村祭りの前日を盛り上げる卵投げ大会
少しずつゆっくり夏が終わる頃、チャールブリーの村祭りが2年ぶりに開催されました。
引っ越して、初めて経験したチャールブリーの村祭りは、なんともいえないほっこりしたお祭りでした。まずは、金曜日の夕方から始まる卵投げ大会。2年前に観覧したときは、「卵を投げるなんて」と驚きでしたが、ここ、イギリスではよくあるゲームだそうです。
子どもから大人まで、友達、親子とそれぞれ二人組になって、生卵を素手で投げて、キャッチします。これが、なかなか難しい。
日本代表としてチャールブリー在住のみづえさん、長男の情君も、参加しました。情くん、切れのある投げ方でママ目掛けて投げましたが、残念ながら、卵はキャッチできませんでした。
周りの観客の人々もビールやワインを片手に観覧です。2年前に、私が勝手にひよこシスターズと呼んでいる女の子たちは今年もひよこのコスチュームで参加。レフリーもニワトリ姿で、会場が盛り上がっています。
上手にキャッチ出来たペアは、二回戦、三回戦と少しずつ距離が離れ、進みます。でも、勝った負けたは、実は誰も全く気にしていなく、ただただ、みんなで笑って、楽しみました。
初めて見たイギリス伝統のモリスダンス
そして、村祭り当日。朝から日差しが眩しいよいお天気。メインの通りは、車は通行止めとなり、雑貨屋さん、ガーデンショップ、ピザ屋さんなど、いろいろなお店が屋台を出店しています。
そのまんなかで、イギリス伝統のモリスダンスが始まります。白の衣装の足元に鈴が付けられ、踊るとシャンシャンと音が鳴ります。これが笛とアコーディオンの楽団の音楽に重なり、とても楽しいダンスになります。
人気のチーズの帽子を被ったチーズおじさんも「お元気そうでなにより」とみんなに話しかけられています。在英期間が長い私も、モリスダンスはこのチャールブリーに越してきて、初めて見ることが出来ました。
とにかくみんな楽しそうに踊っているので、見ている私たちも、楽しくなります。村のまんなかには、小さな遊園地があったり、地元の消防局員も子どもたちにホースでの水かけを実演していたり、クラシックカーが飾られていたりと、充実の内容です。
夫と私もパブでビールを買い、ビール片手にお祭りの中をぶらぶら。ご近所さんに会ったら、少し立ち話しをしたり、そうしたりしているうちに、夕方となり、家に戻りました。
夕飯を終え、ゆっくりしていたら、お隣のマットさんから、夜、アイルランドのブルースバンドがメインストリートで演奏するよとメッセージが届きました。これは、楽しそうなので、ワイングラスを片手に、野外ライブに繰り出しました。
日中と違い、子どもたちは少なく、もうすぐ満月のきれいな月夜の下で、大人たちはビールやワインを飲みながら、演奏を楽しんでいます。踊っている人もいたり、カップルで優雅に踊っていたり。
一昨年から厳しいロックダウンを何回も経験し、緩和されても、たくさんの行事が中止となり、そして、昨年の年始から、また、厳しいロックダウンが始まり、お店、カフェ、レストランなどのほとんどのお店が閉まり、人との接触も制限されました。
でも、この経験があるから、こうやって、お祭りやライブ、友達とビールやワイン、食事を楽しむことのありがたさ、幸せを改めて感じたお祭りでした。
夫とお隣のマットさんは、来年の卵投げ大会に挑戦するようです。練習はもちろん、卵じゃなくて小さなボール。いまから、楽しみがひとつ増えました。
<撮影・文/コヅエ ガーナー>
コヅエ・ガーナー
神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMistyInteriorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。