(『「どっちでもいい」をやめてみる』より)
梅雨どきの雨具と湿気対策
「オミノ洋傘店」の傘。ベージュとブラウンの2本を持っています。ブーツは「エーグル」、レインコートは20年以上も前に買った「ダーバン」のメンズで、これ以上のものをいまだに見つけられません。
一体いつから傘が消耗品になってしまったのでしょう。
「いい傘はなくしたときにショックだから」と、ビニールの安価な傘があっという間に広がりました。なくしても盗られても気にしない、ワンコインの傘。そうやっていろんなものが大事にされなくなる世の中です。
私は職人さんが心を込めて作った傘が好きです。
持ち手は竹。節があるので滑らず、持ちやすいんですよ。
雨の日は、長年愛用のメンズのレインコートと長靴、そしてお気に入りの傘で出かけます。
私の傘は自慢の一品。「持ってみて」と差し出すと、その軽さにみんなが驚きます。吉祥寺の傘専門店で、いろいろ教えてもらって選びました。もちろん修理がききますから、何かあったら直しに出します。
「プラスマイナスゼロ」のサーキュレーターと除湿機。かび防止だけでなく洗濯物の室内乾燥にも。湿度管理とともに「空気をまわすこと」がとても大切なのだそうです。
珪藻土の壁で、暑い夏も帰宅するとひんやりしていたわが家。本当に爽やかで、快適に暮らしていました。
ところがあるとき、壁にかびを発見。専門家たちの見立ては、「外壁に見えないひびがあるのだろう」とか、「断熱材が不足しているのでは」とか。
でも何となくピンとこない(ここが大事です!)私は、「珪藻土 かび」で検索してみました。すると左官屋さんが書いたブログに、「新築マンションでも、珪藻土の玄関にかび」と書かれているではありませんか。
珪藻土は湿気をよく吸うため、換気が上手くできないと、かびが出てしまうというのです。
普通換気扇は、洗面所とキッチンだけですものね。早速換気扇を増設する工事を行い、除湿機にサーキュレーターを導入。そして壁を漆喰に塗り直しました。
<撮影/濱津和貴>
本記事は『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社刊)からの抜粋です
引田かおり(ひきた・かおり)
夫の引田ターセンと共に、2003年より東京・吉祥寺にある「ギャラリーfève」とパン屋「ダンディゾン」を営む。さまざまなジャンルの作り手と交流を深め、新しい魅力を引き出し、世に提案していくことを大きな喜びとしている。著書に『私がずっと好きなもの』(マイナビ)、ターセンとの共著に『しあわせな二人』『二人のおうち』『しあわせのつくり方』(すべてKADOKAWA)がある。
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「どっちでもいい」をやめて、人まかせにせず、自分の「好き」を優先させると、人生を気持ちよく歩けます。本書では、正直な気持ちを表現できるようになれるヒントを、文章と写真で紹介。引田かおりさんが選び抜いた器や洋服、長年集めたかご、ガラス、暮らしの工夫も必見です。