ウミガメの保護活動をしている団体を見学させてもらったことがあります。保護されたウミガメのなかには、スーパーなどで使われるプラスチックの袋の一部が体内から見つかったり、体に巻きついていたりしていました。
この見学で、プラスチックのボトルだけではなく、私達が普段、便利に使っているいろいろなプラスチックが及ぼす環境への問題を知ることができました。
以前、ロンドンに暮らしていた頃、スーパーで売られている環境にやさしい洗剤を購入していましたが、近所では量り売りしてくれるお店が見つからず、困っていました。しかし、いまではクリスティーヌさんが詰めてくれるので、とても助かっています。
手づくりのジャムなどを売っているマーケットの屋台では、次に訪れた際に空になった瓶を渡すと、瓶代を引いてくれます。昔、私が子どもの頃、酒屋さんにお酒のびんなどを返していたのを思い出します。
困っている人と分かち合う「フードバンク」
ロックダウンが始まり、さまざまな業界に影響が出始めた頃、私たちが暮らす街、チャールブリーの中心に17世紀に建てられ、いまでは公民館として使われているコーナーハウスでは、「ギブ アンドテイク」と呼ばれる物々交換の場としても使われはじめました。
庭でたくさん採れたくだものや野菜など、いただきものだけど使わないものなどを交換する場です。秋には、りんごやマルメロが並んだり、花があったりと、訪れてみるとなかなか楽しいものです。
イギリスでは、ロックダウンで深刻な影響が出ている人や家族は、生活に必要な食料品などを毎週、支援してもらうことができます。ほとんどのスーパーでは、フードバンクという箱が置かれています。
買い物の際、少し余分に保存食や生活用品などを買い、出口付近にあるフードバンクの箱に入れておきます。毎日、夕方には箱はスパゲティやお茶などでいっぱいになり、ボランティアの方々が収集にやってきて、困っている方々に配布されます。
フードバンクは、生鮮食品は扱われていないのですが、チャールブリーのコーナーハウスでは、地域の行政機関とみんなの寄付によって、生鮮食品も配られるようになっています。
散歩を兼ねたゲーム感覚の楽しいゴミ拾い
チャールブリーでは、ロックダウン中から以前よりもウォーキングや散歩をする人が増えたのを利用して、ゴミ拾い活動も始まりました。活動は、安全のため手袋をしてなどの注意点をしっかり守って行われます。
車から落とされたゴミ、風で飛ばされてきたゴミなど、チリも積もれば山となるで、かなりの量のごみが貯まります。
みんなが集めたゴミを街のセンターに持っていくと、その重さを量ります。その重さを距離に変え、国を一周する距離まで頑張ろうというゲーム感覚にしたところが面白く、子どもたちもゲーム感覚で楽しんでいます。週末になると、親子でゴミを拾っている光景も見られ、いまは距離にすると、イングランド、スコットランドも周り、もうすぐ一周、ゴールも近いです。
3月末から、1時間時間が早くなるサマータイムに切り替わり、夏に一歩近づくなか、私たちも親子で週末、ゴミ拾い活動を楽しんでいます。
さて、距離にして何kmになるかしら。
<撮影・文/コヅエ ガーナー>
コヅエ・ガーナー
神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMistyInteriorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。