• お笑いコンビ、たんぽぽの白鳥久美子さんは、おばあちゃんっ子だったこともあり、「ばあちゃん仕事」に憧れ、愛してやみません。今日も、手を動かして、暮らしをつくる。白鳥さん流の「楽しい小さな暮らし」をご紹介します。今回は、生後11ヶ月の息子に“四股名”をつけて、地元福島の泣き相撲に参戦します。

    極上のエンターテイメント。地元福島の泣き相撲に参戦

    私の地元の福島で、子どもの「泣き相撲」が開催されるというので、11ヶ月の息子を参加させることにしました。

    「泣き相撲」とは、赤ちゃんの泣き声が邪を祓った故事に由来するそうで、だから思いっきり泣けば泣くほど縁起がいいんですね。

    テレビのニュースでよく観ていたのは、力士に抱かれた赤ちゃんが、土俵で「それ、泣け〜! 泣け〜!」なんて言われながら号泣。その姿がまたかわいいらしく、会場に幸せを分けてくれる素敵な行事だなぁと思っていました。

    それに参加できるとあれば、絶対やるぞ! と、ずいぶん前から意気込んでいたのです。

    画像1: 極上のエンターテイメント。地元福島の泣き相撲に参戦

    申し込みの段階から四股名を決めておいて下さいとのことで、どうしようか夫と散々悩んで、私の故郷の福島出身の力士「若隆景」にちなんで、「若」の文字は入れようということになりました。

    そして夫の芸名「チェリー吉武」にちなんで、「チェリー」→「桜」の文字。そして愛称の「坊くん」から「坊」の字を1つ。「若桜坊」と書いて「わかチェリぼう」と呼ぶ四股名に決定しました。

    神社でのご祈祷を済ませ、まわしを着けると、どの赤ちゃんも、とんでもないかわいらしさでした。そもそも体型がムッチムチの3頭身ですもの、ほぼお相撲さんなのです。似合わないわけがないのです。

    さて「若桜坊」の出番まで、他の赤ちゃんたちの立ち合いを見ていると、それはそれは、極上のエンターテイメントでした。

    すぐさま大きな声で泣いて拍手喝采の赤ちゃん。真顔で「これはいったい何をされられてるの?」と言わんばかりの赤ちゃん。力士に高い高いをしてもらってると勘違いしてゲラゲラ笑う赤ちゃん。

    なんてそれぞれなんでしょう。尊い。幸せ!

    画像2: 極上のエンターテイメント。地元福島の泣き相撲に参戦

    そして、緊張の「若桜坊」の番になりました。泣かないかもしれないとは思っていました。笑うんじゃなかろうかと予想していました。

    ところが全ての予想に反して、まさかの爆睡状態。さすがに力士の方に渡したら起きるだろうと思っていたのですが、取り組みが始まっても脱力の爆睡。行司の方に「若桜坊〜 起きろ〜! 起きて〜!」と言われる始末。

    そんなかけ声聞いたことありません。会場に笑い声が響きます。なのにそれでも起きず、だるんだるんに寝ています。私たちも必死になって「起きてー! お願い起きてー!」と叫びました。

    画像3: 極上のエンターテイメント。地元福島の泣き相撲に参戦

    ようやく起きたのは、相手の子の泣き声が聞こえてきてから。力士の方が怖いお面を見せたり、色々動いてくれたのですが、でっぷりのむっつり。最後まで泣かずに取り組みを終えました。

    まさかこんなことになるとは。予想だにしないことが起こるのが子育てなんだなぁと、なんだかしみじみしました。

    泣いて邪を祓うことにはなりませんでしたが、寝て笑いを取ったということで、芸人である私と夫は少しばかり羨ましいと思ったのでした。



    画像4: 極上のエンターテイメント。地元福島の泣き相撲に参戦

    白鳥久美子(しらとり・くみこ)
    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。2008年に川村エミコとたんぽぽ結成。10年、フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。趣味は、散歩、高圧電線観察、シルバニアファミリー。特技は、詩を書くこと。唎酒師(日本酒のソムリエ)の資格ももつ。



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