命の尊さを教えてくれる元保護犬ベルの存在
「保護犬ってどんな犬？」息子の素朴な疑問から始まった自由研究
今年の夏休みのこと。学校の自由研究で「保護犬について調べたい」と双子の息子の兄がいいだしたのです。
ベルを引き取ってから「なんで保護犬っているの？」「保護犬はどこから来るの？」「そもそも‟保護犬”ってなに？」「どうすればベルのような保護犬が少なくなるの？」……いろいろな疑問があったようで、自由研究をきっかけに、調べてみることにしたのです。
リサーチは、ベルを引き取った保護施設やその関連施設にも行き、スタッフの方々にお話を聞いたり、インターネットや本で調べたりしました。
私も横で一緒にみてると知らなかったことがたくさんあり、思わず息子と一緒に夢中で調べました。
たとえば、どんな場所から保護施設に来るのか。一番多かったのはブリーダー崩壊でした。繁殖犬に対する法規制が行われてから、特に増えたようです。
そして私も息子も知らなかった"引き取り屋"の存在。ベルのように繁殖引退犬として保護施設にやってくるワンちゃんはまだまだ一握りで、そこに来れなかったワンちゃんは引き取り屋という闇の業者に引き取られて犬生をとげるというのです。
引き取り屋については奥が深くて今回の自由研究では書けませんでしたが、息子の自由研究のおかげで私も保護犬のことを今まで以上に知ることができました。
息子の疑問は、ほとんどが調べたら解決しましたが、調べれば調べるほど、保護犬を減らすには今すぐ自分ひとりの力ではどうすることもできないという現実もわかったようで……。
毎日泣きながら調べ、数週間かかって自由研究を仕上げました。
完成した自由研究の題名は「保護犬ってどんな犬？」。ふだん字を書くことが好きではない息子なので、正直どこまで調べたことを書けるのか心配でした。
でも‟この自由研究を1人でも多くの人に見てもらって、少しでも保護犬の存在を知ってもらえたらうれしい”という気持ちで仕上げた自由研究は、私や家族が見てもわかりやすく、そしてなにより息子の保護犬への気持ちがすごく伝わるものでした。
そして完成したときに「将来は絶対、犬を助ける仕事がしたい」と力強くいっていた息子。私も応援したいと思う横顔でした。
息子にそっと寄り添うベル
ベルを引き取る前から飼っていたキンクマハムスターのくうちゃんが亡くなったのも、ちょうど今年の夏。夏休みに入って数日後でした。
くうちゃんは子どもたちが小学1年生のときにわが家にやってきたんですが、2人とも本当によくお世話をしていました。それをみて‟これなら犬を飼っても大丈夫かも”と思ったんです。
そんなくうちゃんが2年10ヶ月で永眠しました。自分たちの目の前で亡くなったくうちゃんを見て、‟信じたくない”と、何時間も泣き続けてた子どもたち。
そのときフッと見たら、ベルが双子弟の側にいたのです。その顔はなんだか悲しそうな顔にも見えました。
いつもは「近いよ〜もう少し離れて〜」というくらいくっつき虫のベルなのに、このときは近すぎず遠すぎない距離。まるで‟大丈夫だよ、私がいるから”といわんばかりの顔で息子を見ていました。
たまたまかもしれませんが、悲しみのなかそっと息子の近くで寄り添ってくれてたベルの存在に、私も子どもたちも本当に救われました。
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そんな経験をしてから、2人はベルに対して今まで以上に進んでお世話をするようになりました。
夕方の散歩のあとのご飯の準備は、いつの間にか2人で交代制でやってくれるようになりました。お水がないと気づくのもいつも息子たち。
息子たちにとってベルは、くうちゃんがいなくなった寂しさを埋めてくれただけでなく、自分より小さく弱い者への命の尊さを改めて感じさせてくれた大切な存在であることは間違いないです。
tomooo.25
夫、双子の男の子、元保護犬ベル、キンクマハムスターの4人+2匹暮らし。自宅の家具をほぼすべてDIYでカスタム。休みの日は家族でDIYをしたり、釣りやキャンプに行ったりとアウトドアが大好き。ベルを迎えてからはベルとの朝夕の散歩が毎日の日課。DIYのアイデアや、家族やベルとの暮らしについてinstagramやブログで日々更新中。
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