• だれもが、「センスがある人はいいな」と思うことがあるのではないでしょうか。作家で写真家の有川真由美さんの著書 『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)の中から、ひとつのメソッドを紹介します。まずは、私だけの「センスのお手本」を見つけることから。「なんだかいい感じ」という新鮮な快感を得られたとしたら、それこそがセンスが磨かれているということなのです。

    私だけの「センスのお手本」を見つける

    センスを磨きたいなら「この人は本当にセンスがいいな」と思う人をお手本にするのが近道。

    すべてが参考にならなくても「このインテリアの色の組み合わせはいいな」「こんなコーディネートはおしゃれ」「こんな素敵な時間を過ごしたい」など、その人たちの“美意識”を集めて、自分だけの参考書をつくるのです

    私がお手本として尊敬するのが、昭和の脚本家、作家の向田邦子さん。文章もライフスタイルもセンスがいい。『手袋をさがす』というエッセイには、気に入った手袋が見つからずに、ひと冬を手袋なしで過ごしたことが書かれています。

    気に入らないものをはめるくらいなら、はめないほうが気持ちいい。惨めったらしく見えるのが嫌で、ポケットに手を入れずに颯爽と歩くという“美意識”です。

    「かごしま近代文学館」には、向田邦子さんが実際に使っていたソファや文具、食器など、気に入ったものばかりを一つひとつ集めた暮らしが再現されています。

    原稿執筆のときに身にまとうのは「勝負服」と呼ぶ、袖口がきゅっと絞られて、ゆったりしたデザインのシャツ。肌触りのいい生地で何枚も仕立てています。

    おしゃれで食いしん坊で、自分の目に適った「いいもの」が大好き。少々散らかっていても人を招き入れて、楽しそうに料理を振る舞う。

    私はそんな美意識だけでなく、仕事への熱量や、生活を楽しむ工夫など“精神性”をお手本にしたいのです。

    センスのいい友人からも、衣食住のノウハウを学びますが、いちばん刺激を受けるのはその心持ち。

    そんな人は、基本的に前向き。自分の「好き」に正直で、大胆な発想と繊細なこだわりがあって、それを実現するバイタリティもあります。

    「カッコいいな」「素敵だな」「真似したいな」とお手本にしたい人を心に置くだけで、選ぶものや、心持ちが変わってきます

    それは、折に触れて「あの人ならどうするだろう?」と自分の頭のなかにない視点が加わってくるからだと思うのです。

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    『センスいい人がしている80のこと』単行本|有川真由美 (著)”|amazon.co.jp

    『センスいい人がしている80のこと』単行本|有川真由美 (著)

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    不安定な時代に信じられるのは自分だけのセンス

    センスという、感覚的であり、つい惹かれてしまう言葉。いったいセンスってなんなのか……? 本書では50種類の仕事、約50カ国を旅してきたなかで著者が「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことから、センスについて考えていきます。日々の生活でマネすることのできること満載なので、1日1個からでも習慣にしてみてください。今までにない不安や悩みを抱えながらも、しあわせに生きていくために。これからの時代に必要になるのが、自分だけのセンスなのかもしれません。



    <イラスト/庄野紘子>

    有川真由美(ありかわ・まゆみ)
    作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。46カ国を旅し、旅エッセイも手がける。著書に『一緒にいると楽しい人、疲れる人』(PHP研究所)、『いつも機嫌がいい人の小さな習慣 仕事も人間関係もうまくいく88のヒント』(毎日新聞出版)、『「気にしない」女はすべてうまくいく』(秀和システム)など多数。



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