家の購入にかかるお金はチラシの額だけではありません
人生で最も高い買い物である「家」。
いったい自分はどれくらいの価格の家が買えるのか? それを知るには、まず家の購入にかかる費用を把握しておくことが必要です。
とくに注意したいのが、広告のチラシに書かれている毎月の住宅ローン返済額。
目を引くために安い金利の価格が書かれていることが多く、「月々9万円の返済なら、いまの家賃と変わらないし……。」と思うのは大間違い。
家の購入には、月々の住宅ローン返済額以外にも、さまざまな費用がかかることを知っておきましょう。
住宅ローンの返済以外に必要な費用
住宅ローン返済額以外で必要な費用として、「売買契約を結ぶときにかかる費用」と「住宅ローンを組むときにかかる費用」があります。
新築マンションで物件価格の約3〜5%、それ以外(中古マンション、中古戸建て、新築戸建てなど)で6〜13%が目安となります。
家を購入する前にこの費用を自己資金として用意できなければ、基本的には家の購入はできません。
① 売買契約を結ぶときにかかる費用
売買契約を結ぶ際には、「仲介手数料(物件価格の3.3%+6万6000円が上限)」、「売買契約書に貼る印紙税(2万円または6万円。契約する価格により異なる)」、「不動産取得税」、「司法書士報酬(約3~5万円)」、「登録免許税」、「土地家屋調査士報酬などの費用(約5~10万円)」がかかります。
また、これ以外に、「申込証拠金」と「手付金」も必要です。
② 住宅ローンを組むときにかかる費用
住宅ローンを組む際には、「融資手数料」、「保証料」、「住宅ローン契約書に貼る印紙税(2万円または6万円。借入金額により異なる)」、「司法書士報酬(約3~5万円)」、「登録免許税」がかかります。
このように、①売買契約を結ぶときにかかる費用と②住宅ローンを組むときにかかる費用だけでも、最初にかなりの諸費用がかかるので、注意が必要です。
家の購入後にかかる費用
無事にマイホームが購入できたら、その後、家を維持する費用として、「固定資産税および都市計画税」と「火災保険料」がかかります。
固定資産税の税率は原則として1.4%、都市計画税の税率は市町村により異なることがありますが、最高で0.3%とされています。また、これらの税金は、住宅家屋の建っている住宅用地の面積区分で減額されます。
火災保険の加入は法律で義務付けられているわけではありませんが、住宅ローンを組んで家を購入する際には不動産会社や金融機関から加入を求められることがほとんどです。
火災保険に入らなければ、基本的には地震保険も付帯できません。地震大国の日本において、火災保険と地震保険はセットで入ることが、自分と家族の安心と安全にもつながります。
〈監修/千日太郎、マンガ・イラスト/木村 豪〉
本記事は『不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』からの抜粋です
* * *
はじめての住宅購入での不安
「今買って大丈夫か」の答えが手に入る!
マイホームを購入するための住宅ローンは、年収の何倍もの金額であり、返済期間は生きてきた期間かそれを超える期間にわたる契約です。
いままで経験したことのある大きな買い物のノウハウは、ここではほとんど役に立ちません。
例えば、持ち家か賃貸か? 住宅ローンは変動金利タイプか固定金利タイプか? 結局どちらが正解なのか。そもそもマイナス金利が解除されるであろう今、買ってもいいものか。
住まいを選ぶにあたりどういう選択をすべきなのでしょう……。
この本は、住宅購入にあたって多くの人がぶち当たるこれらの壁と難しい選択にあたり、正しい答えを自分の中から掘り出すプロセスを、マンガと文章でわかりやすくお伝えします。
千日太郎(せんにち たろう)
オフィス千日合同会社代表社員、公認会計士。1972 年兵庫県生まれ。
公認会計士の資格と名前を伏せてはじめた「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな? に答える」の超現実的で有益な内容が評判を呼び、住宅ローン、不動産分野で大人気のブロガー、コラムニストとして現在に至る。
「価値ある情報は誰もが無料で入手できることでさらに価値を増殖させる」という信念のもと、一般の人からの相談を受けつけ、YouTube で回答を公開する「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」もスタートした。
人並みはずれた分析力と的確なアドバイスに評価が集まり、日々視聴者からの相談が途絶えることがない。著書に『住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本』、『家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本』( いずれも日本実業出版社) がある。