二十四節気とは
太陽の動きを基にして、一年を二十四に分けて季節の移り変わりを表したもので、中国から日本に伝わりました。
もともとは農業のために季節感を正確に把握するために使われていたもの。
二十四節気を意識すると、季節をより身近に感じることができます。
<立春大吉>の「立春豆腐のあんかけ」
二月三日の節分がすぎると「立春」。
「立春」は二十四節気の始まりでもあり、春の始まりでもあります。
ここから立夏までの三ヶ月間が暦の上では春です。
お正月が過ぎてひと月あまり、人々も街も新しい年に慣れてきて、春が待ち遠しくなる季節です。
梅がほころび始め、スーパーの売り場でお豆や菜の花などの春の恵みに出会えるのもこの頃です。
立春にいただくと縁起が良いとされている白いお豆腐を使った温かい一品をご紹介します。
節分にいただくと厄除け、立春にいただくと福を呼び込むとされています。
お豆腐の真っ白さを生かしたお料理です。
植物性タンパク質の「豆腐」と動物性タンパク質の「鶏肉」が体を養います。
「菜の花」は解毒作用があり、「干ししいたけ」は気を補ってくれます。
「葛」は血行をよくして体のこわばりをほぐしてくれます。
お行儀よくもりつけするのもよし、ご飯の上にのせてお豆腐を崩しながらいただくのも美味しい。
「立春豆腐のあんかけ」のつくり方
材料(2人分)
● 絹ごし豆腐 | 1/2丁 |
● 鶏むね肉 | 100g |
● 干ししいたけ(生しいたけでも) | 2枚 |
● 菜の花 | 1/2束 |
● 葛粉(なければ片栗粉*) | 大さじ2ほど |
● しょうが汁 | 小さじ1 |
● だし | 200mL |
● 柚子の皮 | 適量 |
<A> | |
● 薄口しょうゆ | 小さじ1 |
● みりん | 小さじ1 |
● 塩 | 小さじ1/4 |
● しょうが汁 | 小さじ1/2 |
下準備
*葛粉は粉状にしておく。
*Aは合わせておく。
つくり方
1 干ししいたけはもどして軸を取って水けをしぼり、大きければ食べやすい大きさに切る。絹ごし豆腐は半分に切る。鶏肉はそぎ切りにして葛粉(または片栗粉)をまぶしておく。
2 鍋に湯を沸かして菜の花をさっとゆでて適当な長さに切る。同じ湯に酒(分量外)を少し加えて沸騰したら1の鶏肉を入れ、火がとおったら取り出す。
3 別の鍋にだし、葛粉大さじ1と1/2(または片栗粉大さじ1/2*)を入れて混ぜながら火にかける。透明感が出てきてとろみが出たら1の豆腐としいたけを入れてひと煮立ちさせ、Aを加えて味をととのえる。
4 器に温まった豆腐、鶏肉、しいたけ、菜の花を入れる。3のあんをかけて柚子の皮を添える。
立春の薬膳
春は五臓でいうところの<肝(かん)>という臓器に負担のかかる季節。
<肝>は血の貯蔵庫であり自律神経を司っています。
春にイライラしたり頭痛がしたり、落ち込んだり、不眠という不調が多いのはそのせい。
目のトラブルも多くなります。
まだまだ寒い時期ですので、温かい消化の良い食事をとるよう心がけて、気の流れをよくしたりデトックス効果のある、苦味のある春の食材を積極的にとるようにしましょう。
タンパク質も忘れずに。
荒木 典子(あらき・のりこ)
料理家。国際中医薬膳師。青果卸を営んでいた料理上手の祖母と、母の影響で食に関心のある環境で育つ。神戸女学院大学文学部を卒業してフランスへ留学し、帰国後調理師学校にて料理の基礎を学び、調理師免許を取得。その後、上京して料理本の編集者として働いたのち、2007年に料理家として独立。
現在は書籍やテレビの仕事を中心に、企業へのレシピ提供、料理店の監修などの仕事とともに、和食のお料理教室を主催。季節のていねいでシンプルな料理をモットーに、家庭でできる日本料理と洋食などレシピを提案する。また、おせち料理をライフワークとし、ほかにお雑煮の会を主催。著書に『いちばんくわしい 基本のおせち料理』『炊き込みごはん』(ともに成美堂出版)などがある。
インスタグラム:@aranoric
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