• 東京・松陰神社前にあったカフェ「カフェロッタ」は、2021年9月、20年の歴史に幕を閉じました。店主の桜井かおりさんは、どんなときでも“楽しみ”を見つけるのが得意です。さて、今日はどんな“楽しみ”が見つかるでしょうか。今回は50代後半で変わった服選びの基準と、「PINK」に目覚めたお話

    年齢を重ねて変わった服選びの基準

    年齢を重ねると(歳を取ると、という言い方は楽しくないから使いません)身に付けるものの素材って重要ポイントだなぁってよく思います。

    デザインや形ももっちろん大切だけれど素材はもっと大切なんじゃないかな。どういうことかというとね、いい素材の服(下着も)は気分も見た目も上に引き上げてくれるのです。

    昔から大好きなリネン素材の服を例にとると、リネンには厚さや質感がいろいろあるでしょ。

    洗いを重ねても形がしっかり戻る上質のリネンと洗うたび『クタッ』と柔らかくなっていく薄手のリネン。そのクタッがくせものなのです。

    「着なくなったらパジャマにすればいいね」という素材はもう選ばない方がいい。理由は、下へもって行かれちゃうから。気分も、せっかく手に入れた大人の女性の『品』も。

    自分を上げてくれる服を選ぶ

    画像: ARTS&SCIENCEのカシミア100%のロングワンピース。息子の「似合う!それは買った方がいいよ〜」の一言で、母は清水の舞台から飛び降りました

    ARTS&SCIENCEのカシミア100%のロングワンピース。息子の「似合う!それは買った方がいいよ〜」の一言で、母は清水の舞台から飛び降りました

    冬に私が気に入ってよく着ていたカシミアのシンプルなデザインのワンピース。暖かい上に肌触りもよくてついつい手にとっちゃうワンピース。

    購入価格はカシミアなので安くはありませんでしたが着て友人と食事に行くと何人からも「ちょっと触っていい?」「どこのワンピース」と聞かれました。

    そのたびに「やっぱカシミアなんだね。ひと目でいい素材なのはわかったよー」と言われました。そう! このワンピースがわたしをも引き上げてくれたのです。

    だからその逆は損損。

    急に気になり始めたPINK(ピンク)の服

    素材もですが色選びも重要ポイント。ついつい選んでいたナチュラルなリネン色(表現がむずかしい)も最近は選びません。あんなに大好きだったのにな。

    画像: こんなパッとした『PINK』は人生初トライ。着ているとすごく褒められてうれしくなっちゃう

    こんなパッとした『PINK』は人生初トライ。着ているとすごく褒められてうれしくなっちゃう

    逆に、若いころは似合わないからと避けていた『PINK』……あれれ? 惹かれる。

    最近、友人雅姫さんのブランド『ハグオーワー』のインスタライブでピンクを着用したのがきっかけ。

    マダムがピンクを着るのって素敵だし、顔映りもよく元気に見えるし何よりテンションがあがります。そう! 上に引っ張ってくれるのです。

    夫がなんと思おうと、息子がなんと言おうと、この春から夏にむかって私は『PINK』を楽しみたいわ。

    画像: 早くこのブラウス一枚で歩きたいな

    早くこのブラウス一枚で歩きたいな

    そうよ、楽しみはみつけるものです。重ねてきた年齢を存分に楽しまなくっちゃね。

    読んでくださってありがとー!



    画像: 急に気になり始めたPINK(ピンク)の服

    桜井かおり(さくらい・かおり)

    文筆家。大手損害保険会社のOLを経て、東京・代官山「クリスマスカンパニー」にアルバイトとして勤務。その後、系列店のテディベア専門店「CUDDLYBROWN」で店長を務める。2001年3月、東京・松陰神社前で「カフェロッタ」をオープン。心のこもった接客に、全国からお客様が足を運び、お客様から相談やお手紙をもらうことも多かったそう。「カフェロッタ」は2021年9月末に建物老朽化のため、惜しまれつつ閉店。いまは、文筆業や、買い付けなどを行う。著書に『カフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)、『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(旭屋出版)がある。

    インスタグラム:@kaorilotta

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    『愛してやまないカフェロッタのことと、わたしのこと』(桜井かおり・著/旭屋出版)|amazon.co.jp

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