天然生活 最新号

心に残る、大切な言葉はありますか? 好きな本の中の一節や、たまたま目にした言葉など……。翻訳家・食野雅子さんに、幸せに結びつく言葉を聞きました。
(『天然生活』2022年11月号掲載)

くよくよせず、無理せず、ユーモアを大切に

画像1: くよくよせず、無理せず、ユーモアを大切に

翻訳家の食野雅子さんは、アメリカの絵本作家で園芸家としても知られたターシャ・テューダーさんの魅力を紹介してきました。

バーモント州の広大な農地で自給自足のスローライフを送るターシャさんを訪ねたのは2001年。以来、亡くなるまで交流を重ねました。

「初めて会ったとき彼女は85歳。暗くなればろうそくを灯す開拓時代のような生活をしつつ、洗濯機も冷蔵庫も使う柔軟さ。堂々と歳をとっていて、慣れている昔流の暮らしも楽しんで続けている満ち足りた様子に、感銘を受けました」

人生にはさまざまな苦難があれど、ユーモアをもって受け止めていたターシャさん。

食野さんが影響を受けたのも、その人柄が表れた言葉です。

「人生はやり直せないとか、落ち込んだときは好きなものを思い浮かべるとはだれでもいえるけれど、どちらも後半の言葉がミソ。彼女はプラスアルファのユニークな視点があるんです。

後悔しても仕方がないので、落ち込んだら思わず口元が緩むものを思い浮かべる。浮かばなかったら口角を上げるだけで幸せな気持ちになりますよ」

私は人生をやり直したいとは思わないわ。
やり直した人生が、今よりよくなる保証はないのですもの。

気持ちが落ち込んだ時は、スイレンの花を思い浮かべるの。
ガチョウのひなでもいいのだけど。

〈ともに、『ターシャ・テューダー 人生の楽しみ方』食野雅子著(河出書房新社)より〉

画像2: くよくよせず、無理せず、ユーモアを大切に

〈文/長谷川未緒〉

▼本記事はこちらのムックにも掲載されています

別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3 』(扶桑社ムック)

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第1章 これからの「おいしい生活」のつくり方
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第2章 おしゃれは心のビタミン!
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第3章 豊かな人生のための幸せの支度
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第4章 心身とお金を整えるために
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第5章 人生の豊かな「しまい方」
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* * *

食野雅子(めしの・まさこ)
翻訳家。仕事を通じてターシャと親交を深める。2013年、山梨県北杜市に「ターシャ・テューダー ミュージアム ジャパン」を開設。

※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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