大きな石の指輪は、歳を重ねてからの贅沢
わたしの母、藤子さんは今年83歳になります。娘のわたしがいうのもなんですが、母はとても美しく華のある女性。(わたしは完全に父似)
母は、子育て真っ只中の若い頃からネイルをちゃんとして指にはいつも色とりどりの宝石がついた指輪をしていました。あ、これは83歳の今もです。
毎日その日着る服に合わせて宝石箱から指輪を選ぶのですが、横から宝石箱をのぞくのが子供の頃、大好きでした。まるでキャンディーがくっついてるみたいな指輪なんだもん。
わたしが大人になると母から「いつか全部かおりのものになるのよ」と言われたけど若い頃は小さな石がちょこんとついた華奢な指輪が好きで『こんなド派手な指輪しないし、もらってもなぁ…』と思っていましたね、わりと最近まで。
それがここ2~3年ぐらい前からかしら? 50代半ばぐらいから急に『きれいな色のおっきな石がついた指輪』が欲しくなってきて。でもなぜおっきな石? それはおっきな石じゃないと似合わない手になったのです。これは決して残念なことではなくて手に“貫禄”がついたってこと。(と思いましょう)
家事をせず白くて指の節がシワシワしてない、きれいな手だった若い頃には似合わなかった色石ジュエリー。いつするの? 今でしょー! ってことで母に宝石箱を見せてもらって気に入ったものをいくつか譲り受けました。
銀行員の妻であった母は一度も仕事などしたことがない完全な主婦。ここだけの話、へそくりでちょこちょこ買ったそう。笑
母の指輪を、自分好みにリフォーム
でもね、せっかく譲り受けた指輪なんだけどなんかデザインが古かったり、サイズもわたしには大きくて落としてしまいそうでずっとしまいこんでいました。
去年からのコロナ禍で気持ちがパッとしなかった時期、指輪を信頼できるデパートのアクセサリー売り場に持ち込んでサイズをマイサイズにしてもらいました。
そしたらあら不思議、指輪って唯一自分で見れるアクセサリーでしょ。ネイルもそうだけど気分が全然違うの。上がるぅ~。自分で自分の気持ちをあげるのってとっても大切です。
指輪がオンとオフのスイッチに
わたしにとって休日のネイルはオンとオフですと言ってきたけど、最近は指輪もオンとオフのスイッチに追加しました。(仕事柄ネイルも指輪も基本バツですからね)
そうそう、つい最近アクセサリーのリフォームの楽しさも発見。親から譲り受けた指輪を新しく自分好みのデザインに作り変えて生き返らせるのです。仕上がりを待ってる時も楽しみでワクワクするし、石たちもぜったい喜んでいるはずよ。
みなさんの宝石箱にも眠ってるアクセサリーないですか?
読んでくださってありがとっ!
桜井かおり(さくらい・かおり)
「カフェロッタ」オーナー。大手損害保険会社のOLを経て、東京・代官山「クリスマスカンパニー」にアルバイトとして勤務。その後、系列店のテディベア専門店「CUDDLYBROWN」で店長を務める。2001年3月、東京・松陰神社前で「カフェロッタ」をオープン。心のこもった接客に、全国からお客様が足を運び、お客様から相談やお手紙をもらうことも多い。初の著書『カフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)が好評発売中。
インスタグラム:@kaorilotta
カフェロッタ
住所:東京都世田谷区世田谷4-2-12
電話:03-3428-1126(営業は2021年9月末まで)