• 読んで背筋が伸びた1冊、いままでにない感情があふれ出た1本。表紙を閉じたとき、映画館を後にしたとき、ほんの少しだけ、世界が変わってみえました。今回は、映画監督の安藤桃子さんに「価値観を変えた本と映画」を伺いました。
    (『天然生活』2022年11月掲載)

    自分に必要とするものを引き出す存在

    「どんな本も映画も、その世界を感じるという体験を通じて、いまの自分から必要な力を引き出して、意識させてくれる人生の先生」と安藤さん。

    本を読む時間は、まるで映画「ネバーエンディングストーリー」のように、人生と本の世界が融合し、まさにリアルなエンターテインメントのような感覚に。

    「想像力が豊かになることは夢をかなえてゆく力につながる。本は、その力を引き出してくれます。一方、映画は自分が本当にその経験をしたかのように記憶されます。魂に響く作品と出合ったときには、感動が日常まで響き渡るのです」

    A Child is Born 赤ちゃんの誕生

    画像: レナルト・ニルソン写真 ラーシュ・ハンベルイェル解説 楠田 聡、小川正樹訳/あすなろ書房

    レナルト・ニルソン写真 ラーシュ・ハンベルイェル解説 楠田 聡、小川正樹訳/あすなろ書房

    1965年の初版以来、科学と技術の進歩とともに改訂を重ねてきたロングセラー。

    「細胞レベル、ミクロの世界から命が形づくられてゆくのを、写真で見られるとは! 世界観が変化しました。そこには紛れもなく天使がいます」

    千利休 本覺坊遺文

    画像: 1989年 日本 監督:熊井 啓 KADOKAWA

    1989年 日本 監督:熊井 啓 KADOKAWA

    利休はなぜ、死ななければならなかったのか? 安土桃山時代の茶人、千利休の謎多き晩年を、愛弟子・本覚坊らが解き明かすさまを描く。

    「巨匠・熊井啓監督作品の中で、最も研ぎ澄まされた、一切の無駄のない一作」

    ニュー・シネマ・パラダイス

    画像: 1989年 イタリア 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ ©1989 CristaldiFilm

    1989年 イタリア 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
    ©1989 CristaldiFilm

    シチリアの小さな村の映写技師と少年の心温まる交流を描く、映画愛あふれる名作。

    「名作すぎて紹介するのもどうか? と思ってしまうくらいですが、だからこそ、愛を込めてセレクト」



    <取材・文/福山雅美>

    画像: ニュー・シネマ・パラダイス

    安藤桃子(あんどう・ももこ)
    映画『カケラ』で監督デビュー。2014年に妹・安藤サクラ主演の『0.5ミリ』が大きな反響を呼ぶ。そのロケ地となった高知県に移住。地元の食に関するイベントにも熱心に取り組む。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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