• 15歳の女の子と9歳の男の子の子育てに日々奮闘している、手づくり暮らし研究家の美濃羽まゆみさん。子ども服収納の3つのルールを教えていただきました。片付くポイントは「取り出しやすさ」のようです。
    (『子どもの「好き」から始まる心地よい暮らし』より)

    取り出しやすさは、片付けやすさ

    子どもの普段着の収納について工夫していたことをお話ししていきます。

    片付けについては期待しないことにしていたので、目指したのはあくまでも「取り出しやすさ」です。でも、取り出しやすさは「片付けやすさ」でもあるんです。

    子どもがまだ幼かったり、発達段階でまだ片付けられるスキルがなかったとしても、大人が家事をしやすいのは大きなメリット。親子が一目で分かる収納になっていることで、家事シェアや片付けへのハードルもぐっと下がります。

    そんな「自分でできる」の積み重ねが、いずれ子どもの自立へとつながっていくのかもしれません。

    子ども服収納、わが家のルール

    子ども服収納、わが家のルールは3つだけ。

    1.片手で取れる
    2.子ども目線で収納する
    3.目いっぱい詰め込まない

    どういうことか具体的に説明していきますね。

    1.片手で取れる

    大人だって必要なものを取り出すとき「引き出しをあけて、また閉めて…」と何個もアクションがあると途端におっくうになるもの。

    そこで、アウターとワンピース、トップスは洗濯後干したままハンガーで吊るし、肌着やボトムは透明な衣装ケースに。

    その際は畳んで上に重ねず、片手で取れるように「わ」を上にして立てて収納。専用のグッズも売っていますが、身の回りにあるもので手軽にできる方が無理なく続きます。

    画像: 重ねてしまうと下にあるものが取り出しづらいので、Tシャツはこのように立てて収納。ブックエンドがあれば、容量いっぱいでなくてもきれいに立てられます

    重ねてしまうと下にあるものが取り出しづらいので、Tシャツはこのように立てて収納。ブックエンドがあれば、容量いっぱいでなくてもきれいに立てられます

    わが家では底にカーペット用滑り止めをひいたり、100円ショップのブックエンドを使っていました。ケースにはそれぞれに家族の似顔絵と中身をあらわすイラストを書いているので、幼い息子もそこから選んで自分で着替えができていました。

    画像: 子ども服の収納ケースには、イラストを描いておくと分かりやすく、喜んでくれます。全体的に収納が少ないわが家ですが、なるべく詰め込まないようにして、その分、こまめに不用なものを整理することを心がけます

    子ども服の収納ケースには、イラストを描いておくと分かりやすく、喜んでくれます。全体的に収納が少ないわが家ですが、なるべく詰め込まないようにして、その分、こまめに不用なものを整理することを心がけます

    下着はたたまずにざっくり引き出しやかごに収納。靴下は本人にこだわりがなければ同じものを何セットかそろえてみては。左右気にせずしまえて、使うときもストレスがなく楽ちんです。

    画像: 下着などはたたまずに引き出しにポンと入れるだけ。ぎゅうぎゅうに詰め込まなければ、しわも気にならず、 何が入っているかも一目瞭然で取り出しやすい

    下着などはたたまずに引き出しにポンと入れるだけ。ぎゅうぎゅうに詰め込まなければ、しわも気にならず、
    何が入っているかも一目瞭然で取り出しやすい

    2.子ども目線で収納する

    保育園でのフィールドワークで学んだことですが、取り出しやすさ、片付けやすさのためには「高さ」が重要。どうしても大人目線で手に取りやすい場所にしがちですが、とくにハンガー収納は「子ども目線」のほどよい高さで。

    未就学児なら大人の腰ほど、小学生なら大人の胸ほどを目安に、子どもが屈んだりつま先立ちをしなくても手に取れるぐらいの高さにします。わが家では押入れのつっぱりポールを2段のものにしたり、ヨート(吊り金具)&流木を使って子どもの手に届きやすい高さに工夫していました。

    画像: 近所で拾ってきた木の枝をポールにして、身近な紐と吊り金具で洋服掛けを自作。紐の長さや金具をつける位 置で高さを調節できます

    近所で拾ってきた木の枝をポールにして、身近な紐と吊り金具で洋服掛けを自作。紐の長さや金具をつける位
    置で高さを調節できます

    リビング、寝室、浴室など収納場所についても決めつけず、「どこなら便利だろう?」と親子で話し合って決めると、意外な解決法が見つかるかもしれません。

    3.目いっぱい詰め込まない

    子ども服にかぎらずあらゆる収納で目指していることですが、ゆとりがなくぎゅうぎゅうに詰め込むとその状態に慣れてしまう上、探し物に時間がかかります。

    なので容量は2〜3割ほどゆとりを残しておくように。お子さんの暮らしに合わせてあらかじめワンシーズンに買う量を決めておくのもよいかもしれません。

    とくにボックスや引き出し収納は気を付けてくださいね。

    わが家ではアイテムによっては半分以下しか入っていない箇所もありますが、まだ入るからと違う用途のアイテムを交ぜてしまうととたんにややこしくなってしまうのでおすすめしません(経験済み)。

    子どもが探しづらいな、大人がしまいづらいなと感じたら見直し時。いったん全て出して要不要を見極めます。

    難があって着られないもの、サイズアウトしたものが奥から出てくることがほとんどなので、その時点で処分を検討します。

    本記事は『子どもの「好き」から始まる心地よい暮らし』(大和書房)からの抜粋です

    <撮影/辻本しんこ>


    美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)

    1980年京都府生まれ。手づくり暮らし研究家、洋裁作家。築100年の京都の町家で、夫と長女、長男の4人+愛猫2匹と暮らす。既製服が合わない娘のために洋服づくりを始め、2008年からFU-KO Basics.を主宰。年3回の受注会でオーダーを受け、信頼するスタッフと共に1枚1枚手づくりする。2017年より「手づくり暮らし研究家」としての活動をスタート。SNSで発信するほか、書籍等でもそのアイデアや心地よい暮らし方を提案している。また、長男の不登校をきっかけに、2021年5月、京都市内にフリースクール「くらら庵」を共同で立ち上げる。

    インスタグラム:@minowa_mayumi

    ブログ:https://fukohm.exblog.jp/

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