• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。猫の顔の大きさについて。

    昨年保護した子猫もすくすくと大きくなりました

    暑い夏。突然現れた乳飲み子3匹と、ママ猫を保護し、うちの子になってもらってから早1年が経ちました。

    画像: 昨年保護した子猫もすくすくと大きくなりました

    ママ猫もすっかりふくふくになり、それ以上に、片手に乗るほど小さかった子猫たちもびっくりするほどビッグに! 栄養が足りているのだなあと嬉しくなります。

    さて、私は実家時代も含めて、昭和の頃から猫と暮らしているのですが、最近、不思議に思うことがあります。

    なんだか、猫のお顔って時代が移り変わるにつれ、どんどん小さくなっていっていませんか? 

    最近は人間もお顔の小さなスタイル抜群のタレントさんが多く、猫にも時代があるのかなーなんて思っていましたが、どうやら、猫は理由があるそうです。

    最近、「小顔」の猫が多いと思いませんか?

    猫のお顔。特に男の子は、なぜその大きさが決まるかというと、性ホルモンが関係しているのだとか。

    生まれたばかりの猫は皆、ほっそりとしたあごで、目が大きく見えますが、成長するにつれ、だんだん頬が横に張り出し、頬袋が膨らみ、鼻筋が太くなっていきます。女の子はそこまで顕著ではありませんが、男の子は育つほどお顔が大きく。これは、縄張り争いなどのケンカで勝つため、多少噛まれても致命傷にならないようにと、お肉をつけてガードしているのだそうです。

    画像: 最近、「小顔」の猫が多いと思いませんか?

    では、昭和も令和も関係なく、男の子はお顔が大きくなるのでは? と思いますよね。

    実は、この性ホルモンの発達は、避妊去勢手術をすることでストップするのだとか。つまり、避妊去勢手術を早くした子は幼いままの小さな顔に。手術が遅い、あるいは、まだ手術をしていないお外の子は大きなお顔になる可能性が高いそうです。

    昭和の頃、私の実家もそうでしたが、発情期が来てもすぐに手術……というのもためらわれ、わりと遅めになりました。でも最近は、最初の発情期が来るか来ないかでもう手術。

    特に女の子の場合、早めの避妊手術が乳がん予防にもなりますし、最近の猫飼いさんは、きっちり手術をされる方が多い印象です。

    そのため、そういった知識がどんどん広まっている昨今、手術を早めにしてもらい、お顔も子どものままでキュートな猫ちゃんが多いのかもしれません。

    1歳には、立派な大人の大きさに成長します

    とはいえ、手術をしてもストップしないのが体の大きさ。

    最近は栄養価の高いプレミアムフードがいっぱい出ているので、子猫の成長も安心して見守れます。

    うちの3匹の乳飲み子たちも、まるで別人、ならぬ別猫かというくらい大きくなって、まるでおっさんのような立派な猫になり、1歳の誕生日を迎えるのでした。


    画像: 1歳には、立派な大人の大きさに成長します

    咲セリ(さき・せり)

    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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