新しい車にアビーを乗せて、初めてのお出かけ
車と愛犬アビーとの生活
連載第1回目で少しお話しましたが、 3年程前から仕事や展示で現在住んでいる東京と地元の南九州を行き来することが多くなり、なんちゃって2拠点生活を送っていました。
地元の南九州は一家に一台、否、ひとりに一台が当たり前の車社会。
用事があるときは実家の車を借りていたのですが、それも少し窮屈になり地元用の車を購入する決意をしたのです。
それが2020年1月のことでした(アビーを家に迎える半年前)。
それからすぐに世の中はコロナ一色になり、県をまたぐ移動が難しくなりました。
納車日がだんだんと近づくなか、帰れない地元に納車して一体なんの意味があるんだろう……と考えるように。
かといって交通網の発展している東京では車なんて必要ないし、何より駐車場代も高い!(地元では東京の駐車場代でアパートが借りられます)
しばらく僕の車は頭の中で東京と南九州を行ったり来たりしていました。
時を同じくしてアビーが散歩に慣れてきたころ、もうすぐで車が仕上がりますとの連絡が。直前までどうするか迷いましたが、車があればアビーといろいろなところへ一緒に出かけられるかも……! と思い切って東京に納車することに決めたのです。
そして昨年の11月に晴れて東京に初めての愛車が我が家にやってきました。
ドライブデビューは公園へ
(前置きが大分長くなってしまいましたが)散歩の慣れに僕の運転の慣れが追いついた頃、満を持して車でお出かけすることに。
初めてのお出かけの場所に選んだのは、以前妻と訪れたことのある都内の大きい公園。
ここなら家からわりと近いし、なんとなく勝手もわかっているし、ドッグランも併設されています。
気合を入れて朝早くに起床し、レジャーシートやコーヒー、アビーのごはんなどの準備をしていると、いつもと違う気配を感じたのか小刻みに震えはじめるアビー。
もしかすると寒さのせいかも……とほぼ0%に近い可能性を残しつつ車に乗せて出発すると、震えは止まるどころかガタガタと大きくなってしまいました。
大好きなおやつにも一切反応なし。きっとアビーにとって車=怖いところに連れていかれるものというトラウマなのだろうと思います。
こんなにも震えたアビーを見たのは初めてだったので、我々もかなり動揺してしまい一瞬引き返すという選択がよぎりましたが、それでは車=怖いというイメージが植え付けられるだけだと思い、そのまま公園へ向かうことに。
(今思えば出かける前にとりあえず車に乗せて大好きなおやつをあげるということを繰り返して、車は怖いものじゃないということを教えた方がよかったのかもしれません)
道中震えはおさまらないまま公園の駐車場へ到着。辺りを少し散歩すると道の脇で大量のおしっこ。(車でお漏らししなかっただけでもえらい!)
しかし、その後はさっきまでの震えはどこへやらといった感じで、いつもより広々とした環境に終始小走り気味で動きまわるようになっていきました。
アビーは落ち葉の上を歩くのが好きなのですが、いつもの散歩コースとは比べものにならないくらいに広がる落ち葉の絨毯にご満悦な様子。
しばらくして公園の小高い丘で休憩することに。案の定レジャーシートを広げる動作にビビりまくるアビー。
カバンからコーヒーやサンドイッチを取り出すたびにビビって逃げようとするので、なかなか落ち着いて休憩できませんでしたが、アビーが家に来たときのことを思うと、まさかこんなことができているなんて……! と夫婦ともども感慨深い気持ちになりました。
しばらくするとどこからか犬の鳴き声がし、そちらの方を振り向くとドッグランが見えることに気付きました。
その日は散歩だけのつもりだったのですが、犬も人も少なそうだったのでちょっとドッグランにチャレンジしてみることに。
そう、次回はアビーの初ドッグランについてお話ししたいと思います。
オカタオカ
犬と車が好きなイラストレーター。宮崎生まれ、鹿児島育ち。現在は東京都在住。桑沢デザイン研究所卒業。雑誌や書籍などを中心にイラストレーションを手がける。バンド“すばらしか”の加藤寛之とのポッドキャスト番組『クルマのふたり』も配信中。
インスタグラム:
@okataoka(イラストレーション) @abbie_in_the_life(保護犬日記)
犬を飼いたいと思ったときに、ペットショップで「買う」だけでなく、保護犬を「迎える」という選択肢もあるということを広く伝えたい。そんな思いから生まれた1冊です。
保護犬を実際に迎え入れた方々の、ありのままの暮らしを楽しく伝えることで、保護犬たちの魅力を伝えるとともに、少しでも保護犬を迎えるきっかけとなればと願っています。