私が一番頼りにしている白T
カジュアル派の着こなしとして、こだわっていきたいのが、衿元のレイヤード。
お客さまが、やってみたかった! とおっしゃることが多いのが、首元から白のTシャツをのぞかせるスタイルです。
首元から白のインナーをのぞかせ、効かせることで、ちゃんと気を使ってつくられている、大人のカジュアルスタイルができ上がります。
今回、クルーネック、丸首のトップスで考えていきます。
いま、私が一番頼りにしているのが、ネックがしっかり詰まったこのTシャツ。
詰まり気味のクルーネックトップスを重ねても、しっかりのぞいて存在感を示してくれます。
詰まった衿元のニットからもスウェットからも、ちょうどよくのぞいてくれています。
理想はリブのみがのぞく関係
じゃあ、首の詰まったこのTシャツさえあれば、どんな丸首のトップスでも大丈夫かというとそうでもないんです。
たとえば、少し、ネックの開きが大きいニットに同じTシャツを着せると、こんな感じに。
ネックのリブだけではなく、身頃の部分ものぞいてしまい、おかしなバランスに。
ニットのネックラインのやわらかさが台無しになってしまっています。
もう少し、あきの大きい白Tをインしてみます。
リブの部分のみがのぞき、ちょうどいいバランスです。
そう、理想的なのは、リブのみがのぞく関係。
このちょっとした気遣い、こだわりで、おしゃれの印象は大きく変わってくるのです。
ちょうどいいTシャツがないときは
とはいえ、ちょうどいいバランスでのぞいてくれるTシャツがない! ということは、きっと発生してしまいますよね。
そんなときに便利なのは、タートルやハイネック、モックネックなど、衿の高さがあるカットソーです。
クルーネックと呼んでいいのか微妙なところの、横に広く開いた衿元のニットに、Tシャツを合わせてみます。
身頃の部分もしっかりのぞき、やはり、少しおかしなことになってしまいました。
タートルをインしてみます。
少し多めにのぞいてしまっても、それがちゃんと計算に見えるので問題なしですね。
そのうえ、いまどき感もプラスされました。
ちなみに、私自身も、衿元から白をのぞかせる着こなしが大好き。
雰囲気のいい衿元の白Tを見かけると、買わずにはいられません。
私のなかでは、いざ探すと見つからないと思っているのが、「バッグ」と「白T」。
気になるものがあれば、購入しておくことをおすすめします。
次回は、黒のブーツに合わせるバッグにこだわります。
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「おしゃれのABC」とは……
ちょっとしたコツで、ぐっとおしゃれに。
スタイリスト・植村美智子が、約25年の仕事を通して培ったコーディネートの経験とファッションの知識を生かし、季節ごとに陥りがちな、おしゃれの悩みを解決します。
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<スタイリング/植村美智子 撮影/山川修一>
植村 美智子(うえむら・みちこ)
大阪府吹田市出身。文化服装学院アパレルデザイン学科卒業。アシスタント経験後、1996年にスタイリストとして独立。雑誌、広告、タレントのスタイリングなどで幅広く活躍。2010年、ファッションコーディネートサービス「Liltin'(リルティン)」を立ち上げ、個人向けのコーディネートを開始する。ひとりひとりとじっくり向き合うことを大切にし、ファッションを楽しんでもらえることを目指したパーソナルスタイリングが人気を呼ぶ。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、電子書籍『「今の自分」に似合う服』(扶桑社)などがある。
Liltin' ファッションコーディネートサービス
https://liltin.com/
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