(『天然生活』2019年10月号掲載)
山本祐布子さんの心がけ1
うれしいスイッチをつくる
自分の「うれしい」を知っておくと、家仕事はグンと楽しくなります。日常のそこここにスイッチをつくって気持ちを盛り立てて。
満たす楽しみをつくる
インスタントコーヒーに棒付きのキャンディー、ドライハーブ、封を切ったクッキー、茶葉、調味料、重曹や洗剤。
好きなびんいっぱいに満たすことで気持ちまで満たされ、それを少しずつ使うことも楽しみに。
朝起きたらピアスをする
毎日必ずピアス、が習慣。外出するから、人に会うからではなく、その日の自分のために選び、身に着けることで、気持ちを高められるから。
「耳元で揺れるのを鏡で見るたびうれしくなります」
週に1度は図書館に
娘たちのうれしいスイッチに応えることも、母としての喜び。
8歳と6歳の姉妹は本が大好きで、迎えの車に図書館用の大きなバッグを見つけるといつも大騒ぎ。週に1度のペースで通っている。
使うたびにさっと拭く
化粧品のボトルなど、そのまま置いて使っているものは、使うたびにさっと拭いておくとほこりがたまらずすっきり。
10秒もかからないこのひと手間が、次に使うときの心地よさにつながる。
山本祐布子さんの心がけ2
事の終わりを明確にする
仕事に家事に子どもの世話。終わらないと嘆くより「ここまで終わった」と明確に区切ることで、気持ちにメリハリが生まれます。
同時進行しない
複数のタスクの同時進行はせず、ひとつずつ。
ひとつの案件が終わると、まずはデスクをブラシで掃除。使った資料や道具と一緒に気持ちもニュートラルに戻すことで、気分一新、すっきりと新しい仕事に取り組める。
達成のハードルを下げる
すき間時間でできる家仕事はすっきり効果大。
5分あったら、ハーブティーに貼るシールをハサミでカット。10枚切れたという「小さな終わり」をつくることで、達成感を得やすくなる。
決まった時間におやつをする
子どもたちが帰宅して家族がそろうと、待ち遠しいおやつの時間。
どんなに忙しい日でも「ここだけは休む」と決めて、心も体もしっかり休息を。大きなマグにコーヒーをたっぷり。
優先順位を変えない
日々のスケジュールは項目ごとに資料をまとめてデスクの右隅に。
決まったものからひとつずつ、決めた優先順位を変えずに進めることで、進行中の事案に集中することができる。
山本祐布子さんの心がけ3
自分を助ける“ちょっとだけ”
すっきりとした気持ちでいるためにできることは、何をおいても「準備」。昨日の私の小さな行動が、今日の私を助けてくれます。
洗濯をしながら英語のスピーチを聞く
起床後、家族が起きてくる前に、まずは洗濯。
洗濯物を干しながら聞くのは、世界が注目する優れたアイデアのプレゼンテーション「TED」。「聞き続けていると、時折英語がわかる瞬間がある」のが醍醐味。
子どもには具体的に伝える
ただ「片づけなさい」では、子どもは何から手をつけていいのかわからないことも。
10のうち5までは大人がお手伝い。本を束ねておき「部屋に持って行って」と伝えるとスムーズに。
毎日花を摘む
ハーブティーをつくるために園内の花を摘む。
1度にたくさん摘むのは大変だから、毎日少しずつ。摘んだ花が少しずつたまって形になっていく過程は楽しく、気分が躍るもの。
洋服は夜のうちに決める
前夜に翌日着るものを決めておけば、朝は何も考えず身に着けるだけなので楽ちん。
天気予報を参考にして上下のコーディネートと靴下をそろえ、ベッドサイドに置いてから就寝。
山本祐布子さんが楽しむ家仕事
家電とともに
千葉県の大多喜町に住まいを移してから、大型の衣類乾燥機、ロボット掃除機、食器洗浄機を導入。
これまでは全然興味がなかった家電に家事のサポートを頼もうと思ったのは、限られた時間を有効に使うため。強力なパートナーを得て、気持ちの余裕も生まれたそう。
グラノーラづくり
朝食の定番・グラノーラをつくるのは大好きな家仕事のひとつ。
ひとり暮らしのときからつくり始めて、かれこれ年。家族の好みに合わせて、オートミールとたっぷりのミックスナッツを組み合わせてつくるのが最近の定番で、カリッとした食感がお気に入り。
〈撮影/馬場わかな 取材・文/片田理恵〉
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山本祐布子(やまもと・ゆうこ)
1977年生まれ。イラストレーター。千葉県大多喜町にあるmitosaya薬草園蒸留所代表。2児の母。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです