• 暮らしの達人・金子由紀子さんは、58歳で還暦を目前に控え、念願だったタイ料理のひとり研修の旅に出かけました。著書『50歳からの心の整理旅』(オレンジページ)には、旅先での新たな食体験や人々との出会い、予期せぬトラブルを通して感じた心情が丁寧に綴られています。タイ料理を基準に決めた目的地。徐々に、行きたい場所が定まってきました!

    目的地は、こうして決まっていった

    タイ料理を知るために行くんだから、好きなタイ料理を基準に決めよう。

    いろいろなお店でタイ料理を食べていくなかで、私が特に気に入ったのは、

    ● ソムタム(青いパパイヤのサラダ)
    ● ラープやタップワーン(加熱した肉やレバーを使ったサラダ)
    ● トムセープ(内臓類を使った、辛くすっぱいクリアなスープ)

    これらの共通点は何かといえば、イサーン(タイの東北地方)の料理であることです。

    なかでもいちばんの好物は、どの店にも必ずあるソムタムです。

    ソムタムはさわやかな風味と独特な歯ごたえから、日本でも人気があります。

    果物として食べるパパイヤは、黄色くやわらかく熟した甘いものですが、ソムタムに使うのは、熟していない、緑色のまだ硬い実です。これを千切りにし、潰したにんにくと唐辛子、ライム果汁、調味料と和えて作ります。

    画像1: 目的地は、こうして決まっていった

    私も自分で作っていますが、なかなかタイ料理店のような味になりません。

    これをぜひ、納得のいく味で作れるようになりたい。

    画像2: 目的地は、こうして決まっていった

    「これは、行くならイサーンだな。イサーンでソムタムを学ぼう!」

    “メコン川”に血が騒ぐ

    ソムタムのそもそものルーツは、ラオスにあると聞きました。メコン川を隔てたさらに東北にある内陸国です。

    画像1: “メコン川”に血が騒ぐ

    「メコン川!」

    このワードに、私の血が騒ぎます。タイ料理も好きですが、川も好きなのです。

    生まれたのは、海なし県の栃木県。その中央を流れる鬼怒川が、私の原風景です。遠く日光を源流とし、だだっ広い関東平野を下って利根川に合流し、やがて太平洋にそそぐ鬼怒川を眺めて育ちました。

    そのせいか、川の近くにいると妙に気持ちが落ち着きます。コロナ禍にあって、人と会えない時期、私はしばしば川めぐりをしていました。

    画像2: “メコン川”に血が騒ぐ

    夫が土木の仕事をしている関係で、新しく完成した道路や建設中の橋を訪ねてよくドライブをするのですが、そこで出会う川に沿って歩いたり、河川敷を散策するのが何より楽しいのです。

    ここに至って、「イサーンでソムタムを食べる」と同時に、「アジアの大河・メコン川を近くで眺める」という目標が浮かんできました。ベトナムに行ったとき、河口のメコンデルタは見ましたが、故郷と同じ中流域は見たことがない。

    あわよくば、対岸のラオスにも足を延ばしてみたい。

    そうなると、行くべきはラオスへのアクセスのいい、メコン川沿いの国境の街になります。どの街に、どうやって行こう? どこに泊まろう?

    ●5つの目標

    1 イサーン料理を食べて学ぶ
    2 タイ国鉄の夜行列車に乗る
    3 メコン川を見る
    4 メークローン鉄道市場を見学する
    5 チャオプラヤー川を見る

    目的地さえ決まれば、あとはそれに従って旅を組み立てていくだけです。ようやく、オバサンひとり旅の始まりです!

    目標が定まると、ますます楽しくなってきました。

    旅の様子は『50歳からの心の整理旅 』(オレンジページ)金子由紀子(著)に収録されています

    * * *

    『50歳からの心の整理旅 』(オレンジページ)金子由紀子(著)

    『50歳からの心の整理旅』(オレンジページ)金子由紀子(著)

    『50歳からの心の整理旅』(オレンジページ)金子由紀子(著)|amazon.co.jp

    amazonで見る

    暮らしの達人・金子さんがたどった「じぶん再発見の旅」
    50代で心のすき間を自覚、紆余曲折を経て、還暦を目の前にした58歳でついに念願だったタイ料理プチ研修&川・市場探検を実行! 本書は、金子さんがたどった「じぶん再発見旅」の記録です。旅先での新たな食や人との出会い、思いがけないトラブルを通した心情が丁寧に綴られ、タイに興味がなくても、読み進めるうちに心のモヤモヤが晴れ元気が湧いてきます。タイのお国柄や乗りもの事情など旅の基本情報や地図なども紹介し、ガイドブック的な一面も。シンプルライフの達人ならではの「荷物を軽くするコツ」や、過去の失敗から得た「セキュリティ対策」も収録しています。



    <著者/金子由紀子 イラスト/上路ナオ子>

    金子由紀子(かねこ・ゆきこ)
    エッセイスト。総合情報サイトAll About「シンプルライフ」初代ガイド。 1965年生まれ。出版社勤務を経てフリーランスとなり、幅広い分野で執筆を行う。10年に及ぶひとり暮らし経験と、主婦としての実体験をもとに「シンプルで心地よい暮らし」を軸とした生活術を提案。2006年『お部屋も心もすっきりする 持たない暮らし』(アスペクト)を上梓し、“持たない”ブームの先駆け的存在に。精神性と継続性を重視した、リアルな暮らしの知恵が共感を呼んでいる。 著書に『50代からやりたいこと、やめたこと』(青春出版社)、『クローゼットの引き算』(河出書房新社) 、『お金に頼らずかしこく生きる 買わない習慣』(アスペクト)、『夜家事でかつてないほど朝がラクになる』(PHP研究所)などがある。



    This article is a sponsored article by
    ''.