• 2023年から読書熱が急速に高まっているという、中村江里子さん。家のなかではもちろんのこと、移動時間やお肉屋さんで列に並んでいるときにも、本が欠かせなくなったそうです。どんな本を手に取り、どんな時間を過ごすのか、中村江里子さんが日々大切にしている「本の時間」について、教えていただきました。
    (『Saison d' Eriko セゾン・ド・エリコ Vol.19 中村江里子のデイリー・スタイル』より)
    画像: 「創建時以来、「シャトーモンフォール」と呼ばれてきたわが家。狩猟の宿としてフランソワ1世も立ち寄ったのだとか。塔がある部分の建物は1523 年の創建です。その周囲に年代を追うごとに棟が増築されていまの状態になっています」

    「創建時以来、「シャトーモンフォール」と呼ばれてきたわが家。狩猟の宿としてフランソワ1世も立ち寄ったのだとか。塔がある部分の建物は1523 年の創建です。その周囲に年代を追うごとに棟が増築されていまの状態になっています」

    やっぱり、本が好き!

    本が好きになったのは大学時代。

    けれども、社会人になってから、そして子育てで忙しくなると、読書のペースが遅くなって読書量が減っていました。40代で老眼鏡が必要になったこともその一因だと思います。 

    ですが、ここにきて、読書熱が再燃。

    子どもの送迎や買い物の合間など、たとえ少しの時間でも本を読むことが日常になりました。

    以前は、そういう時間の手持ち無沙汰を解消するためにスマホでニュースを見たりすることもありましたが、満足感がないことに気づきました。日本でもフランスでも楽しくないニュースに接して疲れてきてしまったのと、ふと、私は別にニュースに追いつこうとしなくてもよいのでは? と思い、あるとき本を手にして以来、もう本が手放せなくなってしまったのです。

    私にとって、読書は完全な現実逃避。

    いま、世の中に目を向けると、現在や未来が不安になる材料があふれています。それをどうすることもできない自分にいらだちを覚えることも。けれども本の中にはそれとは別のもう一つの世界が広がっている気がします。

    登場人物やエピソード、描かれた感情について考えを巡らせることが楽しいのです。

    あらゆるコーナーの手に取れるところに本が……

    日本の家族との記念写真といっしょに日本の本を並べて

    南仏の私の部屋のサロン。以前も城主夫人のサロンだった場所で、曲線を用いて美しくデザインされた壁収納の一角に、日本から持参した本を収めました。

    画像1: 日本の家族との記念写真といっしょに日本の本を並べて
    画像2: 日本の家族との記念写真といっしょに日本の本を並べて

    窓辺のちょっとしたスペースに

    大きなサロンに隣接する、クラシックなバーカウンターがある空間。料理関係の本を重ねて。

    画像1: 窓辺のちょっとしたスペースに
    画像2: 窓辺のちょっとしたスペースに

    家の中でも乗り物の中でも、椅子に座って背筋を伸ばして

    ベッドやソファで横になって読書する方も多いと思いますが、私はそれだとなぜか、お腹が痛くなってしまうのです……。

    画像: 家の中でも乗り物の中でも、椅子に座って背筋を伸ばして

    <撮影/武田正彦 文/鈴木春恵>


    中村江里子(なかむら・えりこ)

    1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーのアナウンサーとなる。2001年にシャルル・エドワード バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリに移す。現在は20歳、17歳、14歳の3人の子どもの母親でもある。パリと東京を往復しながらテレビや雑誌、執筆などで幅広く活躍中。自身のライフスタイルを紹介したパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』、書籍『パリのおうち時間』(扶桑社)も好評。

    Instagram:@eriko.nakamuraofficial

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    『Saison d' Eriko セゾン・ド・エリコ』Vol.19 中村江里子のデイリー・スタイル(扶桑社ムック)|amazon.co.jp

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