落ち着く仕事場を探し、行き着いた先は
原稿のしめきりが迫ってる。
今までは、お気に入りの喫茶店にパソコンを持って行ってケーキ食べながらポチポチやっていたけど、最近は時間制限が設けられていて気になって落ち着かない。(筆が進まない)
自宅で書く時間もいいんだけど、電話が鳴ったり宅配が届いたり、掃除したくなっちゃったり、つぶ(愛犬)をなでなでしたくなっちゃったり、晩御飯の買い出しに行ったり作ったり家事が気になる。
で、原稿書かなくっちゃーと気持ちが追い詰められてきたので、家事から逃げることにしました。
どうせお籠りするなら以前から泊まってみたかったホテルに籠りたい。
だって、わたしのモットーは “何事もどうせやるなら楽しもう” ですからねっ。
仕事ができるホテルの条件
泊まってみたいホテルリストから今回は、①部屋が明るいか②パソコンが置ける大きなデスクがあるか(ローテーブルはダメ)の条件にぴったりだった“山の上ホテル” に宿泊しました。
もうね、これが大正解だったの!
数多くの文豪に愛されたホテル、大変おこがましいですが、その理由がよーくわかる気がしました。きらびやかではないけれどそこがいい。
クラシックホテルの趣と落ち着いたしつらえと、温かく行き届いたサービス。部屋には真紅の薔薇が一輪。
トイレの便座はひやっと冷たい、でもここはそれでいいの。全34部屋のホテル。
わたしが泊まった部屋のデスクは窓に面して配置されていて早朝から日が落ちるギリギリまで明るい。
そして感動したのがそのデスクのサイズもだけど、足置きのさりげないけど的確な角度。これ、気付く人少ないんじゃないかしら?
仕事も食事もご褒美もここで完結
おなかが空いたら地下1階のコーヒーパーラーヒルトップに行きましょう。
ランチタイム、おやつタイム、早めのディナーをこちらでいただきました。
1階に美味しい天ぷら屋さんもありますが、そんな大御馳走を食べたら「何しに来たん?」っていう気分になっちゃいそうだから今回はぐっとがまん。
でも、一日がんばったご褒美はやっぱり必要ですよね、っとそんな気分のときは、ぜひ1階のバーノンノンでカクテルを1杯いかがかしら。
ホテルのバーでは、けっして深酒はしてはいけませぬ。
お部屋に戻って湯船にゆっくり浸かって(わたしはホテルに泊まる時クナイプのバスソルトを持参します)、明日の “執筆”に備えて早めに就寝。
翌日も、一歩もホテルから出ず筆もすすむくんでした。こんなカンヅメならいつでもー!
こころよくカンヅメに行かせてくれた家族にも感謝です。帰宅したら泥棒が入ったの? って感じだったけどそこは文句言わずに……ね。
やっぱり楽しみはみつけるものです。
読んでくださってありがとー!
桜井かおり(さくらい・かおり)
文筆家。大手損害保険会社のOLを経て、東京・代官山「クリスマスカンパニー」にアルバイトとして勤務。その後、系列店のテディベア専門店「CUDDLYBROWN」で店長を務める。2001年3月、東京・松陰神社前で「カフェロッタ」をオープン。心のこもった接客に、全国からお客様が足を運び、お客様から相談やお手紙をもらうことも多かったそう。「カフェロッタ」は2021年9月末に建物老朽化のため、惜しまれつつ閉店。いまは、文筆業や、買い付けなどを行う。初の著書『カフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)が好評発売中。
インスタグラム:@kaorilotta