(『天然生活』2021年3月号掲載)
環境 地域を通じてつながる活動
京都に暮らし始めて11年。地域猫のためにできることを考えるように。町を汚さないよう自宅の庭で排泄のお世話をしたり、不妊手術をして桜耳にしたりと、地域から排除することなく共生できる方法を模索しています。
東京でデザイナーをしていた18年前に新宿・歌舞伎町のペットショップで出会ったヒマラヤンのアキちゃん。劣悪な飼育環境のなかでおびえる姿にショックを受け、必死でお金をかき集めて引き取ったそう。
ナデルの立ち上げ、京都への移住と、ヨナさんの人生にいつも寄り添ってきました。
彼女と出会って猫という種そのものを深く愛するようになり、ペットビジネスが抱える負の側面や、地域猫を取り巻く過酷な環境など、さまざまな問題に目が向くように。
「私の住む町内でも猫を一掃しようという動きがあったのですが、うちの庭で排泄物を処理して、責任をもちますとご近所を回りました。人間の都合で不妊手術をするのだから、せめて命の最期まで見届けたいと思ったんです」
人と猫が与え合って一緒に生きる世界を
最近では「高齢や病気、虐待などで心身ともに弱った猫や犬たちが、安心して暮らせるシェルターをつくりたい」と考えるようになり、少しずつ動き始めているそう。
猫たちのために勇気をもって行動することで、彼らの愛らしさや、生きる姿から逆に元気をもらえるというヨナさん。
そこには、人と猫が互いに与え合う、目には見えない循環のかたちがありました。
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天然生活 ONLINE SHOP
https://shop.tennenseikatsu.jp/
〈撮影/ヨシダダイスケ 構成/鈴木理恵(TRYOUT) 取材・文/野崎 泉〉
北村ヨナ(きたむら・よな)
プレタポルテのデザイナーを経て、2008年よりオーガニックコットンを主軸とするブランド「ナデル」主宰。日常着のほか、ウェディングラインも手がける。翌年に夫の故郷の京都に移住し、京都市役所前駅近く河原町通りに直営ショップをオープン。大阪の「阪急うめだ本店」にもショップがある。
https://www.nadell.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです