(『天然生活』2022年11月掲載)
自分に必要とするものを引き出す存在
「どんな本も映画も、その世界を感じるという体験を通じて、いまの自分から必要な力を引き出して、意識させてくれる人生の先生」と安藤さん。
本を読む時間は、まるで映画「ネバーエンディングストーリー」のように、人生と本の世界が融合し、まさにリアルなエンターテインメントのような感覚に。
「想像力が豊かになることは夢をかなえてゆく力につながる。本は、その力を引き出してくれます。一方、映画は自分が本当にその経験をしたかのように記憶されます。魂に響く作品と出合ったときには、感動が日常まで響き渡るのです」
A Child is Born 赤ちゃんの誕生
1965年の初版以来、科学と技術の進歩とともに改訂を重ねてきたロングセラー。
「細胞レベル、ミクロの世界から命が形づくられてゆくのを、写真で見られるとは! 世界観が変化しました。そこには紛れもなく天使がいます」
千利休 本覺坊遺文
利休はなぜ、死ななければならなかったのか? 安土桃山時代の茶人、千利休の謎多き晩年を、愛弟子・本覚坊らが解き明かすさまを描く。
「巨匠・熊井啓監督作品の中で、最も研ぎ澄まされた、一切の無駄のない一作」
ニュー・シネマ・パラダイス
シチリアの小さな村の映写技師と少年の心温まる交流を描く、映画愛あふれる名作。
「名作すぎて紹介するのもどうか? と思ってしまうくらいですが、だからこそ、愛を込めてセレクト」
<取材・文/福山雅美>
安藤桃子(あんどう・ももこ)
映画『カケラ』で監督デビュー。2014年に妹・安藤サクラ主演の『0.5ミリ』が大きな反響を呼ぶ。そのロケ地となった高知県に移住。地元の食に関するイベントにも熱心に取り組む。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです