(『ヤッホー! 60歳』より)
おしゃれで「人生、変わった!」
おしゃれを始めたのは50代から。もともとはおしゃれに悩む普通の主婦でした。
毎日のようにコーディネートを自撮りして、アップしていたブログが編集者の方の目に留まり、雑誌に出たり、本を出したり、ブランドとコラボレーションして服をつくったり。トークショーやサイン会までさせていただきました。嘘みたいな本当の話です。
40代のころより60代の今のほうが、見た目も心も間違いなく若い。若さをキープするには、おしゃれは特効薬だと思います。
似合わないという思い込みをやめる
私がショートヘアにしたのは54歳のとき。
若いころからずっと憧れていましたが、「美人じゃないと似合わないよね」「おばさんぽくなるかもしれない」と不安で、なかなか思いきれませんでした。
実際に切ったら顔まわりがすっきりして、いつもと同じ服がおしゃれに見える。もしかすると「おしゃれになりたい」と思ったら、服を買うより髪型を変えるほうが手っ取り早いかもしれません。まわりの人たちにも「似合うね」「若々しくなった」と大好評でした。ショートヘアマジックですね(笑)。
服も、以前は太めのパンツは「おしゃれすぎて似合わない」「おしゃれな人がはくもの」と思い込んで、着るのに躊躇していました。思いきってはいてみると、普段は辛口の娘が「かわいい、似合ってる!」と言ってくれて、勇気がわきました。
あのまま躊躇していたら、今もおしゃれの楽しさを知らないままだったかもしれません。それから太めのパンツをいろいろ試して、より自分に似合うものを見つけることができました。
勝手な思い込みや決めつけで自分の世界を狭めてしまうのは、もったいないと思います。
とはいえ、昨年、スポーツ自転車に乗りたいと思ったときも少し気後れしました。「60歳でスポーツ自転車を始めて大丈夫かな」「おばさんには似合わないよね」という気持ちがどこかにあって。
でも、年だから似合わないとは限らない。好きなものややりたいことなら似合うための努力をするから、きっと似合うようになっていくはず。
この先も思い込みをやめて、自分の世界を大きく広げていきたいです。
※ 本記事は『今日より明日がもっと楽しい ヤッホー! 60歳』(扶桑社)からの抜粋です
〈撮影/砂原 文、山田耕司 構成・文/増田綾子〉
金子敦子(かねこ・あつこ)
1962年、北海道生まれ。夫と娘の3人暮らし。司会業などさまざまな仕事を経て、38歳で看護師を目指して看護学校へ入学し資格取得。50歳を過ぎてから日々の着こなしを紹介するブログ『命短し恋せよ乙女★ 50代の毎日コーデ』を始め、あっこたんの愛称で親しまれる人気ブロガーに。
現在はInstagramで暮らしやファッションについて発信する。著書に『新大人の普段着』シリーズ(主婦と生活社刊)、『あっこたんの毎日が楽しくなる50~60代の手作り服』(ブティック社刊)など。
Instagram:@55akotan
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50代から始めたファッションブログを始め、現在はインスタグラム(@55akotan)や雑誌、著書で等身大のコーディネートを発信する金子敦子さん。60歳を迎え、「今が一番楽しい!」と語る金子さんに、暮らしや食、健康、前向きに過ごすために心がけている習慣を教わりました。
60歳になったら、やりたいことは「いつかやろう」ではなく「今やる」! 新しく始めた自転車で、身軽な暮らしはますます加速中。52㎡のコンパクトなマンションで、夫、20代の娘と3人で暮らすなかで鍛えられた持ち物のミニマム化の工夫には、これからの暮らしに役立つヒントがたくさん。
今日より明日がもっと楽しい! そんな軽やかな気持ちで人生のセカンドステージを“あっこたん”と冒険しましょう。