• 生きづらさを抱えながら、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていた咲セリさん。不治の病を抱える1匹の猫と出会い、その人生が少しずつ、変化していきます。生きづらい世界のなかで、猫が教えてくれたこと。猫と人がともに支えあって生きる、ひとつの物語が始まります。15歳の猫が最近遊ばない。その理由には病気が隠れていました。

    15歳の甘え下手な猫の、小さな異変

    我が家にはとっても引っ込み思案な15歳の猫「ウン」がいます。

    本当はあまえんぼうなんだけど、あまえに来ても、撫でていると、わざと少しずつ離れて追いかけさせようとするのです。そして、ゆるゆる追いかけっこをしたあとで、その場にごろん。お腹を撫でろとせがみます。

    そんなウンが、なんだかいつも以上におとなしいなと思ったのが数日前。

    あまり起きてこなくなり、追いかけっこもしてくれません。

    そのうえ、しっぽはなぜか、だらーりとたれています

    とはいえ、食欲も旺盛。他の猫にちょっかいをかけられると怒る元気もありました。

    病気のようには思えない。でも、絶対に何か変!

    よくよく観察していると、ほんの少し後ろ脚が歩くのがしんどそうな……? でも触っても文句も言わない。

    病院嫌いのウン。悩んだのですが、何かがおかしいという直感を信じて連れていきました。診察では手足を触られ……でも、痛がる様子もない。獣医さんも首を傾げながら、血液検査とレントゲンを撮りました。

    画像: 15歳の甘え下手な猫の、小さな異変

    なかなか気づきにくい、高齢の猫に多い病気

    結果は「関節炎」。

    高齢の猫に多いらしく、痛みを訴えることの少ない猫は、気づくのがなかなか難しい症状だといいます。

    加齢によって関節に負担が蓄積し、自己修復が不可能に。そこにさらなる負担がかかって関節が摩耗・変形すると、痛みが生じるそうです。

    家庭で気にしてあげるポイントは、このような感じです。

     ・立ったり、歩いたりの行動がぎこちない

     ・寝ていることが多い

     ・毛づくろいをしなくなる

     ・爪とぎをしない

     ・体に触れるのを嫌がる

     ・ジャンプや高い場所に飛び乗る行動をしなくなる

     ・トイレがスムーズにできない

    治療法は、注射もありますが、ウンの場合は液体の飲み薬でした。5日分、処方され、飲ませてみると……明らかにしっぽが立った!

    そういえば最近寝ていることが多かったのに、高い窓辺に飛び乗ってみたり、毛づくろいもしてくれるようになりました。

    薬は様子を見ながら減薬し、その後はサプリメントを習慣づけるといいそうです。

    高齢になるといろんな部分が症状が出てきますが、関節炎もそのひとつなのだとか。

    「よく寝るけど、歳だしそんなもんかな?」と思わずに、一度、調べてみるのもいいかもしれません。

    画像1: なかなか気づきにくい、高齢の猫に多い病気

    おかげでウンは若返ったように元気いっぱい!

    私も、「歳であちこちがー」と言わず、栄養をとって心身ともに人生をまだまだ謳歌していこうと勇気をもらいました。


    画像2: なかなか気づきにくい、高齢の猫に多い病気

    咲セリ(さき・せり)
    1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生き、自傷、自殺未遂、依存症、摂食障害、心の病と闘っていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)など多数ある。

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