• なかなか収まる傾向が見えない新型コロナウイルス感染拡大ですが、コッツウォルズの小さな村では昨秋、2年ぶりに村祭りが開催されました。厳しい制限が続く中での、つかの間の心温まる村祭りの様子を、コッツウォルズに暮らすガーナーさんに紹介してもらいました。

    村祭りの前日を盛り上げる卵投げ大会

    画像: 村祭りの日は、街の中心のコーナーハウスもたくさんの風船で飾られます

    村祭りの日は、街の中心のコーナーハウスもたくさんの風船で飾られます

    少しずつゆっくり夏が終わる頃、チャールブリーの村祭りが2年ぶりに開催されました。

    引っ越して、初めて経験したチャールブリーの村祭りは、なんともいえないほっこりしたお祭りでした。まずは、金曜日の夕方から始まる卵投げ大会。2年前に観覧したときは、「卵を投げるなんて」と驚きでしたが、ここ、イギリスではよくあるゲームだそうです。

    画像: 村のメインストリートで行われた卵投げ大会。まんなかの青いTシャツの男の子がいまから卵を投げます

    村のメインストリートで行われた卵投げ大会。まんなかの青いTシャツの男の子がいまから卵を投げます

    子どもから大人まで、友達、親子とそれぞれ二人組になって、生卵を素手で投げて、キャッチします。これが、なかなか難しい。

    日本代表としてチャールブリー在住のみづえさん、長男の情君も、参加しました。情くん、切れのある投げ方でママ目掛けて投げましたが、残念ながら、卵はキャッチできませんでした。

    画像: 日本代表のみづえさんと情くん(写真真ん中の帽子を被っている小さな男の子) 右の黒いニワトリ姿の男性がレフリーです

    日本代表のみづえさんと情くん(写真真ん中の帽子を被っている小さな男の子) 右の黒いニワトリ姿の男性がレフリーです

    周りの観客の人々もビールやワインを片手に観覧です。2年前に、私が勝手にひよこシスターズと呼んでいる女の子たちは今年もひよこのコスチュームで参加。レフリーもニワトリ姿で、会場が盛り上がっています。

    画像: 卵をキャッチしようとしているひよこシスターズ

    卵をキャッチしようとしているひよこシスターズ

    上手にキャッチ出来たペアは、二回戦、三回戦と少しずつ距離が離れ、進みます。でも、勝った負けたは、実は誰も全く気にしていなく、ただただ、みんなで笑って、楽しみました。

    初めて見たイギリス伝統のモリスダンス

    そして、村祭り当日。朝から日差しが眩しいよいお天気。メインの通りは、車は通行止めとなり、雑貨屋さん、ガーデンショップ、ピザ屋さんなど、いろいろなお店が屋台を出店しています。

    そのまんなかで、イギリス伝統のモリスダンスが始まります。白の衣装の足元に鈴が付けられ、踊るとシャンシャンと音が鳴ります。これが笛とアコーディオンの楽団の音楽に重なり、とても楽しいダンスになります。

    画像: モリスダンスを踊るおじさん達。右のチーズの帽子をかぶったおじさんが人気のチーズおじさん

    モリスダンスを踊るおじさん達。右のチーズの帽子をかぶったおじさんが人気のチーズおじさん

    人気のチーズの帽子を被ったチーズおじさんも「お元気そうでなにより」とみんなに話しかけられています。在英期間が長い私も、モリスダンスはこのチャールブリーに越してきて、初めて見ることが出来ました。

    とにかくみんな楽しそうに踊っているので、見ている私たちも、楽しくなります。村のまんなかには、小さな遊園地があったり、地元の消防局員も子どもたちにホースでの水かけを実演していたり、クラシックカーが飾られていたりと、充実の内容です。

    画像: 消防車からの放水体験の様子

    消防車からの放水体験の様子

    画像: クラシックカーを見学中の親子。若いお父さんの方が、興味がありそう

    クラシックカーを見学中の親子。若いお父さんの方が、興味がありそう

    夫と私もパブでビールを買い、ビール片手にお祭りの中をぶらぶら。ご近所さんに会ったら、少し立ち話しをしたり、そうしたりしているうちに、夕方となり、家に戻りました。

    夕飯を終え、ゆっくりしていたら、お隣のマットさんから、夜、アイルランドのブルースバンドがメインストリートで演奏するよとメッセージが届きました。これは、楽しそうなので、ワイングラスを片手に、野外ライブに繰り出しました。

    日中と違い、子どもたちは少なく、もうすぐ満月のきれいな月夜の下で、大人たちはビールやワインを飲みながら、演奏を楽しんでいます。踊っている人もいたり、カップルで優雅に踊っていたり。

    画像: もうすぐ満月の月夜の下で野外ライブ

    もうすぐ満月の月夜の下で野外ライブ

    一昨年から厳しいロックダウンを何回も経験し、緩和されても、たくさんの行事が中止となり、そして、昨年の年始から、また、厳しいロックダウンが始まり、お店、カフェ、レストランなどのほとんどのお店が閉まり、人との接触も制限されました。

    でも、この経験があるから、こうやって、お祭りやライブ、友達とビールやワイン、食事を楽しむことのありがたさ、幸せを改めて感じたお祭りでした。

    夫とお隣のマットさんは、来年の卵投げ大会に挑戦するようです。練習はもちろん、卵じゃなくて小さなボール。いまから、楽しみがひとつ増えました。

    <撮影・文/コヅエ ガーナー>

    コヅエ・ガーナー
    神戸市出身。イギリス・コッツウォルズ在住。ソフトファニシング・インテリア、風水インテリアデザイナー。2008年からMistyInteriorをスタートし、ロンドンを中心に活動している。



    This article is a sponsored article by
    ''.