ハーブでつくるシロップについて
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ハーブでつくるシロップは、「コーディアル」と呼ばれることもあります。
もともと「コーディアル」とは、ハーブなどを漬け込んだ健康酒として親しまれてきましたが、長い歴史の中で変化して、主にハーブや果実を原料とし、保存のために砂糖や酸を加えたノンアルコールシロップとして知られるようになりました。
メディカルハーブの分野では、「コーディアル」は健康飲料、「シロップ」は決められた容量、用法に基づいて、ハーブを調整して作るシロップ剤として位置付けられていますが、共通しているのは、ハーブの有効成分が濃縮されて、健康維持に役立てられる、保存性の高い甘い飲料ということです。
今回は、一般的にイメージしやすいように、「シロップ」という名前を使って、ミントシロップの作り方をご紹介したいと思います。
ミントは、火照った体の熱を冷ましたり、さわやかな香りが脳の働きを活性化させるので、気分転換したい時におすすめです。また、イライラする時に心を落ち着かせたり、食後に飲むと消化を促したりする働きもあります。
ミントシロップは、かき氷のシロップにはそのまま使えますが、飲み物としては、炭酸水やお酒、水、ハーブティー、紅茶などで希釈して使います。ミントシロップのおすすめの使い方は、後半にまたご説明しますね。
我が家のミントのこと
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ミントには多くの品種があり、交雑しやすいのが特徴です。我が家のミントも、最初はアップルミント、ペパーミント、グループフルーツミント、ブラックミント……。と1つ1つ育てていたのですが、所々、交雑して新しいミントに!(笑)
家庭でのハーブの楽しみ方のポイントは、大らかな主のもとで、伸び伸び育っているものを使うところだと思います。
どんなミントでも……。と言いたいところですが、シロップづくりには、ペパーミントまたはアップルミントがおいしくできるのでおすすめしたいと思います。
ミントのきれいなグリーン色をいかすこと
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ミントは、煮出してシロップにする過程で、きれいなグリーン色が褪色してしまいます。
ですが、ご安心ください。青菜のおひたしを作るときのように、色止めをすることで、綺麗なグリーン色を楽しめるミントシロップになります。
色止めの方法は、つくり方のところで詳しくご説明しますね。
ミントシロップのつくり方
材料(出来上がり量 約100cc)
◎ ミントの葉 | 50g(きれいに洗っておく) |
◎ グラニュー糖 | 50g |
◎ 氷水 | 適量(ミントの葉の色止めに使用) |
◎ 水 | 50cc |
つくり方
1 鍋に2カップ程度の水(分量外)を入れて沸騰させ、その中にミントの葉を入れ、15秒ほどさっと湯がき、ザルでこします。
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2 ボウルにはった氷水の中に、1のミントを入れ、色止めをします。ミントがしっかり冷えたら、氷水を捨て、ミントの水気をよく絞ります。
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3 2のミントをフードプロセッサーまたはミルサーで細かくし、ミントの成分を出しやすくします。
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4 3をボウルに移して、グラニュー糖をまぶし、しっかり混ぜ合わせます。
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5 そのまま10分〜15分ほど置くと、緑の水分が出てきます。
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6 ミントの葉をしっかりこして、残りの緑の水分と50ccの水を合わせて鍋に入れ、1/2の容量になるくらいまで煮詰めます。
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7 こしたミントの葉は、瓶に詰め、おいておきます。
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8 左側のビーカーは6で煮詰めた溶液、右側の瓶は7で瓶詰めしたミントが入っています
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9 瓶詰めのミントに、煮詰めたミント溶液を入れます。
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10 よく混ぜて、そのまま15分ほどおいておきます。(冷蔵庫で半日〜1日ぐらい、なじませるようにおいてもよいです)
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11 最後にミントの葉をこして、瓶詰めして出来上がりです。
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綺麗な鶯色のミントシロップになりました。
★ポイント
・ミントシロップの保存期間は冷蔵庫で約2週間。風味を落とさず、おいしく召し上がっていただける期間です。
・ミントの収穫時季により、できあがりの色の濃さは異なります。記事のシロップは秋に収穫したミントを使用していますが、春から夏にかけてのミントを使う場合は、より濃い緑色のシロップが出来上がります。
ミントシロップのおすすめの飲み方
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出来上がったミントシロップは、炭酸水やお酒、水、ハーブティー、紅茶などで希釈して使います。以下、おすすめの飲み方をご紹介します。
1) 炭酸水で5倍に希釈して、レモンやライムをたっぷり絞って。
2) かき氷のシロップにそのままかけて。
3) 紅茶やハーブティーのお砂糖の代わりの甘味として、スプーン半量〜1杯。
4) ジンまたはホワイトラム酒と合わせて。
私が好きな飲み方は、ジンとミントシロップを同量(約大さじ1ずつ)グラスに入れて、グラスの8分目まで炭酸水を注ぎ、レモンをキュッと絞っていただきます。
甘いお酒が苦手な方も、さわやかなミント風味の程よい甘味と炭酸、アクセントに効かせたレモンで喉越しがキュ〜ッとなり、暑い日のクールダウンになりますよ。
食後は、温かいハーブティーにスプーン1杯垂らして召し上がってみてください。
次回は、夏の疲れを癒す乳液のつくり方をご紹介しますね。どうぞお楽しみに。
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末吉 真由美(すえよし まゆみ)
暮らしの植物アロマケミスト/恋する石けん®︎研究家
(公社)日本アロマ環境協会資格認定校フェールマヴィ校長
日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト
家族と暮らしのハウスキーピング品やコスメ、恋する石けんワークを通して地域で生き生きと活躍する女性を増やすことが使命。
●ウェブサイト:フェールマヴィ
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●Instagram:@fairemavie.mami
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