*上の写真のスニーカーはすべて、スタイリスト私物
Q. 白スニーカーの入れ替えのタイミングがわかりません。
最近、お客さまから質問が多いのが、スニーカーの入れ替えのタイミングについて。
白スニーカーの入れ替えのタイミングについて聞かれる事が多くなっています。
どのくらい汚れたら、どのくらいくたびれたら、お別れするべきなのでしょうか。
A. 気になり始めたら、まずは、役割分担させるのがおすすめです。
どうしても汚れが目立つ白のスニーカーですが、少し汚れるくらいはなんの問題もありません。
汚れるものなのです、白いスニーカーは。
素材によっても、判断基準は変わってきますが、全体的に、白の色味が違ってきた気がしたとき、色が曇ってきたとき、少し気にしはじめてもいいかもしれません。
だからといって、すぐにお別れではなく、もちろん、まずはお手入れをしてあげましょう。
ちなみに私は、レザーにも使える洗い流さなくていい泡のシャンプーでお手入れしていますが、プロの腕を頼りにし、クリーニングに出すのもいいですよね。
ただ、見た目がきれいになったとしても、一度洗うと、くたっとした感じが出て、どうしても様子が変わってしまうように思います。
ちなみに、この下の写真、左が2年履きつづけ、何度か洗ったスニーカー。
右が、まだ一度も洗っていない、3カ月ほど履きつづけているスニーカーです。
写真で見ると少し分かりづらいのですが、全体的に色がくすんで、スウェード部分はとくに色が曇ってしまっています。
ちなみに、スニーカーの捨てどきを相談される時点で、そのスニーカーは、まだ、お別れするべきタイミングではないと思うのです。
あからさまにもうアウトなのであれば、相談する事なく別れを決め、次のアイテムを導入しているはず。
悩むということは捨てたくないし、まだ履きたいと思っているということ。
ならば気の済むまでとことん履いてあげたいところです。
写真の左のスニーカーが、ちょうどその状態。
まだ捨てるほどではない。
とはいえ、元を知っているだけに、ふだん履くには、ちょっと抵抗があるのです。
なので、私は、その状態の時に新しいものを導入し、2足を履き分けています。
もちろん、同じものではなく、同じ役割を担ってくれる違う白スニーカーでもOK。
履きつづけたスニーカーは、雨のときや、キャンプのときなど、汚れてしまう可能性が高いシーンに。
新しいスニーカーは、お出掛けのときや、靴を脱ぐことがあり、スニーカー自体が目立ってしまうようなときなどに。
お別れではなく、ひとまず別の部署に移動してもらいましょう。
そうしているうちに、自然と、履きつづけているスニーカーのお別れどきが見えてくるはずです。
雨の日でも、白スニーカーを履きたい日はあるものです。
そんな時心置きなく履くことができます。
同じ色、白いボトムスのときは、とくにスニーカーの汚れ具合が目立ってしまいます。
そんなときは、しっかり白いスニーカーを。
実はこれ、洋服にも言えること。
すぐに捨てることに抵抗があるアイテムは、部屋着やご近所着などに。
そうしているうちに、自然に心置きなくお別れできる日がやってきます。
来月もお楽しみに!
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「おしゃれのABC」とは……
ちょっとしたコツで、ぐっとおしゃれに。
スタイリスト・植村美智子が、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。
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<スタイリング/植村美智子 撮影/山川修一>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
https://liltin.com/
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