(『天然生活』2023年8月号掲載)
精油の香りで、掃除のときも心地よく
「精油って、マッサージやルームフレグランスだけでは使い切れないことありませんか? それで私は、掃除にも精油を使い始めたんです。掃除をしながらいい香りがするのは、メンタルにもいいと感じています」と話すのは、アロマセラピストの椙澤千咲さん。
とくに柑橘系の精油は、肌につけるとしたら半年ぐらいで使い切るのがベスト。一方で、柑橘系オイルには、油汚れを落とす効果のあるリモネンが含まれており、掃除利用に向いているといいます。
「レモンやオレンジなどの柑橘系の精油は値段も手頃だから、掃除にも惜しみなく使って回転させています。
もし、掃除が第一目的で精油を買うのなら、消臭、抗菌、殺菌効果の高いティートゥリーもおすすめです」
重曹やクエン酸スプレーを使って、ナチュラルクリーニング
アロマセラピストになってから、植物にも意識が向くようになったと話す椙澤さん。環境に負荷をかけないために、掃除にはナチュラルクリーニングを実践しています。
洗面所、浴室、キッチンの基本の掃除は、中性洗剤と同じような感覚で「重曹スプレー」を使用。
それぞれの場所に水あかが出たときや、トイレの汚れには、「クエン酸スプレー」が有効です。
「クエン酸スプレーは、つくってから時間がたつと効果が薄れるので、半カップ程度の少量をガラスのボトルにつくっています。ガラスは煮沸消毒ができるし、精油を入れても劣化しないので使いやすいです」
本来、精油を水に混ぜるときは、少量のアルコールで溶かしますが、重曹スプレーやクエン酸スプレーに香りとして加えるときには、椙澤さんはアルコールを入れないことも。その場合、使うたびによく振っているそうです。
間伐材や廃棄食材からつくられる、サステナブルな精油を取り入れて
「いま、私が積極的に取り入れたいのは、森の整備のために間引かれた間伐材や、廃棄されそうな果物から抽出している国産メーカーの『和精油』です。
使えば使うほどに、森や農家さんを守ることにつながると思うと、掃除のやりがいも増すような気がします」
〈撮影/わたなべよしこ 構成・文/宮下亜紀〉
椙澤千咲(すぎさわ・ちさき)
東京・中野区の自宅にて「リラクゼーションサロン ミチカケ」を運営。プライベートな空間でトリートメントを提供するほか、アロマテラピーにまつわるワークショップを開催している。
https://www.michikake-aroma.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです