(『天然生活』2022年3月号掲載)
身体にやさしい、いちごのおやつ
長野県・安曇野の山の中に立つリトリート宿泊施設「穂高養生園」で働く鈴木愛さん。休息といやしを求めて訪れる方に向けて、動物性タンパク質を使わずに、体にやさしい料理やお菓子をつくられています。そんな鈴木さんに、できるだけ体に負担の少ない素材を使った、春を感じるおやつのつくり方を教えていただきました。
春といえば、いちご。「いちごの色は、見るだけで元気がわいてきます」と鈴木さん。
いちごにレモンを合わせるのも相性がよいのだそう。柑橘類にはハーブやスパイスを合わせて。レモンと白味噌のクラッカーはレモンの酸味と黒こしょうの辛味が後を引きます。
「パリッとした食感に仕上げたいので、生地を1〜2mm厚さに薄くのばすのがポイントです」。白味噌がチーズのような風味で、おつまみにも最適。
心躍る「春を迎えるおやつ」を、ぜひ楽しんでください。
いちごとレモンのビスケットのつくり方
いちごのスライスがのった、かわいらしいビスケットは、低温でじっくりと焼くのが色よく仕上げるコツです。
材料(直径5cmの丸型約10枚分)
● A | |
・ 薄力粉 | 70g |
・ 全粒粉 | 30g |
・ ベーキングパウダー | 小さじ1/4(1g) |
・ 塩 | ひとつまみ |
● B | |
・ 豆乳 | 25mL |
・ てんさい糖 | 20g |
・ 植物油 | 25g |
● いちご | 2~3粒 |
● レモンの皮(みじん切りにする) | 1/4個分 |
下準備
・オーブンを150℃に温めておく。
・天板にオーブンシートを敷いておく。
つくり方
1 いちごは2mm厚さにスライスして、キッチンペーパーにはさんで水けをとる。ボウルにAを入れて泡立て器でよく混ぜ合わせる。別のボウルにBを入れて、よく混ぜて乳化させる。
2 AにBとレモンの皮を入れて、こねないようにゴムべらで生地をひとまとめにする。
3 台の上にラップを敷き3の生地をのせて、上からラップをかけて麺棒で5~6mm厚さにのばして型で抜き、オーブンシートを敷いた天板に並べる。型抜きした生地の上にのいちごを好きなように並べる(焼いていると生地といちごが自然となじむので、押し込まなくてよい)。
4 150℃のオーブンで25~30分焼き、天板の上で冷ます。
体にやさしいポイント
てんさい糖のやさしい甘味に、オーブンで焼いて濃縮したいちごの甘酸っぱさが合います。シンプルな素材のおいしさを味わって。
レモンと白味噌のクラッカーのつくり方
白味噌がチーズのような風味に。黒こしょうとレモンの酸味で、食べる手が止まらない、くせになる味です。
材料(天板約1枚分)
● 薄力粉 | 45g |
● 片栗粉 | 5g |
● 塩 | ひとつまみ |
● 植物油 | 10g |
● A | |
・ 白味噌 | 10g |
・ 水 | 小さじ1と1/2 |
● レモンの皮(すりおろす) | 1/4個分 |
● 塩 | 適量 |
● 黒こしょう | 少々 |
下準備
・オーブンを150℃に温めておく。
・白味噌と水をよく混ぜ合わせておく。
つくり方
1 ボウルに薄力粉と片栗粉、塩を入れて泡立て器でよく混ぜ合わせ、植物油を入れる。手ですり合わせるようにしてそぼろ状に混ぜ合わせ、レモンの皮を入れてゴムベラでさっと合わせる。
2 1のボウルにAを入れて、こねないようにゴムべらで全体をひとまとめにする。
3 オーブンシートの上に2の生地をのせてラップをかけ、その上から麺棒で1~2mm厚さに薄くのばす。薄くなったらラップをはずし、包丁で好みの大きさに切り目を入れ、上から塩、黒こしょう、レモンの皮のすりおろし(分量外)を全体にふる。
4 3の生地をオーブンシートごと天板にのせて、150℃のオーブンで25~30分焼く。表面がカリッとしたらオーブンから取り出して、天板ごと冷ます。
体にやさしいポイント
白味噌を使うことで、やさしいうま味とコクが生まれます。焼くと、白味噌の発酵の風味がチーズのような味わいに。
〈料理/鈴木 愛 撮影/川村 隆 スタイリング/荻野玲子〉
鈴木愛(すずき・あい)
1980年生まれ。東京都出身。自然食のレストランや和食店で調理を学び、2010年から穂高養生園勤務。著書に『なんとなく不調をととのえるスープ』『穂高養生園が考える やさしいおやつ』(ともに世界文化社)。
穂高養生園:https://yojoen.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです