(『天然生活』2021年1月号掲載)
洲脇さん流「隠れている場所」の整え方
扉や引き出しを開けたときテンションが上がるように
普段、隠れている場所でも手を抜かず、オープンな場所と思って整理整頓の心がけ。「ごちゃっとしているともやもやした気持ちに。もやもやは極力つくりたくないですよね」
取り出しにくい高所こそ整えて
「普段、ほとんど使うことのないツールをしまっていますが、そういう場所こそ、きれいな見え方を意識しないとごちゃついてしまいます。詰め込みすぎず、余白をつくることも大事ですね」
仕切りにおすすめパウンド型
カトラリーなどを入れているキッチンの引き出しにはパウンド型を使用。
「キッチンの引き出しって意外に深いので、高さがぴったり。カトラリーと同じシルバー系なので色もなじみます」
取っ手の向きはそろえるのが鉄則
ダイニングコーナーの棚の中には、コレクションの食器がたんまりと。
「取っ手の向きをそろえて収納するだけで、ディスプレイのように見えます」
白は白、色のものは色のものと、ここでも収納はグループ化して。棚の上の本もサイズごとにかたまりをつくり陳列。
洲脇さん流「アイテム」のまとめ方
ものは、素材や大きさなどでかたまり化
たとえたくさんのものがあっても、素材や色などをそろえることで、ものをひとつのかたまりに。これこそが洲脇さんの収納の鉄則です。
細々したツールは材質別で統一を
好きでつい増えてしまったというキッチンツール。
しゃもじやヘラなどの木製ツールは「レイバー&ウェイト」の陶器のスタンドに。ステンレスのさじと菜箸はガラスのカップに。
ガラスだと見た目が軽やかですっきり。
新入りが来たら目立つところに
最近買ったという「インゲヤード・ローマン」のガラスの花器などを、オープン棚に並べて。
「オープン棚は少しずつ並べるものを変えています。新入りが来たらまずは目立つところに飾って、じわじわと暮らしになじませていきます」
入れ物をそろえてすっきりと
茶葉や砂糖などは、すべてガラスキャニスターに入れ替えると整然とした印象に。
「サイズやパッケージのデザインが異なるものが並ぶと雑然としてしまうので、お気に入りの保存容器に入れ替えるようにしています」
片づけたくなる事務コーナー
元は押し入れだったという棚のスペース。グレーに塗った小さめの棚を入れ、その中にファイルボックスを並べ、資料を仕分けしている。
ファイルボックスはいくつかの種類になっても、高さがそろっていることですっきり見える。
洲脇さん流「空間の心地よいリズム」のつくり方
黒を効かせてインテリアを引き締める
スタイリスト・洲脇さんの表現の特徴として黒を効果的に使ったスタイリングがあります。柔らかなトーンのなかに、少し黒を混ぜることで心地よいリズムが生まれます。
モノクローム写真のパワー
「黒使いの名手」と評判の洲脇さん。モノクロームの写真もスタイリングに効果的に登場することが多々。
「写真を置くことで、ものだけで構成された空間が生き生きとします。モノクロ写真は静かな存在感で空間になじみやすいですね」
ナチュラル感を中和させて
かごや木を多用するインテリアは、どうしてもやさしくナチュラルなトーンにまとまりがち。
「あまりかわいくなりすぎないように、黒の布をかけて大人っぽさをプラス。木製の棚はグレーにペイントして、こちらも引き締めを」
キッチンツールも黒がアクセント
鍋やバットなど、キッチンツールにも黒色のものを多くセレクト。キリッと無機質な佇まいは、出しっぱなしにしておいても生活感が出ない。
キッチンに多い茶の木製ツールやざる、せいろなど茶系のものとも色のなじみがいい。
特製の箱でぴったり収納
仕事の道具を収納している棚もグレーにペイント。「カラーワークス」のヒップというペンキがお気に入り。
棚にぴったり収まった白い箱は「アースダンボール」でオーダー。「サイズや色、穴の位置など好みの段ボール箱がつくれます」
〈撮影/枦木 功 取材・文/鈴木麻子〉
洲脇佑美(すわき・ゆみ)
大阪芸術大学空間デザインコース卒業後、インテリアショップの店長を務め、その後インテリアスタイリストに。http://www.suwakiyumi.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです