(『天然生活』2022年10月号掲載)
“体温を維持”する衣服の重ね着のポイント
体温の低下は判断力の低下につながり、とくに防災時には命の危険を招くこともあります。
機能性の高いウエアを選べば、真冬でも少ないアイテムで防寒ができ、身軽に動ける分、体力も温存できます。
ここでは、インナーレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーを使って、季節ごとの重ね着を紹介します。
防寒性が上がるウエア選びのコツ
インナーレイヤー(肌着)
ウール素材で、体にぴったり合うサイズを選ぶと体の熱を逃しにくい。ウールのタイツを併用すると、体全体が暖かい空気層で覆われて保温力が上がる。
ミッドレイヤー(中間着)
ジップタイプの長袖だと脱ぎ着しやすく、温度調節しやすい。ミッドレイヤーの保温性を上げると防寒性が高まるので、薄手のダウンベストを重ねるのも効果的。
アウターレイヤー(シェル)
防水・防風性がある素材で、重ね着を想定してジャストサイズより少し大きめを選ぶのがポイント。フードやポケットがあると頭部や手先の防寒性も上がる。
「春」におすすめの衣服の素材と重ね着の順番
長袖のインナーレイヤー+アウターレイヤー。アウターの脱ぎ着で温度調節を。
「夏」におすすめの衣服の素材と重ね着の順番
半袖のインナーレイヤーを着用。ウールは保温性以外に調湿性にも優れ、夏も快適に過ごせる。
「秋」におすすめの衣服の素材と重ね着の順番
インナーレイヤー+ミッドレイヤー。インナーは気候によって半袖と長袖を使い分ける。
「冬」におすすめの衣服の素材と重ね着の順番
インナーレイヤー+ミッドレイヤー+アウターレイヤー。ウールのタイツをはけば万全。
〈監修/寒川 一 撮影/小禄慎一郎、山川修一 取材・文/田辺千菊(Choki!) イラスト/カトウミナエ〉
寒川 一(さんがわ・はじめ)
1963年生まれ。アウトドアライフアドバイザー、UPI OUTDOORアドバイザー。三浦半島の海辺で行う「焚火カフェ」主宰。アウトドアでのガイド・指導をはじめ、災害時に役立つキャンプ道具の使い方やスキルを教える活動も積極的に行う。著書に『「サボる」防災で、いきる』(主婦の友社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです