(『天然生活』2021年1月号掲載)
水谷さん流「片づけ」の仕組みのつくり方
家族が、各自で整えられる工夫を
夫や子どもたちも、自分のものは自分で責任をもって管理。母親ひとりに片づけの負担がかからないような仕組みづくりができています。
自分で管理できる子どもたちのひきだし
3人の子どもたちの衣類や持ちものは、ひきだしに収納。どの年齢でもパッと認識できるように、ひらがなとイラストのラベルを貼っている。
最上段のひきだしには、個人がたいせつにしているものを自分で放り込めばいい仕組み。
夫の趣味を尊重して余計な口は出さない
夫がコレクションしている野球の球団キャップや、スニーカーの整理は本人にお任せ。キャップは「山崎実業」の帽子専用ハンガーで見せる収納に。
ベストな収納方法を子どもにも考えてもらう
つい置きっぱなしになっていた長女の髪ゴム。「置き場所をどこにすれば自分で元に戻せると思う?」と質問し、長女本人のアイデアでフックを設置。
ラベルは成長に合わせて変更しやすいものに
ラベルはテープライターなどを使わず、マスキングテープ+油性ペンで手軽に。最近は、小学生の長女は学校の持ちものに応じて自分でラベリング。
水谷さん流「アイテム」のまとめ方
中身の情報が見えるように分ける
すべてを扉やふたで隠さず、使用頻度の高いものは見える収納に。使うたびに「あれ、どこだろう?」と探すストレスを減らせます。
家族全員、だれが見てもすぐにわかる状態にしておく
ダイニングテーブルの背面棚に置かれた3段トレーには、子どもの文具を仕分けケースで分類。ふたをせず、子どもでも簡単に投げ込められるよう片づけのハードルを下げている。
ボックスのひきだしは1段おきに外して使う
「無印良品」の小物収納ボックスは、あえてひきだしを1段おきに抜いている。中のものが把握できて便利。
書類は一時置きしてその後、必要なものだけ保管
学校・保育園のおたよりや、書類などついたまりがちな紙類。バインダーで一時置きしたあと、ファイルボックスに保管。
3人の子どものものは色分けして区別しやすく
長女がオレンジ、長男が緑、次男が青。学習用タブレットや自由帳など一見区別がつかないものは、背表紙にマスキングテープを貼って色分け。
水谷さん流「ひとりで抱え込まない」ための工夫
自分の好き嫌いを見極め、選択のストレスを減らす
苦手なことは無理をせず、自分ひとりで抱え込まないのが、心地よく暮らす秘けつ。夫婦間でもそれぞれが得意な家事は分担していると話す、水谷さんが実践していることとは?
好きな雑貨を並べて心地のよい空間づくり
壁面収納棚は、図面を書いて工務店にオーダー。「日用品には機能を求めますが、ただ純粋に『かわいい』『好き』と感じる雑貨も好き。そういうものを飾れるような場所をつくりました」
食器は日常用と来客用をはっきり分ける
日々の料理の食器に気を使いたくないと話す水谷さん。日常では扱いが楽な業務用食器を。お客さま用は薄くて繊細なものを用意。数年前に大幅に見直して、全体量も減らした。
仕事着は白シャツで統一して、選ぶ手間を減らす
毎朝、仕事着を選ぶ時間を短縮するために、いつも白いシャツと決めている。同じ白シャツでも、襟元にフリルがついているものや、シャープなデザインなど、ディテールで気分を変えて。
苦手な家事は思いきってプロに頼る
年に2回、キッチン、エアコン、浴室の掃除をプロに依頼。「日常は、こう手入れしたらよい」とアドバイスしてもらえるのもいい。作業中は夫にも立ち会ってもらい、ひとりでは抱え込まない。
〈撮影/鍵岡龍門 取材・文/大野麻里〉
水谷妙子(みずたに・たえこ)
「無印良品」で生活雑貨の企画デザインに13年間携わり、2018年に独立。著書に『水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び』(主婦の友社)など多数。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです