(『天然生活』2023年7月号掲載)
大田さん流 ゆるやかに整える工夫1
家の「気」がめぐるように「余白」をもつ
どのスペースにも、ものを詰め込みすぎない。ゆったりとした空間には、すこやかな空気が漂います。
本棚は色別にして、余裕をもたせる
リビングに置かれた本棚には、建築など、いま関心のあるテーマの本が並ぶ。「本があふれないよう、定期的に見直して整理しています」
並べ方はジャンル別ではなく色別。「買ったときのデザインや色が頭に残っているので、そのほうが探しやすいんです」
食器は収納用具を使用せず、もちすぎない
食器はこの戸棚に収まる分だけと決めていて、収納力を上げるコの字ラックは使わない。
「これくらいの量を繰り返し使うほうが心地よいです」
収納は「あるから入れる」をしない
「収納の分だけものを増やすことはしたくなくて」
大きな戸棚にもヨガマットなど必要なものだけ。家の中には何も入っていない引き出しも。
好きなグリーンを育てるスペース
大好きなグリーンを並べたキッチンの一角。コーヒーマシンもデザインが好きであえて出している。
「自分をいやしてくれるものは目につくところに」
大田さん流 ゆるやかに整える工夫2
そのまま持ち出せるようセットして収納
東京と千葉の2拠点生活をしている大田さん。楽に行き来できるよう、日用品の持ち運びセットをつくっています。
パンづくり一式をまとめて箱に
粉や塩といった材料からスケール、ボウルなどの道具まで、パンづくりに必要なもの一式をまとめて箱に。
「週に3回くらいは焼いているので、どこでも使えるセットに。あちこちから材料や道具を集めなくてよいので便利です」
スパイスはかごに詰めて
かごの中にはスパイスやハーブ、豆板醬など、毎日は使わないけれどあると便利な調味料をまとめて。
「あちこちでその都度買って余らせたくないので、このスタイルに。友人の家で料理をつくる際にも持っていきます」
保冷機能付きのかごで食材を移動
インテリアショップで買ったという保冷機能付きのかごバッグは「東京で使いきれなかった食材を入れて千葉に持って行ったり、千葉で買った野菜を東京に運んだり。食材をむだなく使いきるうえで頼りになるツールです」
小分け袋をそのままトランクに
着替えやメイク道具はそれぞれ小さな袋に入れて、移動の際にはトランクに詰める。「メイク道具はふだんからバッグに入れた状態で使っています」
キャンバス地のバッグは大田さんがプロデュースする「LIFESTYLIST」のもの。
大田さん流 ゆるやかに整える工夫3
数を減らし厳選したもので暮らす
家にあるものすべてが、ひとつ残らず生き生きと活躍できるように。心から好きだと思えるものを少しずつ持つようにしています。
食器は色を絞って、長く使えるものを
「器は大好きな作家さんのものや旅先で出合ったものを買っています。以前はたくさん買っていましたが、最近は年に1〜2枚程度。長く使えるものに絞っています」
色はどんな料理にも合う白、茶、青が基本。有田焼の白磁の器は大田さんプロデュースのもの。
長年愛用の鍋を使う
吊り戸棚の中には使い込まれた鍋が。
「何年前からかわからないほど長く使っています。毎日ごはんを炊いたり味噌汁をつくったり、大活躍中です」
手帳は定番のものを選ぶ
スケジュールのほかにも仕事のメモ、思いついたことなどを書いている手帳は「モレスキン」のものを長年愛用。
「シンプルで使いやすいのが魅力」
服は黒か白に限定
寝室にあるクローゼットに、黒と白の服を収納。オフシーズンの服はトランクルームに預けている。
「増えすぎないよう、シーズンごとに見直します」
〈撮影/星 亘 取材・文/嶌 陽子〉
大田由香梨(おおた・ゆかり)
ファッションスタイリストとして活躍した後、ファッションの枠を超え、「衣・食・住」のトータルコーディネートを行う“ライフスタイリスト”という新しいジャンルを確立。クリエイティブな活動を通して、持続可能ですこやかなライフスタイルを広めている。
インスタグラム:@otayukari
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです