• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしを作る。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、生後100日を迎えた娘さんのお食い初めのお話です。

    娘よ……

    娘が生後100日を迎えたので、お食い初めをやりました。

    画像1: 娘よ……

    「どこかの料亭でやったりするのもいいなぁ、コロナで結婚式も中止にしたから、そこの式場に相談してみようかなぁ、」なんて考えていたんですが、実家に帰ったり、義両親が東京に来たり、日々バタバタしていて、ハッ!と気づいたら、なんとその日が100日でした。

    オーマイガ! 何も用意してないよ。タイムリープしているんじゃないかと思うほど、日にちの感覚がおかしくなっているようです。

    「もういいか。お食い初めをクリスマスと一緒にやってしまおうか。なんなら年始のご挨拶がてら、ついでに開催にしちゃおうか……」疲れ果て、私の根っこにある怠け癖が、にょきにょきと芽を出してきました。

    正直、どこかに行くのが億劫なのです。

    娘用のオムツやミルクや着替えなどなどが入っている大きな荷物を持っていくのがしんどい。その会場まで行く途中、泣かれるんじゃないかと考えるのがしんどい。それを考えて、機嫌のいい時間帯か、お昼寝の時間あたりに移動して、逆算で店の予約時間を考えるのもしんどい。ベビーカー持っていくのか、抱っこ紐だけでいくのか……などなど。

    ひょひょい!と身軽に出かけられないので、ひょひょい!と行動に移せない自分がいます。

    そんな時、思い出したのが、実家に帰った時にみんなで見た私のアルバムでした。

    画像2: 娘よ……

    そこには、ばあちゃんに抱かれながら、お食い初めをしてもらっている私の姿がありました。

    伝統にのっとっていると思われる、料理の数々がテーブルに並び、茹で蛸など丸ごとどーんと置かれていて、その存在感の凄みに笑ってしまいました。

    全く記憶にありませんが、こんな風に用意してもらって、着物まで着せてもらって、お祝いしてもらったんだなぁと思うと胸が熱くなりました。

    100日はあっという間でした。これからなんて、もっとあっという間に過ぎ去ってしまうんでしょう。

    あとで振り返って後悔したくないなぁ。そう思うとむくむくと気力が湧き上がりました。できることでいいから家でやってみよう。

    すると、最近はなんて便利な世の中になったのでしょう。お食い初めセットというものがインターネット通販で買えるではありませんか。ちゃんと鯛の尾頭付も含まれています。しかも冷凍で翌日届くスピード感。そのお手軽感に気力がまた湧き上がります。

    よし、娘には出産祝いで頂いたお着物ロンパースを着せよう。私はちょっとだけ正装しよう。写真も自分たちで撮ろう。

    そんなこんなで、おうちでお食い初めしました。

    芸人始めたての頃は、お金がなくてひもじい思いもしましたが、そんな時は先輩がゴハンに連れて行ってくれました。もしかしたら、ばあちゃんたちの祈りのおかげで、食べ物に困らずに済んだのかもしれませんね。ばあちゃん、両親、先輩ありがとう。

    そんなことを色々思い出しながら、一生食べ物に困りませんように! と願いを込めて。

    娘よムチムチに育っておくれ。

    画像3: 娘よ……


    画像4: 娘よ……

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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