(『天然生活』2022年3月号掲載)
多少散らかっていてもOK、「好きかどうか」がいちばん大事
“最低限”と“とりあえず”は、「自分には負担が大きい」片づけを、いかにがんばらずに気持ちよく暮らせるか、探って見つけた方法だといいます。その無理のないやり方でも、空間が居心地よく保たれているのは、もの選びにぶれがないからでしょう。
はったさんの基準は「好きかどうか」。収納道具ひとつをとっても、用途で選ぶことをせず、ひと目ぼれで手に入れたものや縁あってやってきた雰囲気のいいものを自由に使い、適した場所にちりばめています。
「どんなことも、自分はどうしたいか、ですよね。私は好きなものに囲まれ、愛犬・コハクと愛猫・アッシュがいれば幸せです。心をすり減らして片づけるくらいなら、多少散らかっていても大丈夫。最低限ととりあえずでなんとかなりますしね」
片づけに気持ちよく向き合う、楽しめるアプローチ
片づけに気持ちよく向き合うには、心と体が自然と動くきっかけづくりがポイントです。
はったさんの「片づけ」を楽しむアプローチ01
家に人を招く
2週間に1度程度、友人や仕事関係の人を招き、食事や打ち合わせをするというはったさん。
「料理も好きだし、人が来ればいつもより片づける気になります」。ダイニングセットは、木村二郎さん作のテーブルとメキシコの椅子。
はったさんの「片づけ」を楽しむアプローチ02
目にうれしいもので片づける
なんと高校時代から愛用しているというメキシコ製バッグに普段使いの布バッグを収納。寝室で支度をして玄関に向かう動線上のドアノブにかけて。
古道具店で見つけたお気に入りの引き出し付きの椅子に犬用トイレシートをしまう。台所で踏み台にも使うほか、アッシュがベッド(写真右上)に行く通り道としても機能する。
はったさんの「片づけ」を楽しむアプローチ03
水まわりの片づけは暦に沿って
金運アップデーの寅の日と巳の日に洗面所や台所をきれいに。「水まわりは金運を左右する場所。毎日は大変なのでご利益のある日に片づけます」
片づけに役立つアイテム
空きびん類は木箱にストック
ジャムや保存食に、何かと重宝する空きびんや空き缶はサイズ違いで備蓄。「偶然ぴったりだった」という古い木箱にまとめて、台所の棚の一番上に。
ざっくりしまえるかごを活用
客用スリッパやコハクのおもちゃなど、使う頻度が高く、見えても嫌じゃないものは、ふたのない籐や真鍮のかごに収納して部屋の片隅に置く。
小さな家具をあちこちに
つくり付けの収納スペースが少ないため、小家具を活用。右側はお茶まわりのものをしまう棚、左の木箱は未開封のお菓子入れとして使っている。
〈撮影/有賀 傑 取材・文/熊坂麻美〉
はったえいこ
器や暮らしの道具、アンティーク、食品などを扱う「Loveit」を運営するほか、カウンセリング業も行う。
https://loveit-circus.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです